鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第30回:5月11日~5月15日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


5月12日

■■スタパトロニクス 第7回:「電子辞書は、SIIのTR-9700でキマリ!!」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980512/stapa7.htm

EPWING (Electronic Publishing WING)
イーピーウィング  CD-ROMベースの電子出版物を共通のフォーマットで推進することを目的に、富士通、ソニー、岩波書店、大日本印刷、凸版印刷の5社によって'91年に設立された団体(EPWINGコンソーシアム)、およびそこで策定されたフォーマット(EPWING規約)。

 EPWINGコンソーシアムは、富士通、ソニー、岩波書店、大日本印刷、凸版印刷の5社によって'91年に設立された団体で、現在は、出版社や印刷会社、ハード/ソフトベンダーなど80社以上が参加している。

 EPWING規約の前身は、WINGフォーマット(WINGは、CD-ROMの論理フォーマットISO9960の前身である「High Sierra Format」と同様、最初に会合を開いた場所にちなんだ命名)と呼ばれ、'87年にリリース。富士通と岩波書店が共同で開発した電子辞書「広辞苑CD-ROM」や、ソニーのデータディスクマンで使われているEB(Electronic Book~電子ブック)規格に採用されている。これをベースに、'91年に最初の規格「EPWING規約第一版」をリリース。'96年には、規約の一部が「日本語電子出版検索データ構造」(X4081) としてJlS規格にも盛り込まれている。

 第一版(V1)以降、EPWING規約にはいくつかの改良が加えられ、現在は以下のような4種類のバージョンがある。

V1 基本的な検索機能、文字と白黒画像、オーディオ再生機能
V2 カラー画像の表示機能を追加
V3 MPEG-1の動画再生機能を追加
ST カラー画像と音声の連続再生機能を追加

□EPWINGコンソーシアム
http://www.epwing.or.jp/
□図書印刷EPWINGのページ
http://www.tosho.co.jp/EPWING/index.html


■■三洋、動画撮影ができるデジタルカメラ「DSC-V100」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980512/sanyo.htm

OpenDML (Open Digital Media Language)
オープンディーエムエル
 Windows上で業務向けのビデオやオーディオ、フィルムなどを扱う関連企業が集まり、'94年に設立した団体、およびそこで策定されたAVIファイルの拡張規格(OpenDMLAVI File Format Extensions)。

 AVI(Audio Video Interleaved)は、Microsoft社が'92年に発表したWindows上で動画を扱うためのアーキテクチャ「Video for Windows」のファイルフォーマットである。'95年(最新バージョンは'96年リリースの1.02)にリリースされた「OpenDML AVI File Format Extensions」では、それまで各社各様だったAVIでMotion JPEG(本連載第8回「Motion JPEG」参照)を扱うための仕様をはじめ、プロフェッショナル向けのビデオ編集に必要ないくつかの拡張機能を標準化。これらの規格は、AVI 2.0やVideo for Windowsの後継であるDirectShow(旧ActiveMovie)のASF(Advanced Streaming Format~旧Active Streaming Format)に盛り込まれ、Apple Computer社のQuickTime 3.0でもサポートされている。

【OpenDML AVI File Format Extensionsでの主な拡張】
・1GBを越えるファイルサイズのサポート(*1)
・フィールドレンダリングのサポート(*2)
・タイムスタンプのサポート
・Motion JPEGのサポート
・複数のデータストリームのサポート
・複数ファイルにまたがる録再生のサポート

*1 AVIは、データの入れ物にRIFF(Resource Interchange File Format)というファイルフォーマットを使用している。RIFF自体のファイルサイズの上限は4GBなのだが、AVIを扱うエンジンであるMCI(Media Control Interface)が1GBまでしかサポートしていない(32bitのエンジンは2GBまで)。

*2 現行のテレビやビデオは、インターレース(飛び越し走査)といって、1画面を1行おきに2回の走査で描いている。1画面をフレームというのに対し、それぞれの走査で描かれる粗い画面をフィールドという。

□OpenDML AVI File Format Extensions
http://www.matrox.com/videoweb/odmlff2.htm


5月14日

■■ソニー、デスクトップVAIOにマイクロタワー型の新モデル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980514/sony.htm

CODEC (COder/DECoder、COmpression/DECompression)
コーデック
1) COder/DECoder
 データの符号化/複号化、変換/逆変換などを行なう装置。アナログ/デジタル変換を行なうA/D、D/Aコンバータや変調/復調を行なうモデムなどの総称。

2) COmpression/DECompression
 COder/DECoderのひとつで、データの圧縮符号化と複号化(伸張、復元、解凍)を行なうハードウェアやソフトウェア。主として、サウンドデータやビデオデータなどの圧縮に用いるものを指し、ハードウェアを使うタイプをハードウェアコーデック、ソフトウェアだけで行なうものをソフトウェアコーデックということもある。

 比較的汎用的に使われているCODECとしては、オーディオ系ではITU-Tの「μLaw(ミューロゥ)」やIMA版の「ADPCM」などが、ビデオ系ではIntel社の「Indeo(インディオ)」やRadius社の「Cinepak(シネパック)」、「MJPEG」などがある。双方を扱うものとしてはMPEGが広く普及しており、オーディオ用のCODECとしてしばしば登場する「MP3」や「AAC」などもこのMPEG規格の一部である。

【文中の略語/語源】
・A/D (Analog to Digital)
・D/A (Digital to Analog)
・ITU-T (International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)
・IMA (Interactive Multimedia Association)
・ADPCM (Adaptive Differential Pulse Code Modulation)
・JPEG (Joint Photographic Experts Group)
・MJPEG (Motion JPEG)
・MPEG (Moving Pictures Experts Group)
・MP3 (MPEG Layer 3 Audio)
・AAC (Advanced Audio Coding)


■■メルコ、10万円を切る10/100MスイッチングHUBほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980514/melco.htm

HUB
ハブ
 ネットワークなどで、複数のデバイスを1ヶ所に集中的に接続する装置。コンセントレータ(concentrator)とも。PCでは、10Base-TやUSBの配線に用いる。
 HUBは、自転車のタイヤの中心部のハブと同じ意味で、ネットワークの場合には、HUBを中心にスポークのようにケーブルを伸ばして、機器を接続する。HUBはこの中心部分で信号の中継をするわけだが、Ethernetで用いる製品には、備える機能によっていくつかの種類に分類されている。

 もっとも安価でオーソドックスなタイプは、受け取った信号を全てのポートに出力するだけのもので、パッシブ型あるいはリピーターハブなどと呼んでいる。これに対し、データを識別してフィルタリングなどを行なうタイプをアクティブ型、管理機能などのさまざまな機能を備えたタイプをインテリジェント型と呼んでいる。

 スイッチングHUB(Switching Hub)と呼ばれているタイプは、内部に電話交換機のような仕組みが組み込まれており、コミュニケーションするポート間を物理的に1対1で接続する(信号の衝突やロスが生じない)。

 専用の増設ポートを備えたタイプは、スタッカブルHUB(Stackable Hub)と呼ばれる。Ethernetは、ケーブルを使ってハブ同士を接続していくことも可能だが、HUBを通過するたびに信号の遅延が生ずるため、10Base-Tで最大4台までに限定される。これに対し、スタッカブルHUBに用意されている増設用の専用ポートは、あくまでそのHUBの内部バスであるため、特性上は増設したHUBが全てまとめて1台のHUBとして機能する。


5月15日

■■法林岳之の非同期通信レポート「N+I '98 LasVegas Telecomレポート」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980515/nplusi98.htm

xDSL (x Digital Subscriber Line)
エックスディーエスエル
 アナログ電話用に敷設されている既存のケーブルを使い、より高速な通信を行なう技術の総称。
 ケーブルを流れる信号は、距離が伸びれば伸びるほど劣化してしまうが、局と加入者宅、あるいは構内のような限られた距離(数km)であれば、既存のケーブルを使った高速伝送が可能となる。これを実現するための技術を総称してxDSLといい、以下のようなものがある。

□ADSL Forum
http://www.adsl.com/
□UAWG(Universal ADSL Working Group)
http://www.uawg.org/

[Text by 鈴木直美]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp