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塩水を使って発電する技術
~河口に設置した半透膜を利用しタービンを動作
(2014/8/22 06:00)
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは20日(現地時間)、河口における塩分濃度の差を利用して大規模な再生可能エネルギーを発生させるシステムについての研究結果を発表した。
河口では塩分濃度の低い川の淡水と、塩分濃度の高い海水が交錯する。この場所に、水だけを通す半透膜による仕切りを設置すると、川の水分が一方的に海水側へと移動し、水圧が発生する。この水圧によって作られた水の流れを利用してタービンを回すことで発電ができる。これを浸透圧発電と呼ぶ。
浸透圧発電のアイディア自体は以前からあったが、MITのチームは、その性能や最適な大きさなどを評価する方法を考案した。
この手法で分かったのは、半透膜を大きくすればするほど、発電能力は上がるということ。しかし、半透膜を半分の大きさにしても、元の95%程度の発電能力を得られることも分かった。
また、塩分濃度の比率が高いほど、より発電でき、脱塩の副産物である塩水とその処理汚水の組み合わせは、海水と淡水の組み合わせの2倍の発電ができることも分かった。試算によると、汚水処理プラントを沿岸に設置し、海水を取り込み、汚水と組み合わせてまかなえる電力は、そのプラントの処理設備を動かすのに必要十分なほどだという。
これまで、研究所の理想的な環境での実験や試算は行なわれていたが、今回、実地的な情況でのモデルが確立したことで、現実的な規模、コスト、性能における再生エネルギー生成システムの実現が一歩前進した。