GIGABYTE、Intel X79チップセットやLlano向けマザーを展示
GIGABYTEは例年どおり、従来からの展示会場であるホール1にブースを設置 |
会期:5月31日~6月4日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
GIGABYTEは同社ブースにおいて、次期ハイエンドCPUであるSandyBridge-E向けのチップセットとなる「Intel X79 Express」を搭載したマザーボード「GA-X79A-UD3」を展示した。当然ソケットはSandy Bridge-E対応のLGA2011となる。
展示されたGA-X79A-UD3は“UD3”の型番が示すとおり、同社のラインナップとしてはミドルクラスのやや上あたりに位置付けられる製品となる。それでも物理的にはPCI Express x16スロットを5基備えている。ただし実際のインターフェイスはPCI Express x16×2、x8×1、x4×2となっている。PCI Expressスロットの脇には“PCI Express 3.0”のマーキングも見られる。これはSandy Bridge-Eから伸びるビデオカード用PCI ExpressがGen 3になるためである。
SATAインターフェイスの多さも特徴的で、白い6Gbps対応ポートが10ポート、黒い3Gbps対応ポートが4基となっている。このうち6基には“SAS”のマーキングも見られるが、追加チップなどは確認できず、応対してくれたスタッフもチップセット内蔵のコントローラではないかとしている。
VRM部は6フェーズとなっており、このあたりは“UD3”モデルらしい印象を受ける。より上位のモデルでは、さらなる多フェーズVRMもあり得るだろう。
●Llano用のAMD A-75搭載マザーボード、Socket FM1を採用
AMDプラットフォームでは、登場が近いといわれるLlano(開発コードネーム)に対応したデスクトップ用マザーボードが展示されている。
チップセットは「AMD A-75」と呼ばれるもの。この下位モデルもあるというが、現時点ではGIGABYTE製品には採用していないという。ソケットは「Socket FM1」と呼ばれる新しい形状のソケットを採用している。
展示された搭載製品はATXフォームファクターの「GA-A75-UD4H」と、microATXの「GA-A75M-UD2H」の2製品。
両製品ともI/OリアパネルにUSB 3.0を備えているが、これらはチップセット側でサポートされるという(現にUSB 3.0コントローラはボード上に搭載されていない)。PCI Expressは両製品ともPCI Express x16を2基備えているが、内部的にはPCI Express x16×1、x4×1の構成になっている。
またディスプレイ出力はGA-A75-UD4HがDVI、HDMI、DisplayPort、ミニD-Sub15ピン、GA-A75-UD2HがDVI、HDMI、ミニD-Sub15ピンとなるが、DVIはDualLinkをサポート。これによりI/Oリアパネル部とソケット間に従来のマザーより広い回路スペースが必要になっているとしている。GA-A75-UD2HのVRM部を見るとチョークコイルとコンデンサのレイアウトが独特だが、このスペースを確保するための設計なのだという。
SATAポートは両製品とも6基。うち5基は内部接続用、1基をeSATAに割り当てる格好になっている。
デスクトップ向けLlano用ソケットとなるSocket FM1。上下が分離した新しいタイプのCPUクーラーリテンションパーツになっている | AMD A-75を搭載するLlano用マザーボード「GA-A75-UD4H」 | 「GA-A75-UD4H」のI/Oリアパネル部。USBはすべてUSB 3.0対応で、オンボードには2ポート分のヘッダピンも用意されている |
同じくAMD A-75搭載マザーのmicroATX版となる「GA-A75M-UD2H」 | 「GA-A75M-UD2H」のI/Oリアパネル部 |
AMDプラットフォームでは、COMPUTEX会期中に発表されたAMD 9シリーズを搭載した製品も展示。GIGABYTEからはAMD 990FX搭載が4製品、AMD 990X搭載が2製品、AMD 970搭載が2製品、それぞれ予定されているが、日本で提供されるのは、このうちAMD 990FXの上位3モデル、AMD 970の最廉価モデル1製品となっている。なお、国内ではまずAMD 990FXの3製品が先行して発売され、AMD 970搭載製品はやや遅れての登場となる見込みだ。
ちなみに、会場でも全モデルが展示されたわけではなく、一部モデルが展示されるに留まっている。以下、写真で紹介したい。
AMD 970+SB950を搭載する「GA-970A-UD3」。日本でも発売される最廉価モデルのGA-970A-D3に対してIEEE 1394の搭載、電源フェーズ数で優位性ある仕様となっている | GA-970A-UD3のI/Oリアパネル部 |
●Intel Z68はIntel SRT対応のSSDバンドルモデルも提供
今回のCOMPUTEXでもまだまだ新製品の展示が目立つIntel Z68搭載マザーの話題としては、mSATA端子を備える製品の展示がトピックとして挙げられる。これは基本的にはIntel Smart Response Technologyで利用するためのものとして提供されるものだが、ここに接続したSSDを通常のストレージとして利用することもできる。
展示された製品のうち、mSATA端子を備えるのは「GA-Z68XP-UD3-iSSD」、「GA-Z68XP-UD3」、「GA-Z68XP-D3」、「GA-Z68AP-D3」の4製品。このうちGA-Z68XP-UD3-iSSDは、Intelとの協力もありmSATA接続のSSD「Intel SSD 311」がバンドルされる。バンドルされるのはSLC NANDフラッシュを20GB搭載するモデルとなる。
ちなみに、GIGABYTEのIntel Z68マザーの中でも、このmSATAコネクタを備えるのは下位に近いモデルに限定されている。この理由として、上位モデルのユーザーは自身で用意した高速なSSDを使ってIntel SRTを用いるのではないかという判断があるとしている。
このほか、GIGABYTEのIntel Z68搭載マザーは、上位モデルを中心にディスプレイ出力を持たない製品がラインナップされていた。今回COMPUTEXでは、ディスプレイ出力(HDMI)を持った上位モデルが展示されており、順次切り替わっていくものと見られる。型番には“P”が付与されることで現行モデルとの識別が可能だ。
ただし、HDMIを持つ製品の最上位モデルは「GA-Z68XP-UD5」となっており、従来の最上位モデルである「GA-Z68X-UD7」のディスプレイ搭載モデルは展示されていない。
そのUD7の代わりとなる存在が「GA-Z68-Gaming」である。Intel X58を搭載して登場したG1シリーズにデザインが酷似するほか、BigfootのKiller E2100や、CreativeのSoundBlaster X-Fiをオンボード搭載する。G1シリーズのサウス側ヒートシンクとなっていた銃のマガジンをモチーフにしたヒートシンクも“G1 Killer”と書かれたまま同じものが搭載されている。ただ、基板上にはすでに“GA-Z68-Gaming”の文字も見られる。
現状ではまだ試作品に近い状態とのことで、最終仕様やデザインがどうなるかは不明とのことだが、G1シリーズのIntel Z68版ともいえる製品が発売予定であることだけは確かだ。
●ドック側にGeForceを備えるBookTopノートPCの新モデルを展示
このほか、ドッキングステーションに接続することでディスクリートGPUを利用可能になるというコンセプトのBookTop製品「M2432」を展示。このコンセプトは過去にM1405で採用されたのと同じコンセプトだ。
展示機は、CPUがCore i5-2410M、メモリ4GB DDR3、500GB HDDといった仕様。単体で利用している場合は、CPU内蔵のIntel HD Graphicsが利用されるが、ドッキングステーションに接続した場合は、ステーション側に用意されたGeForce GT 440が利用される。液晶ディスプレイは14型で、解像度は1,366×768ドット。THX Live Audioの認定を受けたサウンド機能も売りとしている。
ただし、日本で発売されるかどうかは未定としている。
ドッキングステーションとの接続・解除は、管理アプリケーションのほか、Windows 7で利用可能なガジェットで制御できる | 光学ドライブの代わりに装着可能なセカンドバッテリも提供される |
(2011年 6月 1日)
[Reported by 多和田 新也]