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「垂れないワインボトル」を米大学が開発

〜200年間悩まされ続けたワインの染みに終止符

 米ブランダイス大学は22日(米国時間)、注ぎ口に切れ込みを追加し、ワインを注ぐ際に生じる液垂れを防ぐ手法を発表した。

 液垂れを起こさないワインボトルを開発したのは同学の生物物理学者、Daniel Perlman氏。ワイン愛好家でもある同氏は、従来のワインボトルは注ぐ際に生じる液垂れに問題意識を持ち、しばしばテーブルクロスなどを汚してしまう問題を解決するためにこの手法を開発した。

 ソムリエなどもテーブルにワインを供する際、布を瓶口にあてがうなどしてこの液垂れを防ぐが、なぜ液垂れが生じるのだろうか?

 同氏はスローモーション撮影を用い、研究を重ねた結果、2つの事実を発見した。1つは、ボトルが満杯に近いほど液垂れが激しいということ。もう1つは、注がれている最中に流れるワインが瓶口の後方に引きつけられていくということ。

 そのことから、液だれの原因はガラスの親水性のためにワインがボトル表面に引きつけられていることと判明。そこで、同氏は瓶口を一周するように幅2mmほどの切れ込みを追加し、限りなくワインが垂れにくくすることに成功した。なぜなら、溝があることにより、ワインがボトル表面に張り付くために重力に逆らう必要があるからだ。

 同氏は、至ってシンプルなアイデアだが、19世紀の初頭から変わらないワインボトルのデザインを変え、200年以上続いたワイン染みの歴史に終止符を打つとして、ボトル製造業者との調整を行なっている。