【CEATEC JAPAN 2012レポート】
未発表のWindows 8搭載ノートやIGZO搭載4K2Kディスプレイなどが展示

会場の幕張メッセ

会期:10月2日〜10月6日 開催(2日は特別招待日、6日は無料公開日)
会場:幕張メッセ1〜8ホール
入場料:一般1,000円、学生500円、Web事前登録および6日は無料



 国内最大のIT・エレクトロニクス関連の総合展示会「CEATEC JAPAN 2012」が開幕した。今年はWindows 8の登場を目前に控えていることもあって、国内大手PCメーカーが未発表の製品も含め、Windows 8搭載PCを多数展示している。また、PC関連の周辺機器にも新製品がいくつか見られた。そこでここでは、会場で見かけたPC関連製品について紹介していこう。

●ソニー
スライド型の11.6型フルHDタッチパネル液晶を搭載する「VAIO Duo 11」。液晶部分を引き起こせば、通常のノートPC同等として利用できる

 ソニーブースでは、10月1日に発表されたばかりのWindows 8搭載「VAIO Duo 11」および「VAIO Tap 20」を展示している。

 VAIO Duo 11は、スライド型ボディを採用し、タブレットスタイルとキーボードを利用するノートPCスタイルをシームレスに切り替えて利用できる、Ultrabook準拠のノートPCだ(詳細はこちら)。11.6型フルHDタッチパネル液晶を搭載するとともに、液晶部分の開閉機構が最大の特徴。通常のノートPCの液晶を開くよりも軽い力で開けられ、本体をデスクに置いた状態でも、本体が浮き上がることなく片手で開閉できる。また、液晶を開いた状態で液晶部分がぐらつくこともなく、利用時に不安を感じることもない。実際にブースでは手にとって触れるので、液晶を開閉する時の心地よさを実感してもらいたい。

 VAIO Tap 20は、20型液晶搭載のオールインワンPCだ(詳細はこちら)。背面のスタンドを倒すことで、液晶面を水平にして利用可能となっており、10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載しているため、複数の人が同時にタッチ操作でゲームをプレイするといったことが可能。また、約3.5時間駆動可能なバッテリも内蔵しており、家庭内で好きな場所に持ち運んで利用できる。VAIO Tap 20も実際に触れられる形で展示している。

液晶部分を閉じれば、タブレットスタイルとなる キーボードはアイソレーションタイプ。ストロークはかなり浅い タッチペンが付属し、ペンを利用した細かな入力作業も可能
20型液晶搭載のオールインワンPC「VAIO Tap 20」。バッテリ内蔵で家庭内の好きな場所に持ち運んで利用可能 背面のヒンジを倒すことで、液晶面を水平まで倒して利用できる 液晶面を水平にすれば、2人でタッチ操作の対戦ゲームも快適に楽しめる

●東芝

 東芝ブースでは、未発表のWindows 8搭載PCが展示されている。製品名や詳細な仕様など非公開のままでの展示となっているが、12.5型タッチパネル液晶を搭載するUltrabook準拠のノートPCで、今年8月にドイツで開催された「IFA 2012」において発表された「Satellite U920t」の日本向けモデルと思われる。

 こちらもVAIO Duo 11のように、液晶部分を後方にスライドさせ、手前に引き起こすことで、タブレットスタイルとノートPCスタイルの双方で利用可能。加えて、液晶パネルを水平のままスライドさせた状態でも利用可能となっており、タブレットスタイル、ノートPCスタイル、そしてフラットスタイルの3パターンで利用可能としている。国内未発表の製品ながら、実際にブースで手にとって操作可能な状態で展示されている。

 また、もう1機種未発表のノートPCが展示されている。こちらも製品名や詳細なスペックは非公開だが、4K2K映像信号の出力に対応した「dynabook」としている。4K2K映像信号は、NVIDIA製GPUを利用し、HDMI端子から出力されるという。ブースでは、実際に4K2K対応液晶TV「REGZA」とHDMIケーブルで接続し、dynabookから出力された4K2K映像を表示するデモが行なわれている。今回の展示では、TVとの接続には専用の接続ボックスを利用しているが、製品化される場合には、HDMIケーブルのみで4K2K出力が可能となるそうだ。発売時期は2013年内を予定している。

東芝の未発表Ultrabook。IFA 2012で発表された「Satellite U920t」の日本向けモデルと思われる 液晶部分が後方にスライドさせて引き起こせる独特の構造を採用。タブレットスタ入り、フラットスタイル、ノートPCスタイルと3パターンのスタイルで利用可能 液晶後方には、独特な構造を実現する機構が見える。左右にはノコギリ状のバーが見えるが、開閉機構にはギアを利用しているものと思われる。また、カメラも搭載されるようだ
キーボードはアイソレーションタイプで、タッチパッドはクリックボタン一体型。液晶面にもカメラが搭載されるようだ 4K2K出力に対応するdynabook未発表モデル。NVIDIA製GPUを搭載し、HDMIで4K2K出力が可能という。内蔵液晶の表示解像度は4K2Kではない ブースでは、4K2K対応の液晶TVREGZAと接続し、4K2K出力のデモが行なわれている

8GBのSLC NANDフラッシュメモリチップを搭載するハイブリッドHDD「MQ01ABD100H」。容量は1TB

 東芝ブースでは、HDD関連の展示も行なわれている。1つは、2.5インチHDDにNANDフラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDだ。製品は既に発表済みで、容量750GBの「MQ01ABD075H」と容量1TBの「MQ01ABD100H」がサンプル出荷されているが、ブースでは1TBモデルが展示されている(詳細はこちら)。

 製造プロセス32nmの8GB SLC NANDフラッシュメモリチップを搭載しており、HDDの大容量とSSDの高速性を両立するとしている。ブースでは、東芝製のSSD(128GB)と1TBのハイブリッドHDD、1TBの2.5インチHDDを搭載するPCを並べ、同時に再起動することでハイブリッドHDDの速度を体感できる展示が行なわれている。今回展示されている製品は厚さ9.5mmの2.5インチHDD仕様だが、今後はUltrabookへの対応を見すえて厚さ7mmの製品の投入も検討しているそうだ。製品出荷はなるべく早いうちにとしており、早ければ年内にもこのハイブリッドドライブを搭載するPCが登場するかもしれない。

 また、東芝ブランドの外付けHDD「CANVIO」の新モデルも展示している。厚さ7mmのHDDを利用したスリムタイプ「CANVIA SLIM」、USB 3.0対応で500GB〜1.5TBの容量をラインナップする「CANVIO」、3.5インチHDDを内蔵する「CANVIO DESK」などを展示。これらは、10月から11月にかけて順次発売される(詳細はこちら)。そして、国内未発表の新モデルとして「CANVIO PERSONAL CLOUD」も参考展示している。こちらはLAN接続タイプの外付けHDDで、いわゆるNASとなる。PCやタブレット、スマートフォンなどとの連携はもちろんのこと、ネットワーク対応の液晶TVREGZAとの連携も可能としている。こちらは発売時期などは未定だ。

裏面は通常のHDDと全く同じだが、基板内部にNANDフラッシュメモリチップが搭載されている 左からSSD、ハイブリッドHDD、1TB HDDを搭載しており、手前のボタンを押すと同時に再起動され、起動時間が表示される 7mm厚の2.5インチHDDを内蔵する薄型外付けHDD「CANVIO SLIM」。10月下旬より発売予定
9.5mm厚2.5インチHDDを内蔵する薄型外付けHDD「CANVIO」。500GB、750GB、1TB、1.5GBをラインナップ 3.5インチHDD内蔵の「CANVIO DESK」。PCはもちろん、REGZAなどのUSB HDD対応TVでも利用可能 参考展示されている、ネットワーク対応HDD「CANVIO PERSONAL CLOUD」。発売時期などは未定だが、早い時期に発売したいとしている

●パナソニック
Let'snoteブランド初のUltrabook「Let'snote AX2」。実際に触れられる形で展示されている

 パナソニックは、Let'snoteブランド初のUltrabook「Let'snote AX2」を展示。液晶ヒンジ部分が180度回転する独特な機構を採用しており、通常のクラムシェルスタイルのノートPCとしてだけでなく、タブレットスタイルでも利用可能な点が特徴(詳細はこちら)。

 天板部分にボンネット構造を採用するなどの特徴により、動作時の底面方向76cm落下試験や、非動作時100kgf加圧振動試験をクリアしており、Ultrabook準拠ながらLet'snoteシリーズおなじみの優れた堅牢性を維持。

 また、着脱式バッテリを採用。しかも、内蔵バッテリも搭載し、Ultrabookとして初めて動作中のバッテリ交換を可能としており、複数のバッテリを持ち歩くことで、バッテリ駆動時間を大幅に伸ばすことが可能だ。Ultrabook準拠でありながら、軽量、堅牢性、長時間駆動とLet'snoteのDNAをしっかり受け継いでいる点は大きな魅力といえる。ブースでは実際に手にとって触れる形で展示されている。

天板部分はおなじみのボンネット構造を採用し、Ultrabook準拠の薄型ボディながら優れた堅牢性を実現 液晶面は180度回転するようになっており、タブレットスタイルでも利用可能
このように、ディスプレイスタイルでも利用できる USBバスパワーで動作する超小型プロジェクタ「小型ビューアCF-VMP01JS」も展示している

●富士通

 富士通は、未発表のWindows 8搭載PCを4機種展示している。このうち2機種はタッチパネル搭載、他の2機種はタッチパネル非搭載のPCとなっている。こちらはケースに入れられた状態での展示で、実際に触れることはできない。

 タッチパネル搭載PCは、ピュアタブレット型の製品と、液晶部とキーボード部が分離構造となっているセパレート型の2機種を展示。ピュアタブレット型の製品は、背面に「Arrows Tab」というロゴが見えるものの、OSはWindows RTではなく通常のWindows 8を搭載しており、既存のWindows用ソフトがそのまま動作する。背面及び液晶面にカメラを搭載し、側面にはUSBポートやSDカードスロットなどの存在も確認できる。

 セパレート型の製品は、ピュアタブレット型よりも一回り大きな液晶を搭載。こちらも背面と液晶面双方にカメラを搭載し、背面には指紋認証センサーも確認できる。さらに、横にはデジタイザペンも置かれているため、タッチ操作とデジタイザ双方に対応するタッチパネルを搭載するものと思われる。

 タッチパネル非搭載機の1つは光学式ドライブを内蔵するスリムタイプのノートPCで、「LIFEBOOK SH」シリーズの後継モデルと思われる。液晶サイズは従来同様13.3型のようだが、本体の高さが従来よりも薄くなっているように見える。ただし、Ultrabook準拠ではなく通常のノートPCだそうで、通常電圧版のCPUが搭載されるものと思われる。タッチパッドはクリックボタン一体型となっており、従来横に置かれていた円形のスクロールパッドが省かれている。また、光学式ドライブも従来同様着脱式のように見える。

 もう1機種は、Ultrabook準拠の製品。こちらは、見た目が「LIFEBOOK UH」シリーズとほぼ同等となっており、LIFEBOOK UHのWindows 8搭載モデルと思われる。

 これら4機種は、詳しい仕様や製品名は公開されておらず、ブースでも詳しい説明は一切ない。発売時期なども未定だ。

未発表のWindows 8搭載ノートPC4機種を、ケースに入れた状態で展示 ピュアタブレットスタイルのWindows 8 PC。Windows RTではなくWindows 8搭載で、Windows用ソフトもそのまま動作する。スペックなどは非公開 裏面には「Arrows Tab」のロゴが見える。また、カメラも搭載されるようだ。側面にはUSBコネクタおよびSDカードスロットと思われるフタも見える
液晶部とキーボード部が分離するセパレートタイプのWindows 8 PC。こちらも製品名や仕様は非公開 液晶面にはカメラとWindowsボタンがみえる キーボードはアイソレーションタイプ。タッチパッドには独立したクリックボタンを用意
液晶部裏面には、カメラや指紋認証センサーなどがある デジタイザペンも横に置かれており、タッチパネルはタッチとデジタイザ双方に対応するものと思われる タッチパネル非搭載のWindows 8 PC。本体形状や光学式ドライブの搭載から、LIFEBOOK SHシリーズのWindows 8搭載モデルと思われる。タッチパッド右の円形のスクロールパッドがなくなっている
右側面に光学式ドライブを内蔵。また指紋認証センサーも搭載されるようだ 裏面を見ると、従来のSHシリーズ同様、光学式ドライブは着脱式になっているようだ こちらは、Windows 8搭載のUltrabook。形状からLIFEBOOK UHのWindows 8搭載モデルと思われる

●シャープ

 シャープは、IGZO液晶を搭載するタブレットデバイスのコンセプトモデルや、IGZO液晶採用のPC向け4K2Kディスプレイを参考展示している。

 タブレットデバイスは、2,560×1,440ドット表示対応の13.3型IGZO液晶搭載タブレット、2,560×1,600ドット表示対応の10.1型IGZO液晶搭載タブレット、1,280×800ドット表示対応の7型IGZO液晶搭載タブレットの3モデルを展示。13.3型および10.1型モデルは、一般的なAndroidタブレットに近い形状なのに対し、7型モデルは電子書籍端末に近い形状となっている。7型IGZO液晶の精細さは既存の7型タブレットと同等だが、13.3型と10.1型は非常に高精細で、まるで印刷されているものを見ているかのようだ。

 これらは、今後のタブレットデバイスの可能性を示すための展示ということのようだが、タブレットデバイスやノートPCで広く採用されているサイズであり、今後この高精細IGZO液晶を搭載するタブレットデバイスやノートPCの登場も十分期待できそうだ。

 また、PC向けのIGZO液晶搭載4K2Kディスプレイも参考展示している。3,840×2,160ドット表示対応の32型IGZOパネルを採用するディスプレイで、タッチパネル搭載のものとタッチパネル非搭載のものを展示している。非常に広大なデスクトップ領域が確保でき、映像の表示はもちろんのこと、1つのディスプレイも複数のソフトを同時に表示させて余裕で利用できる。タッチパネル搭載モデルは、静電容量方式パネルを搭載しており、Windows 8にも対応するとしている。これらディスプレイは、参考展示ではあるものの、実際に販売する方向で検討中だそうだ。それも、業務用としてだけでなく、一般ユーザー向けへの販売も検討しており、その場合でも十分手の届く価格での販売を検討しているという。

13.3型IGZO液晶搭載タブレットのコンセプトモデル。解像度は2,560×1,440ドットと非常に高精細 表示される映像は、ドットが全く識別できず、まるで印刷物のようだ 10.1型IGZO液晶搭載タブレットのコンセプトモデル。解像度は2,560×1,600ドットと13.3型よりも高精細だ
7型IGZO液晶搭載のタブレットデバイスコンセプトモデル。表示解像度は1,280×800ドットと、こちらは標準的 3,840×2,160ドット表示対応の32型IGZOパネルを採用するPC用ディスプレイも参考展示。業務用だけでなく一般ユーザー向けとしても販売を予定しているそうだ 入力端子は右側のカバー内にある。一般的なPC用ディスプレイと同等の入力端子を備えるそうだ
Excelのスプレッドシートを表示している様子。非常に広大な領域を一度に表示可能だ こちらは静電容量方式のタッチパネルを搭載するモデル。Windows 8にも対応するそうだ

●TDK

 TDKは、熱アシスト方式と呼ばれる記録方式を採用した2.5インチHDDの実動モデルを展示している。

 HDDの記憶ディスクは、密度が高まるとともに周囲の熱によって記録した磁気データが失われてしまう「熱揺らぎ」という問題が発生してくる。熱揺らぎの問題を解消するには、磁性体の保磁力を高めればいいが、保磁力を高めると通常の磁気ヘッドでデータを書き込めなくなってしまう。しかし、保持力の高い磁性体でも、温度が高くなれば保磁力が下がる。そこで、保磁力の高い磁性体を利用しつつ、局所的に温度を高めることで通常通りデータを書き込めるようにした記録方式が熱アシスト方式というものだ。

 TDKは、数十nmという狭い領域にレーザー光を照射できる近接場光発生素子を独自に開発し、それを組み込んだ熱アシスト方式のヘッドを開発。今回、その実機を展示している。

 展示しているHDDは、ヘッドが見えるように透明の窓がつけられた特殊なもので、カメラによって撮影された映像で、記録時にレーザーが照射されている様子が確認できる。このHDDの容量やアクセス速度などは公開されていないものの、理論的には熱アシスト記録方式を採用することで記録密度を現行の2倍に高められ、2.5インチのディスク1枚で1TBの容量を実現することも十分に可能という。そのため、厚さが7mmや5mmの薄型HDDでも、1TBを実現できる。また、レーザーを利用するとはいえ、出力は非常に弱いため、消費電力も一般的なHDDとほぼ同等になるという。

 今回展示されているものはあくまでも参考展示で、実際に熱アシスト記録方式を採用するHDDが製品として登場するのは2015年頃を目標としているそうだ。

熱アシスト記録方式採用のHDD実働モデル。東芝との共同開発だそうだ 近接場光発生素子を独自に開発し、HDDのヘッドに組み込むことで実現している 実際に開発された、レーザー搭載型熱アシストヘッド
熱アシスト磁気ヘッドを利用することで、1.5Tbit/平方インチと非常に高い記録密度を実現。理論的には、通常のHDDの2倍の記録密度も実現可能だそうだ デモでは、実際に熱アシスト磁気ヘッドが動作する様子を見られる 肉眼では見えないが、特殊なカメラを通すと、動作時にレーザーが照射されていることがわかる

(2012年 10月 3日)

[Reported by 平澤 寿康]