ウルトラハイエンドビデオカード「GeForce GTX 690」ベンチマーク速報

GeForce GTX 690



 先にお伝えした通り、NVIDIAのウルトラハイエンド向けデュアルGPUカード「GeForce GTX 690」を5月1日に入手した。今回は時間の都合上、一部のテストのみに留めたベンチマーク速報をお届けし、詳報はまた後日お伝えする。

テスト環境

 改めて仕様についておさらいしておくと、GeForce GTX 690は、GeForce GTX 680(Kepler)ベースのチップを2基搭載したデュアルGPUビデオカード。CUDA Core数は3,072基(1,536基×2)、ベースクロックは915MHz、GPU Boostクロックは1,019MHz、メモリは256bit×2接続のGDDR5 4GB(2GB×2)で、クロックは6GHz。PCI Express補助電源は8ピン×2で、TDPは300Wなどとなっている。

 外観などについては既にレポートしている通り、三価クロムメッキのアルミニウムフレームにアクリルの窓がついたクーラーカバー、ベイパーチャンバー採用のヒートシンク、流体軸受けのファンなどを採用。ファンのハウジングはマグネシウム合金をチクソモールド法で成形したものとなっている。

 実際にPCに組み込んでみたところ、側面の「GEFORCE GTX」のロゴが緑色に光ることが確認できた。ファン回転数はかなり抑えられており、アイドル中/3Dベンチマーク中いずれも、ハイエンドのデュアルGPUビデオカードとしては非常に静かで、GeForce GTX 590とほぼ同等な印象だ。

 今回は時間の都合上、筆者が所持しているPC環境でテストを行なった。テスト環境は下記の通り。比較用として、GeForce GTX 580(コア840MHzオーバークロックバージョン)と、GeForce GTX 590を用意。GeForceドライバは580/590が執筆時点で最新のWHQL準拠の「296.10」、690がレビュワー向けに配布された「301.33」を使用した。

【表】テスト環境
GPU GeForce GTX 690 GeForce GTX 590 GeForce GTX 580
CPU Phenom II X6 1090T
メモリ 16GB(4GB×4) DDR3-1333
マザーボード Crosshair IV Extreme
ストレージ Micron C400 256GB
OS Windows 7 Ultimate(64bit/SP1)
電源 Corsair AX1200(1,200W 80PLUS GOLD)
ディスプレイ Dell 3008WFP
ドライバ 301.33 296.10

 やや古めの環境のため、低解像度や低負荷のテストでは、Phenom II X6 1090Tがボトルネックになることが懸念されるが、その代わり今回2,560×1,600ドット(WQXGA)表示のテストが行なえるため、ハイエンドビデオカードの実力が引き出せると予想される。

●高解像度環境でGTX 590比1.7倍の性能を確認

 まずはDirectX 11対応のベンチマークとして、「3DMark 11」(グラフ1、2、3)と「Heaven Benchmark 3.0」(グラフ4、5)、「ロストプラネット2」(グラフ6)のテストを行なった。

【グラフ1】3DMark 11
【グラフ2】3DMark 11 Graphics Score
【グラフ3】3DMark 11 Combine Score
【グラフ4】Heaven Benchmark 3.0
【グラフ5】Heaven Benchmark 3.0 FPS
【グラフ6】ロストプラネット2

 結果からわかる通り、3DMark 11のExtremeプリセットでは総合スコアが5473と、GeForce GTX 590の3173と比較すると約72.5%も高い。このうちGraphicsだけのスコアで比較すると、約89%も高い計算となる。

 Performanceプリセットでの総合スコアは約37.2%向上した。先述の通りCPUが頭打ちになっているわけで、Graphicsのスコアのみで比較するとこちらもやはり78.6%ほどの向上だ。

 Heaven Benchmark 3.0の結果も、WQXGA解像度/テッセレーション設定:Extreme時のスコア向上が目覚ましく、GeForce GTX 590と比較して67.6%も上回った。一方1,920×1,080ドット(フルHD)/テッセレーション設定:Normal時では向上の幅が小さく、GTX 690は高負荷時に真価を発揮することがわかる。

 ロストプラネット2のDirectX 11バージョンのベンチマークでは、最高負荷にした上で、WQXGA解像度のテストを行なったが、タイプAのベンチマークではGeForce GTX 590から約40.7%、タイプBのベンチマークでは同12.2%の向上が見られた。このベンチマークではタイプAが実環境を反映しやすいもののランダムなスコア、タイプBが性能をリニアに反映したスコアなわけだが、GeForce GTX 690は実ゲームでもより優れた体験を提供できる可能性が高いことがわかる。

 続いて、DirectX 10対応ベンチマークの「3DMark Vantage」(グラフ7、8)、DirectX 9対応ベンチマークの「3DMark06」(グラフ9、10)、「Final Fantasy XIV Official Benchmark」(グラフ11)の結果だ。

【グラフ7】3DMark Vantage Score
【グラフ8】3DMark Vantage Graphics Score
【グラフ9】3DMark06 Score
【グラフ10】3DMark06 SM2.0/3.0 Score
【グラフ11】Final Fantasy XIV Official Benchmark

 3DMark Vantageでは、ExtremeプリセットでGTX 590から32.9%の向上が見られたが、3DMark06ではほぼタイ、FFに至っては4.9%低下する結果となった。3DMark06では既にスコアが頭打ちになっており、FFではドライバが最適化されていないのだろう。いずれにしてもDirectX 9ベースのゲームはGeForce GTX 690にとって“軽すぎ”なため、ネックになるとはまず考えられない。

●取り扱いもしやすく、ハイエンド環境におすすめ

 というわけで、軽くベンチマークを走らせてみたが、GeForce GTX 590から690への世代交代は完全になされたと言ってもいいだろう。

 3DMark 11のExtremeプリセットを実行したときに画面を実際眺めていたが、各シーンともに30fps近くのフレームレートで非常に滑らかに動いていた。筆者は個人でこれまで多くのベンチマークを走らせてきたが、これほどスムーズにExtremeプリセットが走ったのは初めてで、かなり衝撃的だった。

 熱に関しては、やはりワット性能に優れるKeplerアーキテクチャを採用しているだけあって、GeForce GTX 590よりも抑えられている印象だった。ファンもかなり静かなレベルで、ベンチマークやゲーム中に気になることはない。

 本製品のネックは999ドルという高い価格(想定ベースだが)と供給量だろうか。5月3日より限定出荷、5月7日より本格出荷するとのことだが、市場に潤沢に出回り、価格がこなれてくることに期待したい。

(2012年 5月 3日)

[Reported by 劉 尭]