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スマートフォンやタブレットをビジネスで使う場面も増えてきた。しかし、それらはあくまでも補助的なツールであり、本格的な文書作成や画像編集など、重要な場面で活躍するのはやはりPCだ。スピード感が重要なビジネスの最前線をひた走るビジネスマンにとっては、高性能かつ携帯性に優れ、最大限のパフォーマンスを引き出してくれるモバイルPCが心強いパートナーとなる。

ビジネスユースでのモバイルPCは、高性能であることはもちろん、軽量さ、堅牢性、バッテリーの持ち、安全性など求められる要素は多い。そうしたニーズに応えているのが、パナソニックの「レッツノート」シリーズだ。1996年に初代レッツノート「AL-N1」が登場して以来、ビジネスマンの声を開発に反映し、20年間ビジネスマンのパートナーとして活躍してきた。そんなレッツノートから12.1型のオールインワン・モバイルノートPC「レッツノート SZ5」の新モデルが登場する。

今回は、レッツノート20周年の進化をおさらいしつつ、SZ5を仕事やプライベートで使いこなしながら、その魅力を探っていきたい。

レッツノート SZ5を使いながら、20周年を迎えるレッツノートの魅力を探っていく

レッツノート20周年、ビジネスマンから選ばれ続ける理由とは?

1996年に初代「AL-N1」が登場したレッツノートシリーズは、今年で20周年を迎える。レッツノートといえば、「ビジネス最強ノート」というイメージが浸透しており、20年という長きにわたってビジネスマンに愛用されている。それでは、なぜレッツノートがビジネスマンに選ばれているのか? まずは、その理由を考えてみたい。

レッツノートの最大の特徴は、軽量でコンパクトなモバイルPCながら、高いスペックを備えていることだ。モバイルPCの元祖とされる初代のAL-N1では、当時として最高の性能を搭載。その後のモデルでも、スペックへの妥協はなく、完成度の高さから評価を得ている。

1996年6月に登場した初代レッツノート AL-N1

ビジネスの大事なシーンでPCが固まってしまうことは許されないし、作業中にPCの動作が重くなるのは仕事の効率を悪化させる。そのため、ビジネスユースのモバイルPCでは、スペックの高さが求められるが、レッツノートには「これを選べば間違いがない」という安心感がある。

もちろん、レッツノートは、モバイルPCとして重要な軽量設計や長時間駆動も追求している。2002年に登場したR1シリーズでは、約960gの軽量設計と約6時間の長時間駆動を両立。最新のSZ5では、光学ドライブ内蔵PCとして世界最軽量(※)の約929g、約14時間(バッテリーパックS装着時)の長時間駆動を実現するなど、軽量設計と長時間駆動にも磨きをかけている。

2002年に登場したR1シリーズ

また、優れた堅牢性もレッツノートの特徴のひとつだ。2005年発売のW4シリーズでは、満員電車内の圧力の実測値を基準とした耐100kgfに加え、耐落下30cmの頑丈設計を実現。持ち歩く機会の多いモバイルPCでは、万が一の落下などのリスクが伴うが、レッツノートの堅牢性は、それらの衝撃から大事なデータを守ってくれる。

耐100kgfの頑丈設計を初めて実現したW4シリーズ

レッツノートシリーズでは、その後もスリム化や最新OS/CPUへの対応など、時代に合わせた進化を遂げ、現行モデルでは、マルチタッチに対応した2in1のRZシリーズ、光学ドライブ内蔵2in1のMXシリーズ、14インチの大画面ディスプレイを搭載したLXシリーズ、そして光学ドライブ内蔵で世界最軽量(※)のSZシリーズをラインナップしている。

さまざまな進化を遂げてきたレッツノートシリーズで、常に変わらないコンセプトが「ビジネスシーンで本当に使えるモバイルPC」というものだ。ユーザーの声を反映しながら、ビジネスマンの目線で考え、開発を続けてきたことが、時代が変わってもレッツノートが支持され続けている理由だといえるだろう。

(※)2016年6月1日現在、パナソニック調べ

直販サイトのパナソニックストアでは、レッツノート20周年を記念した企画を実施する。

レッツノート20周年記念モデルの発売

20周年記念モデルとして、10.1型の2in1コンバーチブルPC「レッツノート RZ5」のブラックモデル(CF-RZ5QFXQP)が7月28日(予約受付は6月1日から可能)より販売される。16GBメモリー、512GB SSDを搭載したLTE対応モデルとなり、OSはWindows 10 ProまたはWindows 7 Professionalを選択可能。プリインソフトやカラー天板、カラーキーボードのカスタマイズもできる。また、20周年記念壁紙もプリインストールされる。

さらに、RZ5用のカラーキーボードには新色が追加され、10色×2種類(かな有り・かな無し)のキーボードが枚数限定で販売される。カラーキーボードは、ブラック、カッパー、シルバーすべての筐体色で対応可能だ。

【RZ5に追加される新色】

フローラピンク

シトラスグリーン

サンダーブルー

ミントグリーン

ライジングレッド

オーキッドピンク

ドラジェブルー

ウォームゴールド

20周年記念モデルの手作りイベント

購入した20周年記念モデルを自分で組み立てられるイベント「パナソニックストア工房」も開催される。開催日は2016年8月27日(土)、場所はパナソニックの神戸工場。直販サイトでの購入時に、イベントへの参加を希望することで応募が可能だ(先着30名)。

このほか、SZ5用のカラー天板にも新色が追加される。新色は、水色とグレーの中間に近い色合いとなり、レッツノートSZ5をよりスタイリッシュに持ち歩けそうだ。

レッツノート SZ5の軽量、頑丈、長時間駆動を実感

ここからは、実際にレッツノート SZ5(以下、SZ5)を仕事やプライベートで使いながら、あらためてレッツノートの魅力を確認していきたい。

本体を手にして、まず感じるのは何といっても軽さだ。SZ5の最軽量モデルは約929gと、1kgを切る。今では1kg未満の薄型ノートPCもそう珍しくはないが、実際に手にとってみると、ずっしりと中身が詰まっているように感じるものがほとんどだ。一方、SZ5は、堅牢性の面から、他の薄型ノートPCと比べるとやや分厚くなっていることもあり、見た目とのギャップも相まって、手にしてみるとかなり軽く感じられるのだ。

もっとも、そんな第一印象は使っていくうちに薄れていくし、カバンに入れてしまえば見た目とのギャップを感じることもないが、SZ5がとにかく軽量であるのは事実。ビジネスでPCを持ち歩く人にとっては、軽さこそ正義であり、疲れを感じることなく、快適に1日中持ち歩くことができるだろう。

なお、レッツノートシリーズでは、ボディの素材に軽くて丈夫なマグネシウム合金を採用。さらに、天板を独特のボンネット構造にすることで、強度をアップしている。SZ5でも、他シリーズと同様に100kgfの加圧振動試験、高さ76cm(底面方向/動作時)、30cm(26方向/非動作時)の落下試験が実施されており、その堅牢性は折り紙つきだ。

堅牢性に優れたモバイルPCのメリットは、持ち運ぶカバンを選ばないことだ。耐衝撃性を備えたPC用バッグもあるが、機能で選ぶとどうしてもデザインは限られてくる。その点、SZ5のようにPC自体が堅牢性に優れていれば、どんなカバンでも安心で、好みのデザインのものを自由に選ぶことができる。プライベートでPCを持ち運びたいときにも、いつものカバンに安心して入れられるのはうれしいところだ。

最軽量モデルは重量1kgを切り、片手でも軽々と持ち上げられる

独特のボンネット構造の天板が筐体の強度をアップしている

PC自体が堅牢性に優れているため、好きなカバンに入れて手軽に持ち運べる

新機能が追加され、さらに最強のビジネスノートに

SZ5の新モデルには、新しいOfficeソフトの「Office 2016」がプリインストールされている。Office 2016は、WordやPowerPointで共同編集ができるなど、コラボレーション機能が強化されているほか、ユーザーが実行したい操作を先回りしてサポートするアシスト機能などを搭載。ちなみに店頭モデルには、Windows 7プリインストールモデル(Windows 10 Proダウングレード権行使)も用意されている。

また、SZ5新モデルでは、HDD/SSD内の暗号化されたデータと暗号鍵を別々に管理することで、強固なセキュリティを可能にするセキュリティチップ「TPM」が新たに搭載されている。重要な情報を持ち運ぶビジネスマンにとっては、見逃せない機能だ。

強固なセキュリティを可能する「TPM」は、データと別に管理されているので、万が一データを抜かれてもロックは解除されずにデータを見られることもない

サイズについて見てみると、SZ5の液晶ディスプレイは12.1型。持ち運ぶ上では大きすぎず、作業時には小さすぎずと、モバイルPCとしてはちょうどよいサイズだ。ビジネスシーンでは、電車やバスの待ち時間やその移動中に、PCでの対応が必要になることもあるだろうが、SZ5であればコンパクトなので、すぐにカバンから取り出して気軽に開くことができる。

また、12.1型というサイズは、オフィスで使うにはやや小さいと感じるかもしれないが、解像度は1,920×1,200ドットというフルHDより縦に広いWUXGAサイズで、実際に使ってみると画面は広く感じる。PDFなどの縦長のファイルも見やすく、複数のウィンドウを開いて、快適に作業できるだろう。

ビジネスに必要な機能を備えた“全部入り”が魅力

モバイルPCを選ぶ上では、キーボードも見逃せないポイントだ。SZ5は、コンパクトボディながら、主要キーのキーピッチは横19mm、縦16mmと十分なサイズが確保されており、キーストロークも2mmと深く、入力は快適だ。どんなキーボードでも使い続けていけば慣れるという面もあるが、とりわけ本機のキーボードは慣れるのが早いと感じられた。

また、レッツノートではおなじみの円形のタッチパッドも、キーボードと並んで快適だった。ホイールの内周をなぞることでスクロールができ、ほとんどのマウス操作をタッチパッドだけでこなすことが可能だ。外出時にわざわざマウスを持ち歩く必要がないのもメリットのひとつといえる。

ボディがコンパクトなので、電車やバスの待ち時間にもサッと開いて、すばやく対応できる

コンパクトボディながらキーボードは十分なサイズが確保されており、入力は快適

円形のタッチパッドは、ホイールの内周をなぞることでスクロール操作ができて便利

モバイルPCでは、バッテリーの持ちも気になるところだ。SZ5は、Sサイズのバッテリーパック装着時でも約14時間(最軽量モデル)という長時間駆動を可能としている。試しに、ACアダプタを接続せずに、原稿執筆やWebブラウジングを連続で行ってみた。ブラウザのタブを多数開いたり、画像編集をしたりと、それなりにハードな使い方をしたものの、満充電からバッテリーが切れるまで、約7時間30分の使用が可能だった。実際には、外出時に連続で作業を続けるということは考えにくく、日中使うだけであれば、バッテリーだけでも十分そうだ。

これらに加えて、SZ5の特徴はビジネスに必要な機能を備えた“全部入り”のマシンであることだ。最軽量モデルで1kg未満という重量ながら、光学ドライブを内蔵。また、SDカードスロットや有線LAN、HDMI、ミニD-Sub15ピンも搭載している。

資料として配布されたDVDや、デジタルカメラのSDカードなどを本体だけで読み込むことができ、外付けの光学ドライブやカードリーダーなどは不要だ。また、プロジェクターに画面を出力する際にも、変換ケーブルなどを別途用意する必要がない。余計なものを持ち歩かず、荷物も軽量化できるのが“全部入り”のSZの魅力であり、「ビジネスモバイルの最高傑作」と呼ばれるのもうなずける。

バッテリーパック(S)装着時は約14時間の長時間駆動が可能。さらに、バッテリーパック(L)であれば、約21時間の長時間駆動に対応する

長時間駆動のため、あまりACアダプタを持ち運ぶ必要もなさそうだが、ACアダプタ自体もコンパクトで、そこまで荷物にもならないだろう

軽量でコンパクトなモバイルPCながら、光学ドライブを内蔵している

SDカードスロットも搭載しており、デジタルカメラのSDカードなどもすばやく読み込める

本体側面には、有線LAN、HDMI、ミニD-Sub15ピンのほか、USB 3.0を3ポート搭載している

もちろん、ビジネスだけでなく、プライベートでもSZ5を十二分に活用したいところだ。プライベートでのPC利用はさまざまだが、SZ5は動画編集なども快適に行える。筆者は、マイクロソフト製の動画編集ソフト「ムービーメーカー」をインストールして、デジタルビデオカメラで撮影した動画の簡単な編集を行ってみた。

動画編集には、それなりのスペックが要求されるが、インテルの最新CPUである第6世代Core iプロセッサーを搭載しているSZ5に不安はなく、動画のトリミングやトランジションの設定もスムーズに行えた。また、とりわけ動画編集で時間がかかるのが編集したムービーの書き出しだが、9分程度の動画をフルHD(1,920×1,080ドット)のmp4形式で書き出したところ、処理にかかった時間は10分弱とスムーズだった。

さらに、前述のとおり、SZ5は光学ドライブを内蔵しているため、編集した動画をDVDに書き込むことなども可能。動画編集を趣味にしている人にとっても、SZ5は十分使えるマシンといえそうだ。

動画編集ソフトでの編集作業や書き出しも、サクサクと快適に行うことができた

軽量でコンパクトなので、家の中でも自由に持ち歩いて、どこでも使えるのがうれしい

レッツノートシリーズの優れた部分を受け継ぎながら、さらなる進化を続けているSZ5。20周年を迎えるレッツノートの現時点での集大成といえるマシンであり、多くのビジネスマンにおすすめできる1台だ。

(鈴木友博)

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