ゲーミングPC Lab.

デル「Alienware M11x」
〜モバイルサイズにゲーミング仕様を詰め込んだリトルエイリアン



Alienware M11x

発売中
価格:99,800円より


 デルのAlienwareシリーズはゲーマー向けという位置づけで、これまでデスクトップおよび大型ノートブックがラインアップされてきた。今回登場した「Alienware M11x」は、11.6型という国内ではモバイルノートに分類される小さなサイズの中に、ゲーミングノートを名乗るスペックを搭載した“リトルエイリアン”だ。

●モバイルサイズのAlienwareノート末弟

 まずはAlienware M11xのサイズから紹介していこう。M11xは、285.7×233.3×32.7mm(幅×奥行き×高さ)。これまでのM15xと比較すると、幅で約10cm、奥行きは7cmほどコンパクトになっている。他の11.6型ワイドノートと比べると、幅は同等だが奥行きは若干長めだ。前部から後部にかけて平らなため、カタログスペックの数値を見ると厚く感じられるものの、最厚部は他の11.6型ワイドノートのと同じ程度で、極端に厚いわけではない。重量は1.99kgほど。他の11.6型ワイドノートがCULV中心であり、それらが1kg台前半であるのと比べるとやや重い。ただし、これもM15xと比較してみれば半分以下ではある。

 デザインは、小さいながらも従来のシリーズを踏襲してており、M15xやM17xをぎゅっとコンパクトにした印象だ。特徴は、液晶天板のエイリアンのフェイスマークや、スラッシュカットされた前面デザイン、吸気口風の意匠など。また、キーボードや液晶ベゼルにあるロゴ、前面の吸気口風のデザイン部にはLEDが仕込んであるのも上位モデル同様で、ユーティリティ「Alienwareコマンドセンター」から発光色の設定が可能だ。ただし、他のモデルでは発光させられた天板のフェイスマークとタッチパネルの縁は、M11xでは省略されている。

斬新なデザインや発光ギミックはAlianwareノートそのもの 液晶天板のリトルグレイマークも健在だ。カラーリングはルナ・シャドウ。このほかコズミック・ブラックも選べる
M15xやM17xよりは少し設定箇所が減るものの、Alienwareコマンドセンターから発光色指定ができる メッシュのように見えるが実際はプリント。しかし雰囲気はバッチリAlienwareだ

液晶ディスプレイは1366×768ドット表示が可能な11.6型ワイドパネルを採用。表面は光沢コート

 11.6型ワイド液晶ディスプレイは解像度が1,366×768ドット。BTOオプションに他の解像度は用意されておらず、このパネルの一択である。1,366×768ドットというと、ネットブックから15型クラスのノートまで幅広く使われている一般的な解像度。文字の表示サイズなどは小さすぎるとは感じられない。ゲーム向けということもあり表面は光沢コート仕上げだ。

●コンパクトサイズにGeForce GT 335M GPUを搭載

 Alienware M11xのゲーミングノートたる所以はGPUの搭載にある。M11xが搭載しているのはNVIDIAのGeForce GT 335M(GDDR3 1GB)だ。NVIDIAのノートブック向けGPUのラインアップでは、パフォーマンスセグメント向けの上位にあたり、72基のCUDAコアを搭載している。同時にIntel GS45 Expressチップセットを採用しており、こちらの統合グラフィック機能と切り替えることもできる。ゲームをする時はGeForce、非ゲーム時にはチップセットに統合されたGMA 4500HDを利用することで、パフォーマンスとバッテリ駆動時間のバランスをとっている。

GeForce GT 335MのGPU-Zスクリーンショット。スクリーンショットではDDR3メモリと表記されているが実際にはGDDR3、PhysXにチェックが入っていないが、NVIDIA Control Panelで設定すれば有効化できる GeForce GT 335M有効時にはエクスペリエンスインデックスのグラフィックスコアは6.5 Intel GS45 Expressに統合されたGMA 4500HDに切り替えるとグラフィックのスコアは3.2となる

 CPUはMobile Core 2 Duo SU7300(1.30GHz)の一択。TDPが10Wという超低電圧版プロセッサだ。この程度の厚みを持つノートブックであれば、通常版のCore 2 Duoを積むことも不可能ではないが、M11xではGPUというもう1つの熱源を搭載したことがこの選択の要因だろうか。とはいえゲームパフォーマンスには、CPUよりもGPUの性能の方が影響が大きいことも事実であり、それほど気にする必要はないだろう。メモリはDDR3-1066メモリを採用している。既に市場ではDDR2からDDR3への移行が進んでおり、妥当な選択と言えるだろう。OSは64bit版Windows 7が選択可能であり、最大で8GBまで搭載可能だ。

GPUはパフォーマンスセグメントの製品だが、CPUはクロックの低い超定電圧版のCore 2 Duo SU7300(1.30GHz)。このCPUを採用した効果か、本体価格は標準構成で99,980円とゲーミングノートながらCULVノートにプラス少々で収まっている 消費電力はそこまで高くなく、ACアダプタも持ち運び簡単なモバイルノートサイズ

 ストレージは250GB〜500GBの7,200rpm HDD、または256GBのSSDが用意されている。評価機に搭載されていたのはSeagateの「Momentus 7200.4」(ST9500420AS:500GB)だ。メモリやHDD等のデバイスには、底面からアクセスできる。

デバイスマネージャから見たM11xのハードウェア構成。IEEE 1394やBluetoothなどを搭載。ディスプレイアダプタもチップセットとGeForceの両方が認識されている CPUは低クロックとはいえデュアルコア。IEEE 802.11n対応のハーフミニカードが搭載済みと表示されている

 Alienware M11xの底面にはバッテリが見あたらない。バッテリが搭載されているのは底面カバーの内部となる。バッテリも含むことからカバーの面積は大きく、ほぼ全面を覆うサイズになる。内部には大型バッテリのほかメモリ、HDD、mini PCI Expressスロットが配置されている。HDDベイはスライド式、SO-DIMMスロットは2基、mini PCI Expressスロットはハーフと通常サイズが各1基である。

バッテリの無いフラットな底面は、右上に吸気スリット、手前にステレオスピーカー用のパンチングホールがある。ベイカバーを開けるにはネジ8個を外す必要がある バッテリはカバー内部に搭載されており、かなりの大きさがある。そのほか2.5型SATA HDDが1基、メモリが2スロット、ハーフミニと通常サイズのmini PCI Expressカードスロットが搭載されている

●ゲーム操作用のキーは17mmピッチを確保

 Alienware M11xは、光学ドライブを搭載していない。ゲームのなかにはインストールメディアを正規品チェックに用いている場合もあるが、そうしたタイトルをプレイするためには、外付け光学ドライブが必須だ。インターフェイスを見てみると、左側面にはミニD-Sub15ピン、USB 2.0、Ethernet、HDMI、DisplayPort、メディアカードリーダー、IEEE 1394などの端子が並ぶ。右側面はUSB 2.0が2基と音声入出力のみだ。ACアダプタのジャックは後部にある。USB 2.0端子は計3ポートと一般的な数で、ゲーム用として考えると光学ドライブやマウス、キーボードあるいはパッドで埋まりそうだ。場合によってはハブを利用する必要もあるだろう。ただし小さいながらもディスプレイ出力端子は豊富。より大きな画面でゲームを楽しみたいという際には、別途液晶ディスプレイやTVに接続できる。

右側面のインターフェイスはUSB 2.0×2基とオーディオ入出力 インターフェイスは大半が左側面に集まる。ディスプレイ出力3系統に加え、USB 2.0、Ethernet、IEEE 1394、カードリーダーなどが搭載されている 背面は排気スリットとACジャックのみ。バッテリがベイ内部に搭載されているためスッキリとした外観だ。

 キーボードは、メインとなる文字キーに関しては約17mmほどのピッチがあり、入力は快適だ。ゲームで主に利用する左側の文字キーも同様。ただし矢印キー等、端にあるキーに関しては14mmほどのピッチであり、これらは若干狭さを感じる。一方で、タッチパッドはこのサイズのノートとしては十分な面積がある。このほか、液晶ベゼルにはWebカメラも搭載されており、ビデオチャット等だけでなく顔認証による各種セキュリティ機能も利用できる。

デルのノートブックとしては標準的なキーレイアウト。ストロークも十分に確保されている キーボードはほとんどのキーが17mmピッチ。ゲーム操作に関するキーはほぼこのピッチが確保されている
右端の矢印キー、PageUp/DownやHome/End等、左Fn、Windows、Altなどの一部のキーのみ14mmピッチ タッチパッドはこのボディサイズとしては十分なサイズを確保。Alienwareコマンドセンターから、外部キーボード接続時の動作(タッチパッド無効など)も設定可能だ

●ライトなタイトルなら十分。ヘビーなタイトルは画質設定で対処

 今回の評価機は、HDDが500GB、メモリが4GBであるほかはベーシックな構成。これを用い、PCMark 05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantage、World in Conflict、THE LAST REMNANT、ストリートファイター4を計測してみた。なお、GPUはGeForce GT 335Mを有効にしている。

PCMark 05 PCMark 3847
CPU 3114
Memory 3115
Graphics 6007
HDD 5838
PCMarkVantage PCMarks 2933
Memories 2459
TV and Movies 2020
Gaming 2503
Music 3311
Communications 2652
Productivity 2285
HDD 3971
3DMark06 1024x768 5630
1280x720 5541
1366x768 5491
3DMarkVantage Graphics Score 1024x768 4030
1280x720 2582
1366x768 2352
World in Conflict(Low) 1024x768 41
1280x720 40
1366x768 38
World in Conflict(VeryLow) 1024x768 61
1280x720 63
1366x768 62
THE LAST REMNANT 1024x768 47.17
1280x720 44.42
1366x768 43.44
ストリートファイター4(高) 1024x768 66.25
1280x720 65.88
1366x768 65.29

 Alienware M11xのゲームパフォーマンスは、ライトなタイトル向けと言えそうだ。比較的ライトなストリートファイター4(設定:高)では60fpsを超えてくる。GMA 4500HDのみで計測すれば、10fpsにも満たないため、GeForce GT 335Mを搭載するM11xは確かにゲームもこなせる。しかしヘビーなタイトルであるTHE LAST REMNANTやWorld in Conflict(Low)では60fpsに達することが出来ない。

 こうしたタイトルの場合、解像度を下げる、画質設定を下げるという2つの対処法があるものの、1つ目の解像度を下げる手法はM11xのパネルがそもそも1,366×768ドットでありこれ以上下げるのは無理がある。今回3つの解像度を試しているが、画素数では3つともあまり変わらず、スコアにも大きな差はついていない。もう1つの画質設定を下げる手法では、World in ConflictでVery Lowに設定することで60fpsを超えることができた。ヘビーな最新タイトルを楽しみたいという時、これらの結果が参考になれば幸いだ。

 最後にバッテリ駆動時間に触れておきたい。BBenchでの計測になるが、グラフィック機能をGMA 4500HD側、キーストローク、ウェブ巡回をオンとした設定で、バッテリ駆動時間は約7時間ほどだった。一般的なモバイルノートでいうところの大容量バッテリ搭載時に相当すると見て良いだろう。

 Alienware M11xは、コンパクトで室内どこでも、場合によっては友人宅でも楽しめるゲームノートだ。それだけでなくGPU内蔵のメディア機能も利用でき、普段のモバイルでも長時間駆動できるなどゲーム用途以外でもパフォーマンスは十分だ。CPUがやや低クロックなところはあるが、モバイルノートとして見ればバランスの良い基本スペックであり、幅広い用途に使えそうだ。

Alienwareだけにどのような梱包サイズで届くのか期待していたが、CULVノートよりはひとまわり大きいものの一般的なモバイルノートサイズ 箱を開ければやっぱりAlienware。普通の長方形で良いと思うようなところもひと味違った内箱デザイン

バックナンバー

(2010年 2月 25日)

[Text by 石川 ひさよし]