鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第9回:11月25日~11月28日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


11月25日

■■NEC、Mobile Gearの各シリーズに新機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971125/nec.htm

uuencode
ユーユーエンコード

 テキストベースの電子メールやニュースなどを使い、バイナリファイルを転送する際に使用する符号化方式のひとつ。uucode(ユーユーコード)とも。元々は、UNIXで使われていたプログラムのひとつで、これと対になる、テキスト化されたデータを元のバイナリデータに戻すプログラムの方は、uudecode(ユーユーデコード)という。

 バイナリデータをテキストメッセージとして確実に送るためには、全てのコードを7bitのASCII文字だけで表わし、さらに一定の文字数で必ず改行を入れるようにフォーマットする必用がある。uuencode では、バイト列を6bit単位で区切り、32(0x20h)を加えてテキストキャラクタに変換して行く(3バイトの元データが4バイトのテキストになる)。伝送経路によっては、スペースがカットされることがあるため、スペースの代わりに「'」が一般的に用いられる(「~」を使うこともある)。テキスト化されたデータは、45バイト単位で区切り、先頭にデータのバイト数を示す数値を置いて1行とする(45+32=77=「M」なので、最終行以外はMではじまる)。

 このようなルールで符号化したデータを「begin」と「end」でくくったのが、最終的なエンコードデータとなる。「begin」には、「begin 644 untara.txt」といスタイルで、unixのファイル属性を表す3桁の数字と、ファイル名が添えられる。


MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)
マイム

 インターネットメールをはじめとする、7bitのASCIIキャラクタを基本としたメッセージベースのコミュニケーション手段を使い、様々な言語のメッセージをやりとりしたり、バイナリファイルを含む色々な形式のデータを使用できるようにするための規約。

 MIMEでは、主にメッセージヘッダの拡張と、ボディに格納するドキュメントの格納方法を規定している。
 ヘッダには、以下の5つのフィールドが追加され、内容を明確化している。

MIME-Version MIMEメッセージであることを表すバージョン表記
Content-Type 種類の指定
Content-Transfer-Encoding エンコード方式の指定
Content-ID 識別用の一意のID
Content-Description 説明

 この中の「Content-Type」は、WWWでデータの形式を伝えるのにも使われているが、「タイプ/サブタイプ」という書式でデータの分類と形式を、「パラメータ=値」で付加情報を伝える。例えば一般的な日本語メールなら次のように指定され、ボディがJISコードを使ったプレーンなテキストで書かれていることを表わす。

 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp

 コンテントタイプには、「message」や「multipart」という特殊なタイプもある。「message」は、ひとつのメッセージ中に別のメッセージを入れたり参照したり、メッセージを複数に分割したりといった時に使用。「multipart」は、複数のデータから成るメッセージ――すなわち、メッセージにファイルを添えたり、複数のファイルをひとつのメッセージでまとめて送ったりといった機能を実現する。

 コンテントトランスファーエンコーディングは、8bitのデータを7bitのテキストデータに符号化する際に使用する符号化方法の記述で、MIMEでは、「Quoted-Printable」と「Base64」という2つの符号化方式を規定している。

□参考資料
MIMEと日本語文字コードに関するRFC
(ftp://ds.internic.net/rfc/rfc番号.txt でダウンロードできる)
RFC2045 : Multipurpose Internet Mail Extensions(MIME) Part One
RFC2046 : Multipurpose Internet Mail Extensions(MIME) Part Two
RFC2047 : MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions) Part Three
RFC2048 : Multipurpose Internet Mail Extensions(MIME) Part Four
RFC2049 : Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) Part Five
RFC1468 : Japanese Character Encoding for Internet Messages
RFC1554 : ISO-2022-JP-2: Multilingual Extension of ISO-2022-JP

Base64
ベースロクヨン

 MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)で規定されている符号化方式のひとつで、その名のとおり、8bitコードを64種類のASCIIキャラクタをベースとしたテキストデータにする。64は2の6乗――すなわち、uuencodeと同様にバイト列を6ビット単位に区切るわけだ。uuencodeと異なるのは、できるだけ記号を避けるように配慮されている点で、6ビットの数値は、以下に挙げるような英数字と僅かの記号に置き換えられる。

0 A 17 R 34 i 51 z
1 B 18 S 35 j 52 0
2 C 19 T 36 k 53 1
3 D 20 U 37 l 54 2
4 E 21 V 38 m 55 3
5 F 22 W 39 n 56 4
6 G 23 X 40 o 57 5
7 H 24 Y 41 p 58 6
8 I 25 Z 42 q 59 7
9 J 26 a 43 r 60 8
10 K 27 b 44 s 61 9
11 L 28 c 45 t 62 +
12 M 29 d 46 u 63 /
13 N 30 e 47 v
14 O 31 f 48 w パディング 「=」
15 P 32 g 49 x
16 Q 33 h 50 y

 ちなみに、MIMEのもうひとつの符号化方式である「Quoted-Printable」は、ASCII以外のコードを「=F8」というスタイルの16進値で表わしていく。

□RFC2045 Multipurpose Internet Mail Extensions(MIME) Part One
ftp://ds.internic.net/rfc/rfc2045.txt


11月26日

■■日本IBM、MMX 233/200MHz搭載のThink Pad 560X
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971126/ibm.htm

ZVポート(Zoomed Video Port)
ズームドビデオポート

 東芝が提唱し、1996年にJEIDA(Japan Electronic Industry Development Association:社団法人日本電子工業振興協会)/PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)の正式規格に採用された、PCカードの拡張仕様。

 ZVポートは、システム側のビデオ回路やオーディオ回路とPCカード間を直結する専用のバスで、システムバスやCPUに負荷をかけずに、ビデオデータやオーディオデータの高速転送を実現する。カードスロット等のインターフェイスは、従来のものと同一であり、通常はごく普通のカードスロットとして機能。対応カード間でマルチメディアデータの転送を行う際に、ホスト側の内部接続を切り替えることによって、この専用バスが利用できるようになっている。対応カードには、ビデオキャプチャカードやMPEGデコーダ等がある。

□PCMCIA
http://www.pc-card.com/


■■山田久美夫のCOMDEX Fall '97レポート:デジカメ新機種実写レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971126/digi04.htm

Exif(Exchangeable Image File Format)
エグジフ

 富士フィルムが1994年に提唱し、JEIDA(Japan Electronic Industry Development Association:社団法人日本電子工業振興協会)の規格に採用されているデジタルスチルカメラ用の画像ファイルフォーマット規格。

 撮影日などの付帯情報とサムネイル(縮小画像)が格納できる様になっており、同社をはじめ、エプソン、ミノルタ、東芝、コニカ、リコーなど、各社のデジタルカメラに採用されている。97年には、ExifをベースにFlashPix(連載第2回参照) に変換しやすいプロパティもたせたフォーマットをEastman Kodakと共同で策定。「Exif Version 2」としてJEIDAに提案している。

 Exifでは、RGB(赤、緑、青の3原要素で色を表現)の無圧縮データ、YCbCr(輝度と2つの色差で色を表現)の無圧縮データ、JPEG圧縮データが規定されているが、もっとも一般的に使われているのはJPEG圧縮データである。このフォオーマットは、JPEGのデータストリームをそのまま使い、JPEGの仕様に則った方法(アプリケーション用に用意されたデータセグメント「APP1」を使用)で固有の情報を埋め込んでおり、Exifをサポートしていないアプリケーションからでも、普通のJPEGファイルとして認識することができる。情報の格納には、Aldus(現在はAdobe Systemに吸収)が開発したTIFF(Tagged Image File Format)を使用。TIFFのルールにしたがって、各種情報(画像に関する基本情報はTIFFのタグで格納し、その他は独自のタグを使用)とサムネイル画像を格納している。

□Exif規格書(目次のみ)
http://www.jeida.or.jp/document/standard/


11月27日

■■メルコ、スロットイン型の24倍速CD-ROMドライブ ほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971127/melco.htm

ブリッジルータまたはブルータ (Bridge Router / Brouter)
 ネットワーク間を接続するためのデバイスのひとつで、ルータの機能とブリッジの機能を合わせ持ったもの。

 ルータは、TCP/IPやIPXなどの、ネットワークプロトコルのアドレスを使って中継を行なう。これらプロトコルレベルのアドレスは、ネットワークを示すネットワークアドレスと、ネットワーク内のホストを示すホストアドレスから成る論理的に付けられたアドレスである。ルータは、このネットワークアドレスをもとに、必用なパケットを相手先に転送、同時に不要なパケットの出入りを防ぐフィルタの働きを提供する(ほかにも大規模なネットワークに不可欠な配送経路の情報管理や交換機能もある)。
 ただし、このようなしくみで動いている関係から、ルータ経由のコミュニケーション は、ルータがサポートしているプロトコルに限定される(複数のプロトコルをサポートするものをマルチプロトコルルータという)。

 一方のブリッジは、ルータよりも下のレベルで中継を行なう。ネットワークアダプタをはじめとする機器には、ベンダがそのベンダに割り当てられた番号と自社で管理する番号から成る固有のアドレスを製品に付けている。これをMAC(Media Access Control)アドレスというが、ブリッジはこの物理アドレスを使用する。ルータのような、宛て先に配送するという意味での中継機能はないが、特定のプロトコルに依存しない形でフィルタリングを行なうことが可能である。

 これら両者の機能を合せ持ったブルータは、サポートしているプロトコルに対しては、ルータとしての高度な配送機能を提供し、サポートしていないプロトコルに関しては、MACアドレスレベルでのフィルタリング機能を提供するのである。


11月28日

■■Windows NT 5.0 Beta1 使用レポート:Part 3『COMDEX Fall'97編』
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971128/nt50_3.htm

win32
ウィンサンニー / ウィンサンジュウニ

 Winodws NTやWindows 95のコアとなる、32bitのアーキテクチャ。Windows 3.xまでの16bitのアーキテクチャをWin16というが、Win32は、このWin16との互換性を維持しつつ、プリエンプティブなマルチタスク環境やフラットなメモリ(x86アーキテクチャ特有の64KBのセグメントがない)空間などを提供する。システムやアプリケーションは、32bitの仮想メモリ上で動作しており、原則としてプログラム間の干渉も起こらないことになっている(特に互換性を重視したWindows 95では、実際には起こってしまうのだが)。なお、Win16コードとWin32コードとをうまく連携させるために、Thunk(サンク)という機構が用意されており、これが最大限の互換性を提供している。

[Text by 鈴木直美]


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