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3Dプリントしたヒト軟骨組織のラットへの移植に成功

Celink製バイオ3Dプリンタ

 スウェーデンのチャルマース工科大学は23日(グリニッジ標準時)、ヒト由来の軟骨細胞を含んだ特殊なゲルを3Dプリンタで出力し、ラットに移植する実験の成功を明らかにした。実験により、移植されたヒト軟骨細胞が正常に増殖することなどが確認された。

 実験はCelink製のバイオ3Dプリンタを用い、ヒトの軟骨細胞を含んだナノセルロースハイドロゲルを出力、ラットに移植することで行なわれた。

 ラットに移植されたヒト細胞が正常に増殖することが確認されたことに加え、血管新生が生じることが確認された点が画期的となる。さらに、ヒト幹細胞を加えることで細胞分裂を促進させるという。

 バイオ3Dプリンタなどを用いる臓器プリンティング一般の課題として、臓器の持つ構造の再現や、組織の維持がある。幹細胞などで特定の細胞を得ることができたとしても、移植用臓器としての機能を持たせるためには臓器の持つ構造や血管系を再現する必要がある。

 同実験はプリントした軟骨組織で血管新生が生じるということで、技術の発展による単純な組織の製造や、将来的に高度な臓器の生成への応用が期待される。