レビュー

ウエスタンのデュアルドライブ「WD Black2」を試してみた

 26日発表になった、1台の筐体にSSDとHDDを両搭載したウエスタンデジタルジャパン株式会社のデュアルドライブ「WD Black2」の実機を利用する機会を得たので、簡単に試用してみた。

WD Black2表面。黒い部分は表面のようであって、実は基板の裏面
裏面は普通のHDDと全く変わらない

 製品写真からも分かる通り、本製品の外見は一般的2.5インチHDDとほとんど変わらず、接続方法も通常のSATAポートに接続するだけだ。この時点では、OSからは128GBのSSD部分しか認識されない。認識と言っても、SSDは初期化されていないので、マイコンピューターには表示されておらず、ディスクの管理から初期化する必要がある。手順が分かっていれば、簡単だが、自作初心者は躓くかもしれない。

 初期化したら、今度は専用のユーティリティをインストールする。すると、1TBのHDD部分が認識され、こちらは自動的に初期化される。認識後のディスクの管理の画面から分かる通り、利用時には単純に内蔵ディスクドライブが2台として扱われる。今回、内部構造まで確認できていないが、通常のHDDに基板状のSSDを重ね、SATAポートマルチプライヤのような仕組みで内部接続しているものと思われる。

専用ユーティリティ
出荷時はSSD部分が初期化されていないので、エクスプローラーや、このユーティリティからも認識されない
SSDを初期化し、ユーティリティを実行すると、HDDも認識される

 数十GB程度のフラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDでは、専用ユーティリティのインストールなどの作業は一切不要だが、フラッシュメモリはキャッシュとして利用されるだけなので、読み出すべきデータがそこにないと、高速化の恩恵は受けられない。一方、WD Black2は、認識させるまでの1工程が必要だが、フラッシュストレージとHDDのどちらに、どのアプリやデータを入れるかなどは、ユーザーが任意に選べる。いずれもフラッシュメモリの高速性と、HDDの大容量性の両立を狙う製品だが、どちらかと言うと、ハイブリッドHDDは一般ユーザー向け、WD Black2はこだわりのユーザー向けとなろうか。価格については、標準的な128GB SSDと1TB HDDを足したものより高めだが、1ドライブのスペースに入るという点にその付加価値を見いだせるかどうかがポイントとなる。

 参考までに、CrystalDiskMarkでベンチマークも測定してみた。SSD部分は、連続読み込みが400MB/sec程度、書き込みが150MB/sec程度と、昨今のハイエンド製品と比べると、書き込み速度は劣って見える。だが、ランダムアクセス速度は、フラッシュメモリの特性を活かし、HDDよりも数十倍速い。標準モードでも0fillでも性能に変化はなかった。

 詳細なベンチマークや紹介は、日を改めて行ないたい。

SSD部のCrystalDiskMarkの結果
0fillでの結果
HDD部の結果

(若杉 紀彦)