OS X El Capitanカウントダウン
第5回
フルスクリーン表示での操作が快適になった「Mail」
(2015/8/13 06:00)
今秋にリリースされる「OS X El Capitan」の特徴や新しい機能などを毎週1つずつ紹介するEl Capitanカウントダウン、今回で第5回目を迎える。
まず前回の訂正とお詫びから。パブリックベータ4で新たに追加されたYosemite国立公園の壁紙の構図を「El Capitanを中心に」と紹介したが、これは筆者の勘違いだった。中心になっているのはハーフドーム(Half Dome)で、より正確にはグレイシャーポイント(Glacier Point)から撮影したハーフドームの構図と紹介するのが正しい。読者の方を始め、PC Watchで執筆中の山田祥平氏などからご指摘をいただいた。ここに訂正するとともにお詫びさせていただく。
さて今回のテーマは「Mail」だ。OS XにはMac OS Xのパブリックベータ版以来、標準で添付されている。これまでも継続して機能が追加されてきた。近年はGmailなどのWebメールが広く普及したことや、pop3からIMAPへとメール送受信機能の主流が移ったこと、あるいはサードパーティ製でも個性的かつ多機能なメールクライアントが登場していることなどから必ずしも標準アプリにこだわる必要性は減っている。
Mailについても、Lion以降で導入されているフルスクリーン表示に触れないわけにはいかないだろう。1つの作業に集中できるという意味でフルスクリーン表示には意味はあったが、同時に仮想デスクトップ内ではシングルタスク化してしまったことで、使い勝手については賛否両論があった。筆者はどちらかと言えば否の方である。
例えばYosemiteまではメールを作成する際に、下書きのウィンドウを開くとそのウィンドウへの入力以外のことがほぼ出来なくなっていた。基本的にメールのやり取りは、返信ということもあって対象のメールを参照したりすることも少なくない。全文を引用しているならともかく、引用をしない場合、元のメールを読みたければいったん下書きを保存して目的のメールを再度参照する必要があった。テキストや画像のコピー&ペーストでも同様で、いったんクリップボードを経由した作業となっていた(※他の仮想デスクトップから、デスクトップをまたいだドラッグ&ドロップはできる)。
この点はEl Capitanのメールで改善されている。作成するメールもタブ表示に対応して複数のメールを並行して作成できるほか、作成中のウィンドウを最下段にタイトル表示して、受信したメールの参照や、こうしたメールからのコピー&ペーストがドラッグ&ドロップ操作で実現するようになった。これまで、こうした作業を行なう際にはフルスクリーン表示を解除して、タイリングのマルチウィンドウで操作するしかなかったので、これは歓迎すべき機能向上と言えるだろう。
おおまかなレイアウトは変わっていない。基本は2ペインでメールのリストと、ハイライトされたメールの内容が表示される。複数のアカウントやメールボックスを頻繁に切り替える際、Yosemiteまでは3ペイン表示にすることで対応していたが、El Capitanからは、これらのメールボックス表示が、ポインタを左端に持っていくことでその時だけオーバーレイ表示が可能なように変わっている。
またこちらもiOSデバイスからのフィードバックと思われるが、リスト表示のメールはスワイプ操作が行なえるようになっている。右へスワイプすると「削除」、左へスワイプすると「未開封、開封済み」をトグル式に切り替えが可能だ。
ほかに、メール本文内にイベントへの招待や、新しい連絡先などを見つけた場合に「カレンダー」、「連絡先」アプリへの追加項目がアイコン表示されるようになり独立した。これまでも住所や日時などはカレンダーへの登録が本文内でサジェスチョンされてクリックで追加編集を行なえたが、El Capitanのメールでははっきりとアプリケーションへの登録を示すようになっている。