PRADAが技術協力した次世代宇宙服。「アルテミス計画」の有人月探査で使用

　Axiom Spaceは16日(現地時間)、イタリアの高級ファッションブランド「PRADA」と共同開発した宇宙服「Axiom船外活動ユニット(AxEMU)」を初公開した。

　イタリア・ミラノで開催中の世界最大の国際宇宙会議「International Astronautical Congress 2024」での公開となった宇宙服は、NASAが有人月探査を行なう「アルテミスIII」で使用する予定だ。Axiom SpaceはNASAから2022年に2億2800万米ドルのタスクオーダーを受注し、開発を進めてきた。プラダは高性能素材の選定や機能、縫製技術の専門知識をAxiom Spaceに提供している。

　月面で着用される宇宙服であるAxEMUは、熱を反射し、極端な高温や月面の塵から宇宙飛行士を保護する白い素材で作られている。幅広い体格の宇宙飛行士に対応しており、男女両方が着用可能。

　太陽光が当たらないクレーター内部などの「永久影」領域の極低温環境で2時間以上の活動が可能なほか、8時間の船外活動を行なえる。二酸化炭素の除去システムや強力な冷却技術を備えるほか、ヘルメットとバイザーに視界確保のための特殊コーティングを施すなど、宇宙飛行士の安全性とパフォーマンスを重視した設計となっている。

　開発は最終段階に近づいており、アポロ計画以来初となる加圧シミュレーションを完了。2025年に重要な設計審査段階に移行する予定だ。

機能説明