OS X El Capitanカウントダウン
第4回
フルスクリーンアプリを分割表示する「Split View」
(2015/8/7 06:00)
今秋にリリースされる「OS X El Capitan」の特徴や新しい機能などを毎週1つずつ紹介するEl Capitanカウントダウン、今回は第4回となる。パブリックベータの進捗状況だが、日本時間の8月5日付けでパブリックベータ4が新たにリリースされた。これまで通りMac App Storeから更新を行なうことができる。
パブリックベータ4の話題の1つとして、標準でインストールされている壁紙に「El Capitan 2」という名称のファイルが加わった。これまでとは一転、夜のYosemite国立公園をEl Capitanを中心に撮影した構図となっているので、ベータテストの壁紙に利用するのもいいだろう。
前回の「Mission Control」の続きとなるが、Lion以降に積極的な導入が行なわれてきたフルスクリーン対応アプリケーションを活用するには、仮想デスクトップ管理機能であるMission Controlを上手に使うことで、集中して作業するアプリケーションと、スワイプによる切り替えで参照したりするデスクトップやほかのアプリケーションを効率的に行き来することが必要だ。
フルスクリーンのメリットもある一方で、何かを参照しながらの作業、あるいはドラッグ&ドロップ操作を多用するファイル制作では仮想デスクトップ間の行き来が面倒という事態も発生する。そこでEl Capitanでは、フルスクリーンを2つのアプリケーションで分割して利用する「Split View」機能が追加される。
Split View表示ができるアプリケーションの条件は、フルスクリーン表示に対応したアプリケーションであること。デスクトップ上のウィンドウ最大化とは異なるので気を付けたい。フルスクリーン表示対応であれば、Apple製アプリケーション、サードパーティ製のアプリケーションを問わず、基本的には利用できるようになっている。
Split View表示にするには、Mission Controlの画面でフルスクリーン表示のアプリケーション同士をドラッグ&ドロップ操作で重ねる。あるいは、フルスクリーン表示のアプリケーションに対して、デスクトップからウィンドウ表示のフルスクリーン対応アプリケーションをドロップしても構成することができる。
こうしてSplit Viewになった2つのアプリケーションは、ドラッグ&ドロップで左右の入れ替えが可能なほか、中央部分のバーをドラッグすることで使用する画面の比率を変更することができる。デフォルトでは半々に分割されているが、最大3分の2表示までの拡大が可能なようだ。純正アプリケーションの場合、Split Viewで拡大する側、縮小する側にもそれぞれ閾値を持っているようで、例えば9:1のような極端な比率で分割することはできなくなっている。
よく似た機能はWindowsでも既に導入されており、Windowsでは「スナップ機能」と呼ばれている。El CapitanのSplit View同様に2分割ができるほか、Windows 8.1あるいは10において十分な解像度があれば、最大4分割が可能。対象はWindowsストアアプリと呼ばれるフルスクリーン表示アプリで、Windowsストアアプリ同士、あるいはデスクトップとの組み合わせで分割表示ができる。プラットホームが違っても、よく似た使いこなしが可能だ。
またSplit View機能は、やはり今秋に正規版がリリースされる「iOS 9」にも導入されることが発表されている。主にメモリ容量などのハードウェアスペックに依存するようで、現行製品では「iPad Air 2」のみがSplit View対応製品として挙げられているが、例年秋に発表されるiOSデバイスの新製品群での対応も予想される。
Split Viewの解消は、Mission Controlの画面からデスクトップへとドラッグ&ドロップ操作することで、それぞれのアプリケーションがデスクトップ上のウィンドウ表示へと戻る仕組みである。