大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

2011年2月移転予定のマイクロソフトの品川新本社を初公開!



マイクロソフトが入居する予定の品川グランドセントラルタワー

 マイクロソフトは、2011年2月に、創立25周年を迎えるのにあわせて、社名を日本マイクロソフト株式会社に変更。同時に、東京・品川に本社を移転する。

 マイクロソフトが、その新本社の様子を、初めて外部に公開した。8月20日から内部の工事が始まるため、まだ内部にはなにもない状態。つまり、これからマイクロソフトの色に変わっていく前のオフィス内部の様子だ。

 これまでは三菱商事が入居しており、三菱グループならではの重厚な作りを感じさせるような点も随所に見られる。

 本誌独占レポートとして、マイクロソフト新本社の様子を、写真を中心にお伝えしよう。

 2011年2月にマイクロソフトが新本社移転を計画しているのは、東京・品川の港南口から約5分の品川グランドセントラルタワーだ。

 同ビルは、品川クランドコモンズのなかに位置し、かつて品川三菱ビルとして、三菱自動車工業本社および三菱商事本社が入居していたビル。2軒隣のビルは、キヤノンマーケティングジャパンの本社だ。

 マイクロソフトは、同ビルの19階から31階までの13フロアを使用。新宿・小田急サザンタワーの新宿本社オフィスのほか、朝日生命代田橋ビルの代田橋オフィス、赤坂ガーデンシティの赤坂オフィス、東京オペラシティー45階の初台オフィス、大同生命霞が関ビルの霞が関オフィスの5カ所を統合。約2,500人の従業員が勤務することになる。

 18階までは別の企業が入居しているが、これらの企業とは独立した形で1階および2階に入口が設けられ、そこから19階以上へエレベータで直通で入る構造となっている。

 1フロアあたりの面積は、2,700平方m。それが13フロア構成という規模になる。これまでの5カ所に分散していたフロア面積の合計よりも広いスペースだ。

 これまでのマイクロソフト社内にはなかった従業員向けカフェテリアが初めて用意されたり、従来は従業員しか利用できなかったマイクロソフトのロゴ入りグッズなどを販売するカンパニーストアが、一部来訪者にも利用できる形で設置される予定であるなど、新たな試みも計画されているという。

 また、最上階となる31階および30階はカスタマーフロアとして、お客様・パートナー向けセミナールームや会議室を設置し、ミーティングスペースとして活用。マイクロソフト本社を訪れると、2階で受付後に、30階あるいは31階のフロアで、セミナーに参加したり、会議や打ち合わせ、商談を行なうことになりそうだ。

 マイクロソフト新本社の内部の様子を本誌でいち早く公開する。


品川グランドセントラルタワーは、JR品川駅からつながる品川グランドコモンズのなかにある
メインとなる2階の入口。マイクロソフト専用の入口となる。社員や来訪者も基本的にはここから入る。移転時にはマイクロソフトのロゴが入るだろう
こちらは18階までの企業が入居するフロアへの入口。18階までは異なる企業が同じエレベータを利用する仕組み。マイクロソフトにはここからは行けない2階の入口から入るとすぐに受付カウンターがある。マイクロソフトだけの専用受付になる現在あるカウンターは撤去され、新たな受付カウンターを設置する予定
【動画】2階の受付カウンターおよびエレベータホールの様子
このあたりにはソファなどが置かれる予定だという1階から2階にあがってきたところエスカレータの右側部分にカンパニーストアが設置される予定
2階にあがり右側をみるとエレベータホールになる1階入口。車寄せがあり、自動車で訪問した人はここで降りることになる1階の車寄せの様子
1階に受付カウンターはなく、1階から入った際には、2階にエスカレータであがり、受付で手続きする形になる1階フロアの様子。このスペースをなにに使うかは検討中。テーブルと椅子が置かれてちょっとした商談や打ち合わせに利用できるスペースとして活用する案が有力
1階スペースを2階からみたところ1階、2階の天井はLED照明となっている
1階のエレベータホール。黒を基調とした重厚なイメージがある地下1階のスペース。重厚な雰囲気が漂う
2階の社員や来訪者が利用するエレベータ。セキュリティゲートがあり、来訪者はその日だけ使えるゲートパスを利用することになる
エレベータは19~26階までの低層階用と、26~31階の高層階用とに分かれる
26~31階の高層階用エレベータの内部エレベータであがると、オフィスへの入口は各フロアともに「South」と「North」に分かれている
最上階となる31階のオフィスレイアウト。基本的には19~31階まですべて同じフロア構成。白い部分が共用部となるエリア31階フロアの様子。31階と30階はカスタマーフロアとして、打ち合わせスペースやセミナールームなど、来訪者が使用するエリアとなる。2フロアあわせて60室以上の打ち合わせスペース、複数のセミナールームが置かれる予定
【動画】31階フロアの様子
31階と19階だけが3mの天井高。残りのフロアは2.7mの天井高となっている南側の一角を改造して内階段を新設する予定。この場所が工事予定の箇所。31階で打ち合わせ後、30階に設置する来訪者が利用できるカフェに誘導するという使い方を想定している31階から窓の外を見る。北方向はソニー本社が正面に見える
東側はお台場方面。正面のマンションに隠れたあたりがフジテレビ本社になるという。左側にレインボーブリッジが少しだけ見える南側東寄りからはインターシティが見える。このビルにもソニーが入居している南側の窓からは2軒隣のキヤノンマーケティングジャパンの本社が見える
部屋の中からみると、Canonのロゴが正面にくっきり天気がいいと横浜のランドマークタワーや、8月25日から開催されるTech Edの会場になるパシフィコ横浜も見える東海道新幹線や京浜急行が眼下を走る
東方向の景色。冬場は中央のビルの横に富士山が見える日もあるという北方向の景色。すぐ下には品川駅新宿の街並みも遠くに見えるが、現本社の小田急サザンタワーは残念ながら見えないようだ
31階の廊下の様子従来から独立した形で作られた会議室。各フロアに4部屋ずつあるドアが2つのあるため、さらに分割して小さな部屋として理由することも可能
フロアのほぼ中央にあるトイレ男子トイレの様子。手洗いスペースは今の本社ビルよりも広い
ゴミ処理スペース。分別が徹底できるようにしている
給湯室スペース。各フロアに用意されているこちらは雑用室。主にフロア清掃などの場合に使用するようだ
26階のエレベータホール。26階は低層階エレベータと高層階エレベータの両方が止まる26階のフロア構成
26階フロアの様子。天井高は2.7mとなっている
【動画】26階フロアの様子
26階からソニー本社方向を見てみる。31階とは見え方がかなり違う26階の廊下の様子大きなガラス窓が使用されていることで光を取り入れやすい構造
窓はエアブローウィンドウ方式を採用しており、外からの輻射熱を防ぐなどの機能があるブラインドはガラスとガラスの間を上下する仕組み
ブラインド操作などを行なうスイッチ天井の照明は調光式となっており、窓際の明るい方の照明は暗く、内側は明るいといった調光を自動的に行なう