実録! 重役飯
一番高い買い物は19歳の時に買った19万の古着ジーンズ。20代で社長に~サードウェーブ尾崎健介社長編
2016年8月1日 06:00
いつもご愛顧をありがとうございます。PC Watchは2016年をもって20周年を迎えました。20周年を記念し、PC・IT業界を代表する企業のトップの方にインタビューを行ないました。特別企画ということで、通常であれば企業の戦略や製品について伺うところ、今回はインタビューに対応いただく方の行きつけやお勧めの料理店にて会食を行ないながら、その方の趣味や考え方など人となりに焦点を当てた質問を行ないました。この企画を通じて、企業の経営を担う人の個性や考え方などを知っていただければ幸いです。基本的に全ての方に同じ質問をしていますので、みなさんの違いも面白いのではと思います。聞き手はPC Watch編集長の若杉です。
第5回目のインタビューのお相手は、PCショップ「ドスパラ」の親会社である株式会社サードウェーブ代表取締役社長の尾崎健介氏です。会食の場として選んでいただいたのは、湯島にある「日本料理 丸しま」です。
--:本日はよろしくお願いいたします。まず、こちらのお店を選ばれた理由を教えてください。
尾崎:会社から近いので、毎日と言うほどではないですが、例えば少しいいことがあった時なんかに、社員を連れて打ち上げをしたり、話を聞いたりするのに利用させてもらっています。取引先の方をお連れすることもあります。
20年前、学生時代の趣味はサーフィンと麻雀。専攻は経営工学
--:20年前は何をしていましたか?
尾崎:大学1年生の頃で、学校が終われば友達と遊んだり、麻雀したりと典型的な学生生活を送っていました。
--:学校は都内ですか。
尾崎:東京理科大学なので飯田橋です。
--:ご出身も東京なんですか。
尾崎:育ちは田園都市線のたまプラーザです。
--:では、お上りさんというわけではないけど、学生時代は都内近郊でそこそこ遊ばれていたと。
尾崎:今振り返ると遊んでいましたね(笑)。
--:ご専攻は。
尾崎:工学部経営工学科でした。
--:経営工学ではどのようなことを学ぶんでしょうか。やはり経営に関してですか。
尾崎:経営工学では、工業会社の経営の仕方について学びます。例えば、物流に関して、3つの拠点から2つの別の拠点にものを運ぶにはどういうルートが時間やコストがかからないかとか、あるいは品質工学について学んだりもします。
--:それは当時から、将来的に会社経営に興味があったんでしょうか。
尾崎:そうですね。子どもの頃から、そういうことを考えるのは好きでした。例えば、このお店はどうやったらお客さんがもっと入るだろうかとか、どうやったら効率が上がるだろうかとか、そういうことをよく考えていました。
--:その頃の趣味を教えてください。
尾崎:サーフィンと麻雀です。
--:それは大学に入る前からやられていたんでしょうか。
尾崎:両方とも大学に入ってからですね。
--:サーフィンはどのあたりでやられるんでしょうか。
尾崎:千葉の九十九里あたりに行ってました。
--:やはり夏場は頻繁に行かれたんですか。
尾崎:サーフィンは夏以外でもできるんですよ。とは言え、冬場の寒い時は海に入らず海岸でお酒を飲んで過ごしてたこともあります(笑)。
--:海に行くこと自体が好きという感じでしょうか。
尾崎:そうですね。サーフィンを趣味とまで言うとちょっとおこがましいのかなという気持ちもあります(笑)。
--:あと、麻雀ですね。僕もそうでしたが、大学生はやりますよね。
尾崎:必修科目ですね(笑)。
--:お強いんですか。
尾崎:強いのかどうかは分かりませんが、勝った回数の方が多いと思います。相当やりましたね。
--:相手はお友達だけですか。それともフリーで雀荘に行ったりも?
尾崎:友達とやることが多かったですが、両方ですね。
--:フリーで行くのって、相手が見ず知らずの人なんで、怖くて僕は友達としかやらなかったんですが、フリーでまでやるのは、勝負事が好きなんでしょうか。
尾崎:そういう点はあります。最初のフリーの時、どんなだったかは忘れてしまいましたが、当然緊張はしますよ。
--:思い出の上がり手とかありますか。例えば九連宝燈とか。
尾崎:九連宝燈は、フリーでやってる時に1度テンパイまでしたんですが、上がれずじまいでした(笑)。
--:これまでの職歴を教えてください。
尾崎:初めは外資系ソフトウェア会社で、教育事業に携わっていました。そこでは非常に機能豊富なERPパッケージと呼ばれる基幹業務の使用方法を教えるインストラクターをやっており、その後、セールスエンジニア、営業を経た後、今のサードウェーブに入社しました。
--:サードウェーブの入社は何年前くらいなんでしょうか。
尾崎:2006年ですので、10年前です。
--:サードウェーブに入社したきっかけは何なのでしょうか。
尾崎:私の父が創業者で、2005年に他界しました。非上場企業でしたので、親族から後継者を選ぼうということになり、私に白羽の矢が立った形です。
--:お父様を継ぐ意志というのはもともとあったんでしょうか。
尾崎:全くなかったです。父も私に継がせる意志はなかったようですし。
--:では、決断は悩まれたのでしょうか。
尾崎:自分の意志だけで決められるものでもなかったので、やるかやらないかではなく、どうやってやっていこうかという点では悩みました。
--:当初は不安などありましたか。
尾崎:正直、不安は全くなかったです。
--:むしろ、挑戦心を掻き立てられましたか。
尾崎:はい、そういう感じはありました。
--:では、サードウェーブ入社時から社長職に就かれたんでしょうか。
尾崎:最初は経理部の社員として入りましたが、3カ月くらいで取締役になり、監査室、専務を経て、1年で社長になりました。
--:サードウェーブでは早くに社長になられたとのことですが、これまでの人生で絶体絶命だと思ったことはありますか。
尾崎:期待されている答えとは違うかもしれませんが(笑)、今年の夏にラスベガスのNAB SHOW(放送機器展)に行った際、財布入りの携帯電話をなくしてしまったことです。
--:その時はどのようにして乗り越えたのでしょうか。
尾崎:ラスベガスからはロサンゼルス経由で羽田に戻る予定だったのですが、飛行機が飛ばず、ロサンゼルスで1泊しなければならなくなったんです。で、ホテルに到着したはいいけど、お金がないわけです。
--:飛行機の遅延が原因なら、航空会社が宿泊費を出してくれるのでは。
尾崎:ええ、宿泊費は航空会社が出してくれたのですが、チェックインの時にデポジットがいりますよね。それがなかったんです。ぎりぎり手元に2千円ほどあったので、宿泊のデポジットもカウンターで値切ってもらいました(笑)。さらに、有料のインターネットもタダで貸してもらい、Facebook経由で会社のスタッフに連絡を入れました。
--:その時はお一人で出張されていたんでしょうか。
尾崎:現地ではパートナー企業の方と同行していましたが、行きも帰りも別々だったんです。
--:日本に戻ってからの電車賃とかはどうされたんですか。
尾崎:戻ってきたデポジットのお金でなんとか家まで辿り着きました。
--:海外出張は結構多いんですか。
尾崎:最近は減りましたが、昔は結構行っていました。
--:多い時は年何回くらいですか。
尾崎:15~20回くらいでしょうか。
--:地域的には台湾・中国が多いんでしょうか。
尾崎:そうですね。
--:普段の出張は部下の方と行かれるんですよね。
尾崎:いえ、一人の方が多いです。
--:では、取引先に行って、交渉し、その場で決断してくる感じですか。
尾崎:いえ、事業会社にはそれぞれ権限を委譲していますし、一人で何でもやると言うことはあまりありません。取引先としては、まず私に製品を見てもらい、その後、当社で採用に向けた話をしてくれることを私に期待しているといったところでしょうか。
--:最初の下見を行なうと言うことですね。
尾崎:はい。あとは、NABのような展示会に行き、その業界の現状を肌で感じて、グループ内の戦略にどう活かすかを議論したりします。
--:今、注目されている製品ジャンルや市場などはありますか。
尾崎:VR/ARは面白いですね。
--:つい先日も、HTCさんとの協業が発表されていましたね。VRには我々やユーザーも注目していますが、まだヘッドマウントディスプレイもそれと組み合わせるPCも高価なので、すぐ爆発的に普及することはないのかなと考えますが、尾崎さんとしてはどうお考えですか。
尾崎:これから徐々にでも普及していき、一過性のはやりではなく、定着していくと思います。ソニーさんの場合、コンシューマをターゲットにしていますが、おっしゃる通り価格も高いので、PC用のものは、まずは法人が採用し、各産業で利用されていくのでしょうね。今は、その立ち上がり時期です。
--:では、今回の提携は先行投資的な意味合いもあるのでしょうか。
尾崎:事業としての先行投資というより、純粋に面白いな、可能性があるなと思ったと言うのが実情です。
若杉さんも海外は行かれますか?
--:はい、NABには行ったことないですが、ラスベガスだと過去10年近くCESの取材で行っています。で、発表会や基調講演などを取材するんですが、最近はストリーミングで配信されることも多く、極端なことを言うと、日本にいてもそれを観て記事を書くことはできます。ただ、現地の会場にいると、尾崎さんのおっしゃる通り、そこにいるユーザーや開発者、パートナーなどの人たちが、どのような受け止め方をしているのかを直接実感できるんですね。だから僕らとしても現地取材は大事だと思っています。
食べ物に好みはありますか。
尾崎:何でも食べますが、和食が好きですね。子どもの頃はあまりおいしいと思わなかったんですが、この年になってほうれん草のおひたしとかがおいしいと感じるようになりました。
--:どれだけ医学的な根拠があるのかは分からないし、それが全てだとは思いませんが、年を取って味覚が変わるのは、年齢と共に必要な栄養素が変わってきて、自分に必要な栄養素が入った食物をおいしいと感じるからだそうです。
尾崎:それは理に適っていますね。若杉さんのご出身はどちらですか。
--:広島です。大学から東京に出てきました。
尾崎:広島は路面電車の乗り継ぎが難しいですよね。
--:僕は実家が広島市の北の外れで、路面電車が走ってる繁華街まではバスで出かけていたので、あまり乗っていないんですよね。むしろ、車を運転している時に、電車を邪魔しないようにするのが難しいです。
尾崎:広島というと、路面電車、原爆ドーム、お好み焼き、宮島というイメージですね。
--:あとは広島のシンボルと言うと、カープと市民球場ですね。市民球場はもうなくなって、今はMAZDA Zoom-Zoomスタジアムになりましたが。
尾崎:昔飯田橋に「れもん屋」という広島風お好み焼きのお店があったですが、店内一面にカープ選手の写真が貼られていたのを覚えています。
--:僕は高校くらいから野球をあまり見なくなったんですが、小学生の頃はそこそこ見ていて、実は広島にいながら、巨人ファンだったんです(笑)。と言うのも、両親が大分出身で、大分の人は巨人ファンなので、両親が広島に引っ越してきてからも、しばらく巨人ファンで、必然的に僕も巨人を応援してたんです。もちろん、友達からは煙たがられました(笑)。で、大人になって、久々に帰省した時、両親がいつの間にか広島ファンになってるのを見て、愕然としました(笑)。
尾崎:カープは小早川選手の時代、結構好きでしたね。江川と小早川の対決とかをよく覚えてます。
--:ほかに好きなスポーツはありますか。
尾崎:昔はボクシングを観てました。ジョージ・フォアマンとかマイク・タイソンが好きでした。
出社したらまず自分の机をぞうきん掛け
--:入社から社長になられるまでの期間は短かったとのことですが、社長になられて、仕事上一番変わった点はどんなところでしょう。
尾崎:完全に会社が自分の人生になりました。
--:社長になられたのはおいくつの時なんですか。
尾崎:28歳でした。前の会社にいた時は、仕事をしている時間と、仕事が終わったあとでは考えることが違っていました。例えば仕事が終わったら、「どこに飲みに行こうかな」とか、プライベートなモードになっていましたが、今ではそういう区切りがなくなった感じです。それから、私生活についてわりと無頓着になりました(笑)。ただ、生活自体が大きく変わったということはないです。
--:僕が自分自身の置き換えて、心の準備もできないまま20代で社長就任となると、いろいろ慌てたり悩んだりすると思うんですが、尾崎さんは、淡々と状況を受け入れられてきたんですね。
尾崎:実際はそうでもないです(笑)。そうありたいですね。ただ、判断に迷うことはあまりないですね。
--:仕事上のモットーや座右の銘を教えてください。
尾崎:座右の銘として言うとちょっと恥ずかしいですが、「一意専心」という言葉が好きです。
--:1つのことに集中するということですね。
尾崎:はい。そして、そういう人も好きなんです。周りから観ると、ちょっと変人にも見えるくらい、ずっと1つのことに打ち込んでいる人の姿勢に憧れます。私自身が一意専心なのではなく、どちらかと言うとそういう人間になりたいなと思っています。
--:尊敬する人物を教えてください。
尾崎:マッキンゼー・アンド・カンパニーの故マービン・バウワー社長です。彼は、自分がどうしたいといった事より、会社が成長する上で自分がやらなければならないことを明確にして、実行するということを最後まで貫いた人です。また、彼はマッキンゼーの創業者ではないんですが、実質同社を創り上げたと言われています。伝説としては、会社のために1人が5%以上の株を持つべきではないとして、自分が持っていた株をタダ同然で周りに配ったりしたそうです。
--:ご自身のセールスポイントを教えてください。
尾崎:意志は強い方だと思います。一度決めたら何年かかけても続けていきます。辛抱強いのかもしれません。
--:出社から退社まで1日の大体の仕事内容を教えてください。
尾崎:8時頃出社し、まず自分のデスク周りを整理し、掃除します。
--:まず掃除というのは珍しいですね。
尾崎:それほど大げさなものではないのですが、2~3分ぞうきん掛けしたりという程度です。
--:それは毎日やられているのですか。
尾崎:はい、そうです。
--:それは何かきっかけがあって始めたんでしょうか。
尾崎:ある時、お願いもしていないのに、ある社員が私のデスクを掃除していたんですね。それを見て、「ああ、そんなに汚れて見えるのか。これは良くない」と思い、以降は自分で掃除するようになりました(笑)。
そのあとは、メールを確認し、9時から朝礼、10時から10時半が打ち合わせ、12時までが書類の確認や承認とメールの確認、13時までがランチミーティング、16時までが社内会議、18時までが来客対応、18時半までが書類の確認・承認とメール確認、19時半までが社内会議で、その後帰宅という感じです。
--:ランチミーティングというのは毎日なされているんですか。
尾崎:毎日ではないです。一人で食べる時は15分くらいで済ませますが、ミーティングの時間が取れなくて、お昼を食べながらミーティングすることもしばしばあるんです。
--:国内出張も多いのですか。
尾崎:国内はそれほど多くないですが、地方店での打ち合わせなどで大阪や仙台への日帰り出張というのはあります。
--:工場はいかがですか。
尾崎:月最低1回は行っています。
--:どのようにスケジュール管理していますか。
尾崎:ほとんど自分では管理せず、秘書に全て任せています。と言うのも、過去に自分でスケジュール管理していた時に、ダブルブッキングやトリプルブッキングをしたことがあり、以降は自分で管理しないようにしました(笑)。
--:それは結構な絶体絶命の危機に思えますが、楽に乗り切れたのでしょうか(笑)。
尾崎:これは乗り切りようがなくて、謝るしかなかったですね。乗り切れませんでした(笑)。
囲碁は3段の腕前。書物や映画は古いものが好きという現在
--:プライベートではどのようにPCを使っていますか。
尾崎:ネットサーフィンのほか、囲碁をしたり、時にはほかのゲームもやります。
--:囲碁は長年やられているんですか。
尾崎:子どもの頃に始めたけど、すぐ辞めたんです。でも、2年ほど前に仕事のイベントでドワンゴの川上さんと対局することになったのがきっかけで再開しました。
--:ほかのゲームはどういうものをされているんですか。
尾崎:MMORPGを少しやったりします。
--:麻雀ゲームはしないんですか。
尾崎:やらないですね。実際の麻雀も今はせいぜい年1回やるかやらないかです。
--:若い頃はゲームはしていましたか。
尾崎:周りと比べるとあまりやっていませんでしたね。
--:別のインタビューでもこの話はしたんですが、僕は学生時代ゲーム三昧で、ゲーセンに開店から閉店までいることもしょっちゅうでした(笑)。
尾崎:それはお金かかりますよね。
--:当時やっていたバーチャファイター2は、最高で87連勝するくらいの腕前だったので、1日500円もあれば十分遊べていました(笑)。
今のご趣味は何ですか。
尾崎:読書や映画鑑賞です。
--:読書はどういったものを読まれていますか。
尾崎:ビジネス書も読みますが、昔のものが好きで、作家では芥川龍之介や福沢諭吉が好きです。
--:映画の方はいかがですか。
尾崎:映画も古いものの方がすきです。
--:最近観たもので良かったものは何でしょう。
尾崎:新しめのものではあまりコレというのがなかったのですが、「バグジー」は良かったです。ラスベガスに始めにできた「フラミンゴ」というホテルを舞台にしたもので、NABで出張に行っていた時にタクシーの運転手がそのことを教えてくれたのがきっかけで観たんです。
--:それも少し古めの映画ですね。主役はウォーレン・ベイティだったと思います。ただ、僕は観ていないのですが(笑)。
尾崎:あと良かったのは「愛と青春の旅だち」です。
--:お一人で海外出張されるということは、英会話も得意なんでしょうか。
尾崎:大学時代、カナダに1年ほど留学していたので、得意と言うほどではないんですが、コミュニケーションはできます。うちの大学は結構留年する人も多くて、当初から5年くらいかけて卒業するつもりでいたので、留年しなければ、留学したいなと思っていたんです。
--:僕は留学したことはないんですが、4回留年して、8年間大学に通いました(笑)。バイトに明け暮れて授業に出なかったせいです。当時、秋葉原のショップでPCパーツを売っていたんですが、社長がアルバイトでも現場に仕事を任せる人で、僕は台湾のマザーボードメーカーに直接お店から発注をかけてたりしました。結果、仕事が面白くて、4年生を5回もやってしまいました(笑)。
何か特技はお持ちですか。
尾崎:囲碁を再開してから段位試験を受けまして、3段を取得しました。
--:では川上さんとの対戦は勝利でしたでしょうか。
尾崎:ところが負けてしまいまして(笑)。その後の再戦では勝ちまして、通算は1勝1敗です。
--:休日はどのように過ごされていますか。
尾崎:家族と出かけますが、会社に行くことも半分くらいあります。
--:休日に仕事をするとご家族から不満は出ませんか。
尾崎:たぶん大丈夫だと思います(笑)。大事なのは、それが当たり前だという雰囲気を作ってしまうことですね(笑)。例えば金曜日に1日中外出していると、木曜の夜からのメールをずっと読めないでいるので、それをそのままにするのが怖くて出社というパターンもあります。また、平日の内に決めきれなかったことを、週末、周りに人が少ない中で集中して自分のペースで考えて決めたりということもあります。案件によっては、今すぐ決断するより、きちんと考慮して決めることが重要なものもあるので、そういった時間にあてたります。
--:個人的なもの(家などを除く)で、今まで一番高い買い物はなんですか。
尾崎:19歳の時に購入した古着のジーンズで、195,000円しました。
--:19歳でなくても20万円の服は高い買い物だと思いますが、なぜその時買われたんでしょうか。
尾崎:当時、古着のジーンズが好きだったんですが、祖母からはそんな痛んだもの穿くんじゃないと怒られていたんですね。でも、言うことを聞かずにいたら、ある時、祖母にその古着を全部捨てられてしまったんです(笑)。その後1週間くらいは祖母と口を聞かなかったんですが、テレフォンカードをくれたり、こちらの機嫌を取りに来だしたのがかわいそうだったので1週間で仲直りしました(笑)。それでアルバイトの貯金で買い直したのがリーバイスのビッグEのものでした。ただ、それも2年くらいで履き潰してしまいました(笑)。
--:今一番欲しいものは何ですか。
尾崎:まとまった時間が欲しいです。
--:時間があったら何をされたいですか。
尾崎:今までとは違う生活を一定期間して、いろんな事を別の視点からゆっくり考えてみたいので、例えばお寺とかに1カ月くらい行って、修行生活をしてみたいですね。現実逃避したいわけではないです(笑)。
--:好きなブランドを教えてください。
尾崎:ブランドのこだわりはないです。もちろん自社のブランドは好きですが、それ以外のものではあまりないですね。強いて言うなら、リーバイスでしょうか。今ではもうジーンズを穿くことも減りましたが。
--:個人的にこのヒト・モノには絶対勝てない……というのはありますか。
尾崎:いるんですが、尊敬する人やすごいと思う人があまりに多すぎて、逆に答えが出ないです。
20年後、PCはさまざまなところに入り込む
--:20年後どのようなことをしていたいですか。
尾崎:今の延長上として、会社をアジアにまで展開して、その中で経営をしていたいです。
--:アジアというのには特別な理由があるんですか。
尾崎:地理的にも近いですし、ASEANの中でも発展が見込めるからです。
--:PCは20年後どうなっていると思いますか。
尾崎:今あるPCの機能自体はそのまま残っていくと思います。一方でロボットになったり、他の機器と融合したりと、大きく形を変えるものもあるでしょうね。少し前にPCとTVが融合するという話があった時、PCがTVを取り込むという視点と、TVがPCを取り込むという視点があったかと思いますが、私はどちらかというとPCが発展して、いろんなものに影響していくだろうと思います。そして20年後には、さまざまなところにPCが入り込んで、広がっていくのではと思います。PC自体もっと変わらないといけないし、変わることで今までより必要不可欠な存在になると思います。
--:これから社会人になる20歳の人に、どのように人生を歩むべきかメッセージをお願いします。
尾崎:好きなことを、とことん真面目に取り組んで行って欲しいです。真面目にと言うのは、真面目にやれることでないと、結果的にうまく行かないと思いますし、また熱中することで、新しい道が拓けてくると思います。
読者プレゼント
この企画では、登場いただく方に記念品を読者プレゼントとしてご提供いただいています。尾崎さんには、ドスパラが運営する上海問屋のドライブレコーダをご提供いただきました。ご自身も利用されているそうです。ふるってご応募ください。
応募方法
応募方法:下記リンクの応募フォームに必要事項を入力して送信してください
応募締切:2016年8月5日(金) 0:00まで
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