【CES 2010】【Digital Experience編】NVIDIAが新GeForce「GF100」を初公開
~富士通の新UMPCやHPのタッチ対応ノートなども

Digital Experienceの会場

会期:1月7日~10日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center/The Venetian



 5日に開かれたUnveiledに続き、6日にもCES参加企業が集まり事前に製品披露を行なうDigital ExperienceがMirageホテルにて開催された。PC本体の展示も少なくなかったが、時間の関係で、ここでは概要を紹介し、注目機種の細かな仕様などは、ブースレポートでお伝えする予定だ。

 Digital ExperienceはUnveiledより会場が広く、出展企業もより大手が目立つ。そんな中で、PC Watch読者にとってもっとも興味を引くであろう話題は、NVIDIAによる次期GeForceの展示とデモだろう。

 この製品は先だって発表された新Teslaで採用されるFermiアーキテクチャを使った、コンシューマ向けビデオカード。まだ、正式発表ではないので、製品名は明らかにされておらず、コードネーム「GF100」の名で呼ばれている。この製品が一般に公開されるのはこれが初。

 スペックについても、全ての質問に対してノーコメントの答えが返ってくるのみだった。しかしながら、「このカードは世界最速になるのか?」という問いに対しては、「それは確実だ」との答えが返ってきた。出荷時期は2010年第1四半期の予定。

 また、DirectX 11に対応することもすでに明らかになっているが、デモとして同APIに対応する「Unigine Heaven Benchmark」が動かされていた。説明員によると、DirectX 11で新たにサポートされるテッセレーションについても、競合より高い性能を発揮するという。

 そのほかカードの外観から分かる情報としては、厚みは2スロット分で、電源は8ピン+6ピン構成。SLIコネクタも装備する。

GF100のデモ機の内部カード上には「GeForce」のロゴ電源は8ピン+6ピン
若干しか見えないがカード表面SLIコネクタも装備Unigine Heaven Benchmarkのデモ。これはテッセレーションオフ
オンにすると目に見えてポリゴン数が増える別のシーンだが、こちらはオフオンにすると首もとの突起などがより立体的になっているのが分かる

Unigine Heaven Benchmarkデモの動画

 また、NVIDIAは、そうであるとは明言しなかったが、組み込み向けSoCである「Tegra」の新バージョンを搭載した小型端末も展示していた。このチップについては7日に説明会が予定されている。

新Tegra搭載機のプロトタイプ厚さは2cm程度。1080pの動画再生も可能

 PC系の展示としてはFujitsuが、5.6型のマルチタッチ対応液晶を搭載した超小型PC「LifeBook UH900」(以下、UH900)を展示した。同社の5.6型液晶搭載機としては国内では「LOOX U」がある。UH900の細かな仕様は明らかにされていないが、新Atomではなく、旧Atomを採用しているということで、おおまかなハードウェアの仕様はLOOX Uと共通と見られる。

 ただし、外観は大きく変わり、キーボードがだいぶ標準配列に近くなった(それでもTabキーの下にQキーがあったりする)。それに合わせ、本体の形状も横に長くなった。USBやSDカードスロットなど各種ポート類が全て本体の手前に来ているのも、良い悪いは別として特徴的である。OSはWindows 7 Starterで、液晶もマルチタッチへの対応が図られている。本体重量は500g以下。

LifeBook UH900インターフェイスは前面に集中するLOOX U同様オプション天板も用意

 Hewlett-Packard(HP)は、Atom N450を搭載したネットブック「HP Mini 210」と、TouchSmartブランドを冠するノートPC「HP TouchSmart tm2」などを展示した。

【お詫びと訂正】初出時にtm2が初めてのTouchSmartブランドノートとしておりましたが、すでにtx2などの製品ありました。お詫びして訂正させていただきます。

 HP Mini 210は、現地時間の4日に量販店で販売されているのを見かけ、先日購入レポートもお届けしたが、本当の発表日は現地時間の6日だ。すでにレビューしているので、製品詳細は関連記事を参照して欲しい。

 同社はこれまでもタブレットPCを出しているが、HP TouchSmart tm2は、コンシューマをターゲットとしたタブレット機だ。デスクトップのTouchSmartは光学式タッチセンサーを採用しているが、こちらでは静電容量式センサーを採用し、指とペン、いずれでも操作ができる。このほか、CPUはCore 2 Duoで、ATI Mobility Radeonを搭載する。

HP Mini 210HP TouchSmart tm2マルチタッチ対応でペン操作も可能

 ToshibaもAtom N450を採用したネットブック「NB305」を展示。アイソレーションタイプのキーを採用するキーボード面のデザインは、現行の「dynabook UX」とほぼ同じだが、天板部分は丸みを帯びた新筐体。また、海外モデルだからかは分からないが、天板ロゴは「dynabook」ではなく「TOSHIBA」になっている。このほか、同社はmSATAコネクタおよび32nmプロセス採用したSSDも展示している。

 このほか、SeagateのExpressCard型インターフェイスがセットになったUSB 3.0ポータブルHDD、CyberLinkによるNVIDIA 3D Visionを使った3D Blu-rayビデオをデモしていた。

ToshibaのNB305dynabook UXから天板部のデザインが変わっている32nmプロセスでmSATAインターフェイスを採用したSSD
SeagateのUSB 3.0対応外付けHDD「Black Armor PS110」ExpressCard型インターフェイスがセットCyberLinkは3D Visionを使って3D Blu-rayをデモ

(2010年 1月 7日)

[Reported by 若杉 紀彦]