大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

マイクロソフト、品川新本社を報道関係者に公開



 マイクロソフトは1月11日、2月1日に移転する東京・品川の新本社の様子を報道関係者に公開した。

 本誌では、2010年8月に、内装工事が始まる前の新本社の様子をレポートしたが、その後、オフィス内の工事に着手。2010年12月までに作業はほぼ完了した。今後は、細かな什器などの導入とともに、1月22日から、順次移転作業が開始されることになる。

マイクロソフトの社長室・牧野益巳室長

 マイクロソフトの社長室・牧野益巳室長は、「過去25年間で最大規模の移転となる。あわせて今回の本社移転は、マイクロソフトが日本に根付き、信頼される企業に向けた変革のためのもとになる」と位置付ける。

 本社移転日の2月1日が設立25周年の記念日であり、これにあわせて社名も「日本マイクロソフト株式会社」に変更する。

 マイクロソフトの新本社は、品川駅の港南口を出て、コンコースから直接つながるグランドコモンズのなかにある品川グランドセントラルタワー。19階から31階までをオフィスとして利用し、2階入口から独立した形で入ることができる。

 新本社のフロア面積は、36,800平方m。新本社は、現在の新宿本社、代田橋、赤坂、初台、霞ヶ関の5つのオフィスを統合するが、統合前の合計28,100平方mに比べて、フロア面積は約30%増となる。

 調布および大手町のオフィスに関しては、そのまま継続的に利用。都内は3拠点体制となる。

 「技術部門およびテクノロジーセンターを除いた、本社、営業、マーケティング部門のすべてを統合する。約2,500人が勤務し、会議室の数は統合する5つの拠点をあわせたものに比べて3倍増になっている」という。

移転にあたっての基本的な考え方 新本社に関する考え方
品川新本社の概要 これまでの本社移転の経緯。今回の移転が最大規模となる

 品川という立地にしたのは、多くの顧客にとって交通至便な立地である山手線内にこだわったこと、現在の新宿オフィスから約20分の距離にあるため、社員の通勤経路の変更を最小限に抑えられること、オフィスレンタル費用の削減が可能になることなどを理由にあげている。

 「お客様およびパートナー主義、社員が働きやすい環境の整備、最新ITを活用した生産性の向上という3点を目指した。さまざまな働き方に対応したオフィス空間を実現する一方、ワン・マイクロソフトとしての勤務環境を実現できるように配慮した」という。

 また、特徴的なのは、約60%をフリーアドレスとしている点で、社員は出勤時には自由に席を確保し、そこで業務を行なうことになる。

 集中した作業を行ないたい場合や機密性の高い電話連絡を行なうために、1人で利用することができる電話ブースを用意。また、2〜3人程度で利用するブースや、チームとしての一体感を高め、チームで働く際に個人や共有グッズを設置することができるハブおよびチームルーム、面談や小規模会議向けのファンクションルーム、事前に予約して利用する中会議室や大会議室などを用意し、さまざまなワークスタイルに対応できるような仕組みとしているのも特徴だ。

 会議室の予約、および半数を予約対象にするチームルームの予約については、すべてOutlookから行なうことができ、Exchange Serverで管理するという。

 「オフィスの自席での作業が半分以上を占める社員、オフィスでの作業が半分以下の社員、モバイルワーカーではあるが守秘性が高い業務に携わる社員といったように、異なるワークスタイルを持つ社員のすべてが、効率的に業務を行なえる環境にした」という。

 新本社への移転にあわせて、Microsoft Lync、Microsoft Unified Communications、Microsoft Exchangeによる新たな社内システムを構築。エンタープライズボイスシステムを導入することも明らかにした。

新本社向けに自社技術を活用した社内システムを構築した エンタープライズボイスシステムを全社導入する

 エンタープライズボイスシステムでは、外線電話はすべてPC上に通じることになり、社員はヘッドセット型通話装置か、USBに接続する受話器を利用して会話する。会議中や海外出張中でも、ネットワークがつながっいる場所であれば、直接、社員の電話がPC上につながる。長時間に渡って、PCのネットワークがつながらい場合や、PCを閉じている場合には、社員が持つWindows Phoneの携帯電話に自動転送されるといった設定も可能になっている。

 「品川本社を経由して、いつでも、どこでも発着信ができ、マイクロソフト社員がどこにいるかを問わずに、発信者は連絡をとることができる。この仕組みは、約1年間に渡って大阪オフィスで実証実験を行なっており、その成果をもとに展開するもの。また、IP電話による通信コストダウンや、PBXが不要になるためにそれに関わるメンテナンス費用が削減できるといったメリットがある」という。

 さらに、新社内システムによって、社員のプレゼンスを掌握し、それをもとに文字、音声、ビデオを活用したコミュニケーションを行なったり、オンライン会議を実施できる環境を用意する。

 「これにより、社員がこれまで以上に時間を有効活用できるようになる」としている。

 一方、環境への配慮としては、LEDの活用およびセンサーによる自動消灯といった照明制御、空調管理や風流量管理による空調コストの削減などに取り組んでいる。マイクロソフトでは、2012年度までにエネルギー消費量を、2007年比30%削減を目標としているが、それを実現できるものになっている」とした。

新本社による環境への取り組み 社内にはLED照明を導入している
窓は二重になっており、ガラスとガラスの間にブラインドが設置されている

 移転作業は、1月22日に、初台、代田橋、霞ヶ関オフィスからスタート。1月29日には新宿本社の一部および赤坂オフィスが移転作業を開始。2月5日から残りの新宿本社部門が移転する。樋口泰行社長の新本社への移転は、2月5日からとなり、1番最後になる。2月7日には、すべての部門が移転を完了し、業務を開始する予定だ。

 「新本社は、少なくとも今後10年は利用することを想定したものになっている。拠点を統合することで、1日5,000回以上の拠点間の移動がなくなり、その点でも大きなコストダウンになる」としている。

 それでは、写真を通じて新本社の様子をみてみよう。

JR品川駅方向から見たマイクロソフトの品川新本社 すでにマイクロソフトのロゴが入っている
インターシティ側からの様子。19〜31階までをマイクロソフトが使用 新本社は品川グランドセントラルタワーに入居する 品川グランドセントラルタワーの位置
2階のメイン入口。ここにもすでにマイクロソフトのロゴが入っている 左側は18階までの入口。マイクロソフトの入口は別に用意されている
マイクロソフト新本社の受付カウンターの様子 受付の横に用意されたカウンターでは自動での登録が可能になるという。事前にマイクロソフトから送られてきた番号を入力するとパスが発行される
2階のエレベータホール。手前にセキュリティゲートがある これから移転作業が始まるため廊下は養生してある 法人ビジネスを対象とした31階のフロア構成イメージ
東側入口にあるニューワークスタイルスペースの入口 ニューワークスタイルスペースのレイアウト ニューワークスタイルスペース。最新の技術を利用した会議のイメージを体験できる
大画面のディスプレイを用いて、タッチパネルによるプレゼンテーションが行なえる 最新技術を活用した会議室の様子 小規模の会議室や、簡易なミーティングスペースなどさまざまな形態のものが用意されている
廊下は明るい雰囲気。左右にミーテイングスペースが用意される セミナールームの様子。4つのセミナールームに分割することができる セミナールームの受付およびロビー
新本社31階から外の風景を見てみる 31階から30階には内階段で降りることができる
コンシューマビジネスを意識した30階のフロア構成イメージ 30階フロアの東側入口を入ったところ コンシューマフロアのカーペットはややポップな感じ
会議室の内装もコンシューマという点を意識しているようだ 照明もユニークなデザインのものが採用されている プレゼンテーションコーナーの様子
最新のAV機器との連動デモストレーションを行なう部屋も準備 30階にあるカフェ。来社した顧客、パートナーなどが利用できる
このスペースにリビングルームや子供部屋を意識した展示を行なう予定 LEDで壁にデザイン。実は、このデザインは点字でありマイクロソフトと読める
内覧会では特別に29階の社員フロアを公開。ここは社員が入居後はセキュリティの関係で入ることは不可能。オープンデスクエリアによるワークスペースとなっており、基本はフリーアドレスだ
役員および社員フロアの基本的なレイアウトイメージ オープンデスクエリアでは、電源、ネットワークの確保には優れている
チームで働く際に個人や共有グッズを設置することができるハブ チームルームやハブには、共用できる電子レンジや冷蔵庫もある
集中して作業をしたい場合などに、1人で利用する電話ブース 2〜3人程度で利用するブースも用意
オープンな環境でコミュニケーションやミーティングができる環境もある。これもさまざまなワークスタイルに対応するためのものといえる
社員は荷物をロッカーの中に入れる
19階はOne Microsoftフロアと呼ばれる 19階のOne Microsoftフロアのレイアウト
部門が異なる社員がセミナーや会議、コミュニケーションを行なうことを目的としている
社員からの要望が多かったカフェテリア。自由な時間に利用できるようになっている One Microsoft Cafeも設置
座席はファミレス風になっている 社員のサポート窓口であるオフィスサービスセンターも19階に設置