イベントレポート

Acer、Always Connected PC構想のLTEモデム内蔵「Swift 7」の開発意向を表明

~Swift 5、Spin 5の新製品も発表される

Acer 社長 兼 CEOのジェンソン・チャン氏(左)がSwift 7をチラ見せ

 Acerは、ドイツ連邦共和国ベルリン市で9月1日(現地時間)からはじまる世界最大の家電ショーIFAの開催に先立ち、8月30日(同)の記者会見で最新製品を発表した。

 このなかで、開発中の「Swift 7」のチラ見せや、クラムシェル「Swift 5」、2in1「Spin 5」のお披露目を行なった。

Always Connected PC構想に対応したLTE内蔵Swift 7の開発意向表明

 記者会見に登壇したAcer社長兼CEOであるジェイソン・チャン氏は「我々はこれまでもさまざまな限界を打ち破ってきた。次は薄型ノートPCの限界に取り組んでいきたい」と述べ、9mm以下という薄さを実現したクラムシェルノート「Swift 7」の存在を明らかにした。

 チャン氏によればSwift 7は第8世代Coreプロセッサを搭載しており、これまでのSwiftシリーズも、タッチパネルを搭載しない純粋なクラムシェル型ノートPCとなってきたので、おそらく同様の製品になると考えられる。

1cm以下に挑戦
0.9cm=9mm以下を実現
確かに薄そうな「Swift 7」

 ただ、今回はSwift 7の製品発表ではなく、いわゆる開発意向表明だ。Acerの関係者によれば、Swift 7は来年(2018年)に正式発表される製品になるという。このため、それ以上の詳細は明らかにされなかった。

 チャン氏は「Swift 7はLTEモデムを搭載しており、インターネットへの常時接続を実現している。これを実現するために、IntelのLTEモデムを採用した」と述べており、Swift 7ではMicrosoftがCOMPUTEX TAIPEI 2017で発表したAlways Connected PC構想に対応していることを明かしている(Microsoft、国内/海外でも常時接続を実現するeSIMをWindowsに実装参照)。

 なお、Always Connected PC構想のモデムパートナーは、IntelとQualcommの2社となっている。

 その上で、Intel 副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 モビリティクライアントプラットフォーム 事業部長のクリス・ウォーカー氏を壇上に呼び、Always Connected PC構想への期待感や第8世代Coreプロセッサの特徴などを説明した。

 Always Connected PC構想に対応したPCが、開発意向表明も含めて公表されるのは、今回が初めてで、今後サービスインに向けて各社の取り組みが本格的に進んでいくことになりそうだ。

LTEに対応
Intel 副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 モビリティクライアントプラットフォーム 事業部長 クリス・ウォーカー氏
第8世代Coreプロセッサの優位点を説明

第8世代Coreプロセッサを搭載した薄型ノートPCのSwift 5と2in1デバイスのSpin 5が発表

 また、Swiftシリーズの薄型クラムシェルノート「Swift 5」と、パネル回転型の2in1「Spin 5」の2製品も発表した。

 クラムシェル型のSwift 5は、薄さ14.9mmとなっており、第8世代Coreプロセッサ(Core i7-8550U/Core i5-8250U)を搭載。メモリは16GB/8GB(オンボード)、512GB/256GBのSSD(PCIeまたはSATA)というスペックになっている。

 ディスプレイは14型フルHD(1,920×1,080ドット)で、Core i7-8550Uを搭載したモデルではタッチ操作に対応。重量は0.97kgと比較的軽量で、バッテリで最長8時間駆動が可能だ。

14型クラムシェルノート「Swift 5」
本体の左側面
本体の右側面
システムのプロパティ
デバイスマネージャーの表示
【表1】Swift 5のスペック
Swift 5(SF514-52T)
CPUCore i7-8550U(1.8GHz、4コア)/Core i5-8250U(1.6GHz、4コア)
GPUIntel UHD Graphics 620
メモリ16GB/8GB LPDDR3
ストレージ512GB/256GB SSD(PCIe Gen3 8GbpsまたはSATA 6Gbps)
ディスプレイ14型フルHD(1,920×1,080) IPS液晶 ※Core i7-8550Uモデルはタッチ操作対応
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)329×228×14.9mm
重量0.97kg
バッテリ駆動時間最大8時間
Wi-FiIEEE 802.11ac(2x2 MIMO)
前面カメラHD
OSWindows 10 Home 64-bit

 一方、2in1のSpin 5は、13.3型と15.6型の2種類を用意し、回転型ディスプレイを備える。CPUは第8世代CoreプロセッサでCore i7-8550UないしはCore i5-8250Uを搭載している。

 GPUは内蔵のIntel UHD Graphics 620のほかに、一部モデルではGeForce GTX 1050を搭載する。メモリは8GBないしは16GBで、ストレージは512GBまでのSATA SSDか、2TBまでのHDD。重量は15.6型モデルが2~2.4kg、13.3型が1.5kgとなっている。

Spin 5。左が15.6型で、右が13.3型
本体の左側面
本体の右側面
システムのプロパティ
デバイスマネージャーの表示
【表2】Spin 5のスペック
Spin 5(SP515-51N/SP515-51GN/SP513-52N)
CPUCore i7-8550U(同)/Core i5-8250U(同)
GPUIntel UHD Graphics 620/GeForce GTX 1050(SP515-51GNのみ)
メモリ8/16GB DDR4
ストレージ256/512GB(SATA SSD)、1TB/2TB(HDD)
ディスプレイ15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)/13.3型フルHD
本体サイズ(同)15.6型: 381.5×258.1×17.9mm、13.3型: 324.4×226×15.9mm
重量SP515-51N: 2kg 、SP515-51GN: 2.2kg、SP513-52N: 1.5kg
バッテリ駆動時間15.6型: 最長10時間、13.3型: 最長13時間
Wi-Fi2x2 802.11ac(MU-MIMO対応)
カメラ前面HD
OSWindows 10 Home 64bit/Windows 10 Pro 64bit(オプション)

 Acerによれば、Swift 5は北米では12月から販売開始予定で、市場想定価格は999ドル(1ドル=110円換算で、108,900円)、Spin 5は北米で9月販売開始予定で、799ドル(同、87,890円)となる。日本での販売は未定とのことだ。