やじうまPC Watch

コンピュータは家族よりも正確にあなたの人格を判断できる

~手がかりはFacebookのいいね!だけでOK

写真出典: mimagephotography/Shutterstock

 米スタンフォード大学Michal Kosinski氏らが率いるケンブリッジ大学との共同研究チームは12日(現地時間)、コンピュータはこれまで考えられていたより遙かに正確に人間の性格特性を判断できることが分かったと発表した。

 研究チームは、86,200人のボランティア被験者を対象に、100個の長文質問に基づいた性格自己診断結果を収集した。そして、被験者の同僚や友人、家族を含む人間の判定員は、10個の質問を元にその人の性格を判定。一方、コンピュータの方は、被験者がつけたFacebookのいいね!を元に診断を実施した。ここで言ういいね!とは、投稿、ビデオ、アーティストなどに対する投稿者のいいね!を示す。

 その結果、コンピュータは10個のいいね!を元にしただけで、被験者の同僚よりも正確な診断を下した。同様に、70個のいいね!を元にすると友達やルームメイトより、150個では家族より、300個では配偶者より精度の高い判定を導き出したという。このような結果が出た理由について同チームは、コンピュータは膨大な情報にアクセスし、それをアルゴリズムに基づいて分析するという人間にはできない技術を持っているからだと述べている。

 Facebookユーザーの平均いいね!数は227個程度なので、今回の結果はすでにコンピュータが、我々の最も親しい人よりも我々のことを知っていることを示唆している。また、将来において、コンピュータが人間の心理学的特性を推論し、それに応じた対応を行なうというように、感情的知性を持ち、社会的技能を持ったマシンの誕生に繋がるとしている。

 そこまでは行かないにしても、この手法を用いることで、企業の人事担当がよりその人の性格特性に合った仕事を与えたり、顧客の嗜好に合った製品やサービスを提供できるようになるとしている。

(若杉 紀彦)