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2億1,500万年前にも隕石衝突で海洋生物が絶滅
~日本の大学が証拠発見
2016年7月11日 14:22
地球の歴史において、巨大隕石の衝突が原因で生物が絶滅した事例は、6,600万年前の「白亜紀/古第3紀境界」についてのみ証拠が見つかっている。しかしこのほど、国内の大学などで構成される研究チームが、2億1,500万年前にも隕石衝突が原因で海洋生物が絶滅した証拠を発見したと発表した。
調査、研究を行なったのは、熊本大学、海洋研究開発機構、高知大学、東京大学、新潟大学、千葉工業大学の研究グループ。これまでの研究で、2億1,500万年前に、アンモナイト、放散虫、コノドントなどの海洋生物が大きな絶滅を経験しており、また同時代に直径3.3~7.8kmという巨大な隕石が地球に衝突した証拠も見つけていた。しかし、2つの事象の因果関係は明白でなかった。
そこで同グループは、岐阜県坂祝町にみられる三畳紀後期のチャートから、大きさ1mm以下の放散虫とコノドント化石を酸処理抽出し、この時代を通じた化石群集の絶滅パターンについて検討。結果、隕石衝突の直後に、非常に高い割合でこれらの化石群集が絶滅していることが分かった。
また、この時代の海洋表層における植物プランクトンの生産量(基礎生産)と、動物プランクトンである放散虫の生産量の変動パターンを詳しく調べた。その結果、食物連鎖の基底をなす基礎生産が、隕石衝突後の数万年間にわたり著しく低下し、それに伴い、放散虫の生産量も低下したことが明らかとなった。そして、基礎生産が衝突以前のレベルに回復したあとも、放散虫の生産量は約30万年にわたり元のレベルには戻ておらず、衝突以前に生息していた古い放散虫群は、ほとんどの種が絶滅したことが分かった。
この研究成果は、7月8日付けのNature系科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
今後同グループは、世界各地の三畳紀後期の地層から隕石衝突によって形成された地層を探索し、当時陸上に生息していたほ乳類型は虫類や恐竜も含めた全球規模での検討を目指す。