鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第45回:8月31日~9月3日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


9月1日

■■ワコム、63bitヒューズロム搭載の新型タブレット「WACOM intuos」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980901/wacom.htm

タブレット (tablet、digitizing tablet、graphics tablet)

 タブレット(平板、書字板の意)と呼ばれる平らな板と、ペンあるいはカーソル式のポインティングデバイスを使って座標を入力するデバイス。
 マウスがそれ自身の位置の変化(移動した間の相対座標)を伝えるデバイスであるのに対し、タブレットは、カーソル(パック-puck-とも)の先に付いた十字、あるいはペン(スタイラス-stylus-とも)の先でポイントしたタブレット上の位置(絶対座標)がそのまま入力されるのが特徴で、図面の入力やトレース、イラストの描画等に用いられる。製品によっては、ペンの傾きや筆圧等を感知するものもあり、対応アプリケーション上で微妙なペンタッチを出すことも可能である。なお、製図等に用いられる大型で高精度のものをデジタイザ(digitizer)、イラストなどに使う小型のものをタブレットと区別して呼ぶこともある。

□LCS/Telegraphics
Wintab(Windowsの標準的なタブレットAPI)の仕様書とSDKがダウンロード可能
http://www.pointing.com/


■■日本HP、ネットワーク関連製品6機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980901/hp.htm

コリジョン (collision)

 複数のノードが同時にデータを送信し、メディア上で信号が衝突してしまうこと。
 10Baseや100BaseなどのEthernetでは、伝送する信号をそのままメディアに乗せる、ベースバンド方式という伝送方式を用いている。帯域分割等の多重化は行なわず、時分割によるスケジューリングもしないため、ひとつの物理メディアにはひとつの論理回路しかなく、常にひとつの通信しか行なうことができない(ツイストペアケーブルを使うタイプは物理的に2回路あるので、送受を同時に行なう全二重通信をサポートする製品もある)。このたったひとつの回路は、「空いていれば使ってよい」という単純なルールで使用権が得られる仕様なので、タイミングが重なると複数のノードが同時に送信をはじめてしまい、しばしばこのコリジョンが発生する。

 ちなみに、送信中のノードは同時にメディア上の信号も監視しており、コリジョンを検出した場合には送信を中止(その際にジャム信号という特別な信号でコリジョンの発生を通知する)。一定時間(各ノードが算出するランダムな時間)待機してから仕切りなおすというやり方で、コリジョンを回避しながらデータ伝送を続ける仕組みになっている。この様な通信方式を、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)と呼んでいる。


■■一ヶ谷兼乃の「PCパーツ天国」第6回 ~新Celeron、その実力や如何に!?~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980901/parts6.htm

sSpec
エススペック

 IntelのCPUパッケージに、型番とともにプリントされている、通常はSで始まる数字とアルファベットから成る番号(EEPROM内蔵のパッケージにはROM内にも記録されている)。

 同じCPUでも、動作クロックや動作電圧、パッケージなどの異なる製品があるが(製造時期によっても仕様は微妙に異なる)、製造番号だけではわからない細かな仕様の違いが、このsSpec番号から判別することができる。

□各プロセッサのQuick Reference Guide(sSpecを元にCPUの諸元を閲覧するページ)
・Pentium、MMX Pentium
http://developer.intel.com/design/pentium/qit/
・Pentium Pro
http://developer.intel.com/design/pro/qit/
・Pentium II
http://developer.intel.com/design/pentiumII/qit/
・Celeron
http://developer.intel.com/design/celeron/qit/
・Pentium II Xeon
http://developer.intel.com/design/pentiumii/xeon/qit/


9月2日

■■Canopus、米国でRIVA TNT搭載ビデオカードを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980902/canopus.htm

ガンマ (gamma)

 ディスプレイなどの入出力特性を表す値。
 画像を扱うデバイス(フィルムなどのメディアにもいえることだがここでは省略する)は、入力(CRTなら電圧)に対して常に1対1の出力(CRTなら光量)が得られるのが理想的なのだが、現実にはそれぞれのデバイスが固有の入出力特性を持っており、必ずしもリニアな変化にはなっていない。この入出力特性を、入力を底とする対数で表した曲線をガンマ曲線といい、その時の対数をガンマ値という。

出力=入力γ

 ガンマ値が「1」の時には、入出力はリニアに対応するが、高い場合には暗く、低い場合には明るい出力になる。ちなみにこれをリニアな変化にするための補正をガンマ補正といい(具体的には「1/ガンマ」乗で補正する)、例えばテレビ放送の場合には、予め放送局側で「1/2.2」でエンコードした映像を送信するスタイルになっている。パソコンのディスプレイにはガンマ値の規定は無く、メーカーや機種によってまちまちなので(1.4~2.5程度)、グラフィックスを扱う際にはビデオカードやソフトウェアのキャリブレーション機能を使って補正する必要がある。


9月3日

■■ソニー、CCD搭載のミニVAIO正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980903/sony.htm

VDOコーデック

 VDOnetが開発した、動画用のコーデック(CODEC~COmpression/DECompression~データの圧縮符号化と複号化を行なうハードウェアやソフトウェア)で、「VDO Wave」とも。
 同社の「VDOnet」やMicrosoftの「NetShow」等のストリーミング系のメディア配信で用いられている。

 画像や音声などのデータを効率よく圧縮していく際には、視覚や聴覚に影響の少ない部分を省略してしまうやり方が用いられる。JPEGやMPEGでは、この「影響の少ない部分」を振るい分けるために、離散コサイン変換(DCT~Discrete Cosine Transform)という方法を用いるのに対し、VDOnetのコーデックは離散ウェーブレット(DWT~Discrete Wavelet Transform)変換を使用するのが特徴で、圧縮率を上げた際に生ずる、ブロックノイズ(※1)やモスキートノイズ(※2)が出にくいといわれている。

※1:ブロックノイズ~ブロック単位(JPEGやMPEGは8×8ピクセル)で圧縮していくコーデック特有のブロックの境界が鮮明になる現象。

※2:モスキートノイズ~変化の激しい部分を積極的に省略していくため、鮮明なエッジの周辺に歪みが生じやすく、これをモスキートノイズあるいはコロナ効果という。

【参考】
□CODEC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980519/key30.htm#CODEC

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp