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■■ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
IntelとAMDがモバイルで1GHzの戦いへ突入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010220/kaigai01.htm
●熱設計電力(Thermal Design Power[TDP])
ねつせっけいでんりょく
放熱対策設計の目安となる、デバイスの放熱量。
機器を設計する際には、デバイス接合部の温度上昇が指定された許容値(thermal junction specification)を越えないように、放熱対策を施さなければならない。動力や光等にエネルギーを消費することのないICチップの場合には、消費電力がほぼそのまま熱として放出されるため、消費電力が大きければ大きいほど、放熱量も大きくなる。
一般的なCMOSチップでは、動作時にチップ内部で大きな電力を消費する。この内部消費電力は、電圧の二乗と動作周波数に比例して増えるため、近年の高速CPUでは、それだけでも頭の痛い問題である。チップ内部の熱は、ヒートシンク(heat sink~放熱器)を取り付けて効率よく発散する(CPUの場合はファンも併用)。ヒートシンクは、同じ素材(※1)ならば、一般に厚く面積が大きいほど放熱効果が高い。が、大きなヒートシンクは、システム設計の自由度を阻害する上、チップの接触面に対して一定のサイズを超えてしまうと、放熱効果があまり延びなくなってしまう。これは、チップの集積度が上がれば上がるほど、放熱が難しくなるということであり、チップの高速化と小型化、高密度実装化の三要素が入り交ざり、ますます熱設計を困難なものにしている。
(※1)ヒートシンクには、熱伝導率が高く加工しやすいアルミがよく用いられるが、熱伝導率だけならば銅の方が有利であり、最近は銅製の製品や銅とアルミのハイブリッドタイプも多い。
【参考】
□ヒートシンク
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980428/key28.htm#HeatSink
■■ 元麻布春男の週刊PCホットライン
Ethernetをそのまま無線化するアダプタを試す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010221/hot130.htm
●AdHocモード、Infrastructureモード
アドホックもーど、インフラストラクチャもーど
無線LAN(IEEE 802.11b)のネットワークモデル(運用形態)。
AdHocモードは、特別な通信設備を使わずに、ネットワークを端末だけで構成。端末どうしが直接コミュニケーションを行なうモードで、有線LANの形態をほぼそのまま無線に置き換えたものと考えれば良い。すなわち、電波の届く範囲で同じチャンネルを共有する端末どうしのネットワークで、これを「Basic Service Set(BSS)」という。
一方のInfrastructureモードは、アクセスポイント(Access Point[AP])と呼ばれる制御用のデバイスが介在し、ひとつのBSSがこのAPの管理下で運営される。APが1つだけの環境では、結果的にはAdHocモードと変わり無いのだが、Infrastructureモードでは、複数のBSSを相互に接続し、ひとつの大きなネットワークとして運用できるようになっている。AP間を結ぶシステムをDistribution System(DS)といい、製品としてのAPは通常、このDSにEthernetを使用する。すなわち、APは無線LANと有線LANを結ぶブリッジでもあり、APの中継によって、Ethernet上や異なるBSS上の端末が透過的にコミュニケーションを行なうことができる。ちなみに、複数のBSSで構成するネットワークを「Extended Service Set(ESS)」といい、IEEE 802.11では、無線端末が同じESS内でAP間を渡り歩くローミング機能もサポート。有線と無線が混在する、さまざまな運用形態に柔軟に対応できるようになっている。
■■ ダイジェストニュース
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digest/
●相性
あいしょう
特定のハードウェアやソフトウェアの組み合わせで発生する、問題が特定できない、あるいはわからない(場合によっては調査するつもりの無い)不具合。
■■ U.S.Robotics、上り48Kbpsの次世代56Kモデム規格「V.92」のテストを完了
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010223/v92.htm
●V.92
ブイきゅうじゅうに
2000年11月に、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector ~国際電気通信連合電気通信標準化部門)の国際勧告となった、V.90の拡張規格。
'98年に標準化されたV.90は、電話回線を使ってデータ通信を行なうためのモデムの規格のひとつである。従来のモデムが純粋なアナログ回線を想定したものであったのに対し、このV.90は、片側がデジタル回線であることを前提としたもので、デジタル側のモデムがデジタル回線の通話に使われている音声信号を直接生成。受信側の中継局までデジタルのまま伝送することにより、D/A(Digital to Analog)変換や伝送ロスを最小限に押さえ、56,000bpsの伝送速度を実現した(※1)。
V.92は、このV.90の機能を拡張する規格で、次の3点が強化されている。
・接続確立の高速化(Quick Connect)
スタートアップ手順が改良され、従来の半分の時間(約10秒)で接続を確立できる。
・データ通信の保留(Modem on Hold)
データ通信中に接続を保留したまま、通話を行なうことができる。
・上り伝送速度の高速化(PCM Upstream)
アナログ回線側のモデム(※2)が改良され、上り方向の最大通信速度が48,000bpsにアップ。
なお同時期には、新しいデータ圧縮プロトコルとして「V.44」も勧告。このV.44では、これまでの圧縮プロトコルである「V.42bis」に使われていた圧縮アルゴリズムLZW(Lempel Ziv Welch)に代わって、LZJH(Lempel Ziv Jeff Heath)を採用。25%以上の圧縮率向上が期待できるとされている。
【データ通信に使われるモデム】
ITU-T勧告 | 通信速度 |
---|---|
V.21 | 300bps |
V.22 | 1,200bps |
V.22bis | 2,400bps |
V.32 | 9,600bps |
V.32bis | 14,400bps |
V.34 | 33,600bps |
V.90 | 33,600/56,000bps(上/下) |
V.92 | 48,000/56,000bps(上/下) |
(※)一般的な2線式の回線で使われる全二重の非同期モデムで、市販のモデムは、たいてい下位のモデムもサポートしている。なお、V.32以降は複数の通信速度をサポートしており、表はその最大通信速度である。
(※1) デジタル回線に接続されたデジタルモデムから、一般に使われるアナログモデム側への伝送速度で、通常はプロバイダ側からユーザーへのダウンストリームになる。 伝送速度は、回線状況により28,800~56,000bps(8,000/6bps刻み)。
(※2) アナログ側のモデムは、V.90以前に使われていたV.34そのものであり、伝送速度は標準で4,800~28,800bpsまで(2,400bps刻み)。オプションで最高33,600bpsまでのサポートとなっていた。
□V.90
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981203/key57.htm#V90
□x2、K56flex
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/key10.htm#x2
□FAXモデム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001117/key143.htm#FAX
□ソフトウェアモデム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971125/key8.htm#soft_modem
□LZW
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990909/key90.htm#LZW
[Text by 鈴木直美]