株式会社東芝は、容量512GBの高速SSDを搭載した12.1型モバイルノートPC「dynabook SS RX2/WAJ」を発売した。
本製品は、12.1型モバイルノートPCとして世界最軽量のdynabook SS RX2に、同社製の512GB SSD「THNS512GG8BB」を搭載した直販専用モデルだ。直販価格は398,000円。
本体の使い勝手などはすでに2月にレビュー記事を掲載しているのでそちらを参照していただきたいが、今回は搭載されている新SSDの性能に着目し、ベンチマークをお届けする。
同社の測定によれば、「THNS512GG8BB」の性能はリードで最大230MB/sec、ライトで最大180MB/secとなっている。これは従来モデルに搭載されている「THNS128GE8BMDC」のほぼ倍以上の値だ。
THNS512GG8BB | 内部基板 |
●CrystalDiskMark 2.2
まずはCrystalDiskMark 2.2で計測した。計測回数は5回、容量は100MBに設定している。
結果は、シーケンシャルリードが218.1MB/sec、同ライトが111.6MB/sec、512KBランダムリードが197MB/sec、同ライトが163.2MB/sec、そして4Kランダムリードが14.71MB/sec、ライトが28.34MB/secとなった。
シーケンシャルライトがやや遅く、512KBランダムライトがそれより速いという結果はやや理解し難いが、公称のリード230MB/sec、ライト180MB/secに近い数値が得られる結果となった。
一方、旧モデルに搭載されているSSDとの比較では(2月時点でのベンチ)、リードが最大で2倍弱、ライトが最大11倍速いということになる。特に512KBランダムライトの高速化は目覚ましい。4KBのランダムリード/ライトも2倍~3倍強に高速化されている。
THNS512GG8BBのベンチマーク結果 | こちらは旧モデル(128GB)のベンチマーク結果(Hothotレビューより) |
●HDTune Pro 3.5
次はHDTune Pro 3.5で計測した。同ソフトはリードまたはライトするサイズを変えてディスク全域の速度を計測できる。今回は4KB、64KB、512KBごとのリードで計測した。
なお、同ソフトには、ディスクの全域に渡って書き込み速度を計測する機能もあるのだが、OSがマウントしているドライブに対して計測することはできない。よって今回のベンチマークではライト性能は計測できていないので、ご了承いただきたい。
HDTune Pro 3.5 512KB Read | HDTune Pro 3.5 64KB Read | HDTune Pro 3.5 4KB Read |
結果は、512KBが平均212.7MB/sec、64KBが平均171.4MB/sec、そして4KBが31.5MB/secとなった。
4KBの結果は安定しているものの、64KBと512KBは序盤と中盤で1回落ち込みがある。とはいえ、それでも151.5MB/secと177MB/sec以上はキープできおり、高速であるという印象には変わりない。
ランダムアクセスのテストでリードを計測してみたが、こちらは5ms以下のアクセスタイムをキープし、高速性を裏付ける結果となった。また、ここでは64MBのファイルを設定し、容量別に区切ってアクセスするFile Benchmarkの結果も掲載しておくので、参照されたい。
HDTune Pro 3.5 Access Time | HDTune Pro 3.5 File Benchmark |
●まとめ
以上のベンチマークからわかるとおり、同社の第2世代SSDとも言うべきTHNS512GG8BBは、優れた高速性を実現している。また、512GBという現行の2.5インチSSDの中でもトップクラスの大容量を実現しており、ヘビーなモバイルユーザーには最適と言えるだろう。
実際に操作していても非常に快適で、HDDを搭載する他のPCとは雲泥の差がある。特にコントロールパネルやマイコンピュータが一瞬で開く様子は、ノートPCとは思えないほどだった。
また、SSDの搭載により、HDD搭載モデルよりパームレストの温度がかなり抑えられ、動作中に熱さが気になることはまったくなかった。
唯一のネックは価格だが、398,000円という価値に代えるだけの魅力は十分にある。性能にこだわりのあるヘビーモバイラーはもとより、外出先で大量のプレゼンテーションを行なうビジネスマンにもお勧めな1台だ。
(2009年 6月 1日)
[Reported by 劉 尭]