【COMPUTEX 2012】【東芝詳報編】液晶分離型などWindows RT端末を世界初公開

檜山太郎氏

会期:6月5日〜6月9日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 東芝は、COMPUTEX 2012に合わせ、日本の報道陣向けに説明会を開催。グローバルでの2012年Ultrabook製品計画とともに、Windows RT搭載機の実機も披露した。東芝のWindows RT機は、ワールドワイドで初公開となる。

 同社は早くからUltrabook事業に取り組んでおり、第1弾の「dynabook R631」は2011年の11月に発表した。同製品は、当時13.3型で世界最薄/最軽量を実現した意欲作だった。今回のCOMPUTEXでは同社はブースこそ構えていないものの、Intelの記者会見で紹介されたのは、液晶のアスペクト比が21:9という特殊な比率の「Satellite U840W」、液晶がスライド式のコンバーチブル型という、これまた他に例のないUltrabookだった。

 今回の説明会では、東芝デジタルプロダクツ&サービス社営業統括責任者の檜山太郎氏がこれらを含んだグローバルでのUltrabookの事業計画を説明した。

 東芝デジタルプロダクツ&サービス社というのは、それまで別々の事業グループに分かれていたPC部門とTV部門を統合する形で2011年4月に立ち上げられた。この事業統合の背景の1つには、近年のARM系端末の台頭があったという。

 それまでPCやTV、そして携帯電話の製造過程や、顧客は別だった。しかし、ARM系プロセッサの性能が著しく向上したことで、それまでPCやTVでないと楽しめなかったコンテンツもスマートフォンやタブレットで扱えるようになり、それと同時にPCやTVの中にもそれらのSoCやOSなどが進出していくようになった。

東芝のデジタルプロダクツの戦略

 そういったことから東芝は、4型前後のスマートフォンから、13型前後のノートPC、50型前後の液晶TV、果ては80型のデジタルサイネージまで1社で横断的に扱うよう舵を取ることで、製造効率の改善を狙った。

 またこの統合には、幅広い製品を活用して、さまざまな用途提案することで、変化が早く、かつ多様化する顧客のライフスタイルに見合ったものを提供しようという意図もある。1種類の製品ですべての状況に対応できる時代は終わり、場所や環境によって1人のユーザーでも使うデバイスが変わるようになってきている。東芝デジタルプロダクツ&サービス社では、確実なヒットが見込めなくても、とりあえず新しいジャンルの製品を打ち出してみて、市場の反応をみながら開拓していこうというのが同グループの戦略のようだ。

 もちろん、闇雲に製品を出すのではなく、機器間で連携をとり、独自のクラウドサービスを活用することで、ユーザーがどこでどの端末を使っても同じコンテンツ/サービスにアクセスできるのを強みとする。たとえば、すでに実現されているように、レコーダーで録画した番組を、TVだけでなく、PCやタブレットからでも視聴できるといった具合だ。

 こういった事情を踏まえ、同社ではUltrabookだけでも2012年に4つの異なる性格の製品を投入する。なお、ここでの製品の話は、グローバルレベルでの予定であり、米国ベースで製品発表が行なわれたSatellite U840Wを除いては、具体的な発売時期や、価格、仕様などは明らかになっていない。

 内訳は、13.3型、14型、14.4型シネマサイズ、サイズ非公開のコンバーチブル型。13.3型は現行のdynabook R631をベースに、プラットフォームをSandy BridgeからIvy Bridgeへと変更するもの。14型はグローバルスタンダードモデルと位置づけられており、ビジネスユーザーも視野に入れた製品のようだ。

Ultrabookというジャンルも利用シーンに合わせた多様化が進む 東芝では2012年中に4機種を投入

 14.4型シネマサイズのSatellite U840Wは、1,792×768ドットというこれまでにない解像度が特徴の製品。この解像度は21:9の比率で、映画のシネマスコープとほぼ同じ。もちろん、映画などのコンテンツ視聴を主用途に想定しており、横長の形状を活かし、キーボードの左右にharman/kardonのスピーカーを内蔵する。

 せっかく映像志向の製品なのだから、より高解像度を望む声もあるだろう。実際、本製品の開発に当たっては、チームの中でもいろいろと議論があったそうだが、製造やコストの効率から、この仕様に決定したという。ただし、現在でもより高解像度のものの製品化は検討されているそうだ。

 厚さはUltrabookなので21mm以下ということしか分からないが、幅は368mm、奥行きは200mmとなっている。筐体の素材はアルミニウム。このほか公開されている仕様は、ストレージがSSD 256GBかフラッシュストレージ32GB+HDD 500GBで、キーボードバックライト、USB 3.0×3、HDMI出力、Ethernet、音声入出力などを搭載し、価格は999ドルより。

Satellite U840W。一目見て横長なのが分かる 天板 左側面。USB 3.0×2とEthernet
正面。SDカードリーダ 右側面。USB 3.0とHDMI出力 背面
キーボード。両脇にスピーカー 底面

 コンバーチブル型は、Windows 8を見据えた製品で、登場時期もWindows 8発売のタイミングとなる。同社では本製品の位置づけとして、基本的にはノートPCスタイルでドキュメントやコンテンツの作成に使い、屋外や電車の中などでも、タブレットスタイルで引き続き作業を行なうようなビジネスマン向けを想定している。

 サイズは非公開だが、目測では13型程度に見える。スペックも非公開だが、展示機にはCore i7のステッカーが貼られていた。インターフェイスはUSB 2.0、USB 3.0、HDMIが側面にあり、液晶をタブレットスタイルから少しだけずらすと、背面カメラが覗くようになっている。

コンバーチブル型Ultrabook このように液晶をスライドさせて 立てるとノートスタイルになる
右側面 左側面 底面。タブレット状態で使うことも考慮してか、ここにロゴがある
液晶の背面にはカメラを装備 キーボード インターフェイスは下面にUSB 2.0とHDMI出力
右側面にUSB 3.0、電源ボタン、音量ボタン、回転ロックスイッチ 左側面。カバーの中のインターフェイスは未確認 上面

 また、今回、Windows RT搭載機2機種を開発中であることが明かされ、その実機も公開された。1つはノートPCのようなクラムシェル型で、もう1つは液晶とキーボードが分離するタブレット型だ。

 Windows RT機については、電源を入れることが許可されなかったものの、今回の展示機はモックアップではなく、実動サンプルだ。スペックはSoCのメーカー含め全くと言って良いほど非公開だが、タブレット型にはNFCのロゴが確認できた。

 Windows 8/RT時代の製品の棲み分けとして同社は、x86機(Windows 8)がコンテンツの作成や重い処理向けで、ARM系(Windows RT)がコンテンツの消費用と位置づけているが、これはあくまでも大まかな区分。実際、ARM系SoCも、1.5GHzという周波数やクアッドコア化などで性能が伸びてきており、実際OSの挙動に関して、ARM機の方がx86機よりも反応性が良いこともあるという。

 前述の通り、これらの製品計画は北米および欧州を中心としたグローバルなものだが、基本的に日本での発売に関してもその方向で検討しているとのことだ。

Windows RTのクラムシェル型 天板 キーボード
左側面にUSB 2.0 右側面にSDカードスロット、USB 2.0、HDMI出力 正面
背面 裏面 こちらはタブレット型。カメラとその左手にNFCのアイコンが見える
一見クラムシェル型だが このように液晶が分離 サイズは10型前後。持った感じの重量は結構軽めだった
キーボード 左側面。液晶には音量ボタン、回転ロックスイッチ、電源ボタン。キーボードにはSDカードスロット 右側面。液晶には、micro HDMI、microSDカードスロットともう1つ不明なコネクタ。キーボードには、USB 2.0×2とSIMスロットらしきもの
正面 背面 裏面

(2012年 6月 8日)

[Reported by 若杉 紀彦]