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ロボバーテンダーが給仕する世界初スマート客船が就航
~ブロードバンド回線からサーフィン/ボルダリング/カート場まで完備
(2014/8/27 06:00)
米Royal Caribbean Internationalの豪華客船「Quantum of the Seas」がこの秋より就航する。
総トン数167,800トン、2,090の客室に4,180人が宿泊できるこの大型船は、世界各地の料理を振る舞うレストラン、カジノ、劇場、音楽ホール、ゴンドラ式展望台、といったエンターテイメントはもとより、サーフィン、カート、バスケ、スケート、ボルダリングなどのスポーツ施設まで用意された、海上の総合アミューズメント施設とすら言える客船だ。
そして、この船は“世界初のスマート船”を自称するハイテクの塊でもある。ドイツ時間の25日に公開されたリリースによると、Quantum of the Seasは、下記の6つのスマートさを備えるという。
スマートチェックイン: オンラインで予約を完了し、チェックインカウンターなどに並ぶことなく、ターミナルに着いてから10分以内に乗船できる。また、荷物にはRFIDタグがつけられ、乗客はいつでも荷物の場所をオンラインでチェックできる。
スマートコンシェルジュ: RFID内蔵の“WOWband”を腕につけることで、簡単に買い物をしたり、部屋の鍵として使うこともできる。旅を快適にするためのスマートフォンアプリも提供。
スマートコネクト: O3b Networksの衛星通信により、地上のブロードバンドと同等の回線を確保。乗客は、メールやSNSのチェックなどだけでなく、動画を観たり、陸上の知人とビデオチャットや、Xbox Live経由でのゲーム対戦も可能。
スマートエクスペリエンス: バイオニックバーでは、タブレットで注文すると、ロボットアームがバーテンダーとしてカクテルを作り、振る舞う。壁一面がガラススクリーンとなっているホールでは、6台のロボットアームが強調してディスプレイを動かすショーも実施。375の部屋では、バーチャルバルコニーが壁に設置され、RED製Epicシネマカメラで撮影する船外の様子がリアルタイムで映し出され、室内でも外の風景を楽しめる。
スマートサービス: 同社は、顧客へのサービス向上の一環から、船員に対して計4万台のWindowsタブレットを無償供与しており、これにより、乗客の嗜好などを把握し、きめ細やかなコンシェルジュサービスを提供する。また、船員は自身の家族や知人とのコンタクトなどにもこのタブレットを使える。
スマートサステナビリティ: この船の設計自体ももちろんITを駆使しているが、製造時にはエネルギー消費を可能な限り抑えているほか、照明は蛍光灯かLEDとし、モーションセンサーによって人がいない場合は明かりを落とすなど、省エネにも配慮している。
このように、Quantum of the Seasでは、地上でもなかなか味わえない体験をすることができるが、8泊で10万円程度と、意外と安い。たまには船旅もしたいが、ネットが使えないので躊躇している、そしてせっかく休暇を楽しむなら、ほかではできないことをやりたいという人は一考してみてはいかがだろう。