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自律的に消火活動を行なう米海軍の2足歩行型ロボ

 米海軍は4日(現地時間)、消火活動を行なう2足歩行ロボットのプロトタイプ「Shipboard Autonomous Firefighting Robot」(SAFFiR)を公開した。

 消火ロボと聞いて、業火の中で不敵な視線を向ける「ターミネーター2」のオープニングシーンのことが脳裏をよぎったが、海軍研究事務所後援の下バージニア工科大学の研究者が開発したSAFFiRは、火の中に飛び込むことはできない。しかし、人間の可動域を超えた関節を持ち、平坦でない場所でも安定して歩行し、複雑な作業もこなせるという。

 また、赤外線立体視覚、回転式レーザー感光器を備え、煙の向こう側を見通せ、火の元を検知できる。これによって、船内火災が発生した際、煙の中でも活動できるSAFFiRがまず出火場所へ赴き、放水ホースで初期消化を行なう。今回の検証では、人間がコンピュータを使って指示しているが、自律的に歩行し、放水ホースを扱うこともできる。

 今後は、さらなる改良により、知能、速度、バッテリ駆動時間などを引き上げるとともに、人間との会話機能も搭載させ、人と協調して作業に当たることを目標としている。

 骨格がむき出しで無骨な外観だが、全高は約178cm、重量は約65kgと、人間とほぼ同じスケール。完全な蛇足だが、その姿形を見て、「立てばターミネーター、ホース握れば消防士、介助されつつ歩く姿は先行者」なんてフレーズが思い浮かんだ。

(若杉 紀彦)