【CES 2010】【Dell編】小型ゲーミングノート「Alienware M11x」
~15型クラスの性能を持った11型機

Alienware M11x

会期:1月7日~10日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center/The Venetian



 米Dellは米国時間の7日に、記者発表会を開催し、モバイル製品を中心としたコンシューマ向け製品の一新を図った。

 今回のモデルチェンジは、基本的にはIntelの新しいCoreシリーズやAtomを採用することで性能の引き上げを図ったもので、順当な展開と言えるが、いくつかは完全な新製品も含まれた。

 その1つがシリーズ最小となる11型液晶を採用したゲーミングノート「Alienware M11x(以下M11x)」だ。ゲーミングPCには、一定以上の性能を持ったCPUとGPUを搭載する必要がある。高性能なチップは、それだけ発熱量も大きくなるため、それに見合うだけの冷却機構が必要となってくる。そのため、一般にゲーミングノートは15型クラス以上の大きさになる。

 M11xは厚さこそ同画面サイズの他機種より若干厚く見える(詳細な本体サイズは不明)が、ネットブックに近い容積しかない。では、どのように熱問題を回避しているのかというと、低消費電力のCPUを使って、浮いた分の熱設計範囲をGPUの方に回しているのだ。これにより従来の15型クラスの性能を11型で実現しているという。基本的に多くの3DゲームではCPUよりもGPUの性能を必要とするため、これは論理的な判断と言える。

 ハードウェアの仕様の具体的な内容はまだほとんど公開されていないのだが、GPUはNVIDIAの未発表製品であるGeForce 335Mを搭載している。チップセットにはビデオ機能内蔵のものを採用し、いずれかをキー1つで再起動なしに切り替えられる。

 3Dの性能については簡単な指標が示され、3DMark(いずれのバージョンかは不明)のスコアが6,000~7,000、Crysisが50FPS、Call of Duty(同)が30FPS程度だという。ちなみに、発表会場では、Alienwareの展示コーナーの下の台に各種ノートブック、上の台にデスクトップと液晶が並べられ、液晶には「Star Trek Online」のデモが流されていた。このデモはかなりスムーズに動いており、てっきり横のデスクトップで動かされているのかと思っていたら、実はM11xに繋がれていたという、ちょっとした演出もあった。

 デザインについては、従来のシリーズを踏襲。正面から見た際に、底面が手前に突き出し、両脇は赤く光り、戦闘機を彷彿とさせる。正面だけでなく、キーボード内部にも赤いLEDが内蔵され、文字の刻印とキーの縁取りが光るようになっている。

 インターフェイスは、ミニD-Sub15ピン、USB×3、Ethernet、HDMI、DisplayPort、MMC/SDカード/メモリースティックPROスロット、IEEE 1394、音声入出力などを装備。いくつかの同社製品と同じく、音声出力は2系統あるので2人で同時にヘッドフォンなどを利用できる。

 バッテリ駆動時間は、チップセット内蔵ビデオ利用時が約6.5時間、GeForce利用時が約2時間。米国では今春出荷予定で、価格は1,000ドルを切る見込み。

左側面にミニD-Sub15ピン、USB、Ethernet、HDMI、DisplayPort、カードリーダ、IEEE 1394右側面には、USB×2、音声入出力。出力は2系統あるふたを閉じたところ。ブランドテーマのエイリアンのロゴがある
発表会ではこのようにデモが行なわれていたが、液晶に繋がっているのは横のデスクトップではなく、下のM11xだったというオチキーボードや、ブランドロゴ、正面両脇などが赤く光る

 また、AT&Tと提携し、Android携帯電話「Mini 3」を発売することも発表された。こちらの詳細については説明を割愛するが、同社ではこれ以外にも多機能な携帯端末を計画しており、その一例として5型の液晶を搭載したAndroidタブレットのコンセプトモデルを参考公開した。

AT&Tと提携して米国や中国で発売するAndroidスマートフォン「Mini 3」参考として披露された5型のタブレット型端末Dellではこういった小型のモバイル端末により注力していくという
Core i5を搭載したInspironの新モデル2009年末に発表されたAtom N450搭載の「Inspiron Mini 10」同社用ノートのオプションである液晶上部につけるスピーカーバー

(2010年 1月 8日)

[Reported by 若杉 紀彦]