イベントレポート

Acer、18コアのCore i9 XE/128GBメモリ搭載可能で”モバイル”もできるゲーミングPC

~第8世代Core搭載で5.97mm厚の液晶を採用した液晶一体型PCも

Predator Orion 9000の特徴

 Acerは、IFAで複数の新製品を発表している。モバイル製品に関しては「Acer、4コアCPUとGeForce MX150搭載でファンレスを実現した13.5型2in1「Switch 7 Black Edition」、「Acer、Always Connected PC構想のLTEモデム内蔵「Swift 7」の開発意向を表明」という別記事でお伝えしたが、それ以外にもゲーミングPC、液晶一体型PCなどを発表している。

18コアのCore i9 XEを搭載したゲーミングデスクトップPC「Predator Orion 9000」

 「Predator Orion 9000」は、CPUに18コア/36スレットのIntel Core i9 Extreme Edition(Core i9-7980XE)を搭載したデスクトップPCで、8つのDIMMソケットを利用して最大で128GBまでメモリを増設できる。

 ストレージは、2つの3.5インチベイ、4つの2.5インチベイが用意されており、それぞれ4TBの3.5インチSATA HDDと3TBの2.5インチSATA HDDを利用できる。またオンボードのM.2ソケットに2つまでの512GBのNVMe SSDを装着することができ、購入時にスペックを選択できる。

CPUは18コア/36スレットのIntel Core i9 Extreme Edition
4ウェイのRADEON RX Vega 64に対応
ICETUNNEL 2.0のエアフローに対応
シースルーカバーでもEMIに対応
1670万色のRGB LEDを搭載

 ターゲットになるのはハイエンドゲーマーで、GPUに関してはAMD RADEON RX Vega 64を最大4枚あるいはNVIDIA GeForce GTX 1080 Tiを最大2枚搭載できる。

 あわせてクーリング構造に工夫がされており、同社がICETUNNEL 2.0と呼んでいる前面に用意されている2つのファンで吸気し、それをGPUなどに吹き付けて、背面から排気することで効率の良い廃熱が可能になっているとAcerでは説明している。

 側面はメッシュの入った透明なパネルになっており、内部がシースルーになっているが、EMI(電磁妨害)対策が施されており、ほかの民生機には影響がないような設計になっている。自作PCではきちんとしたEMI対策ができないこともあり、その点が自作PCとの大きな差だとAcerは説明している。

 内部にあるLEDは1,670万色のRGB対応で、ソフトウェアで自由に色を変更できる。本体の後部には車輪がついており、エイサーのジェーソン・チャン社長は「モバイル」も可能と表現している。

Predator Orion 9000
背面側には車輪がついている
カバーを開けたところ、CPUは水冷

 ゲーミングPC用液晶ディスプレイとして「Predator X35」も発表した。35型QHD(3,440×1,440ドット)のワイド液晶で、200Hz表示、NVIDIA G-SYNC、HDRにも対応し、応答速度は4ms。入力インターフェイスはHDMI 2.0×1、DisplayPort 1.4×1が用意されている。

Acer Predator X35

 また、Acerは新たにPredatorブランドのPCゲーミング用周辺機器に参入することも明らかにした。最初の製品は、Predator Galea 500(PHW730)と呼ばれるゲーミングヘッドセットでUSBでPCと接続し、バーチャル7.1チャネルサラウンドなどに対応している。

Predator Galea 500

 Predator Orion 9000は、北米では市場想定価格1,999ドル(1ドル=110円換算で、219,890円)で12月により販売予定。

 Predator X35は価格未定で、2018年の第1四半期に販売開始予定。

 Predator Galea 500は北米で11月より販売開始予定で、市場想定価格は299ドル(同、32,890円)となる。

 いずれの製品も日本での発売や価格などは未定とのことだった。

第8世代Coreプロセッサを搭載した液晶一体型PCのAspire S24

 「Aspire S24」は、第8世代Coreプロセッサを採用した液晶一体型PC。最大の特徴は、液晶部分が5.97mmと薄くなっており、かつ額縁が狭い狭額縁のデザインになっており、非常にスタイリッシュなデザインになっていることが大きな特徴となっている。液晶のサイズは23.8型、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)でIPSパネルが採用されている。

Aspire S24の特徴

 PCの本体はスタンド部分に格納されている。CPUはCore i7-8550U/Core i5-8250Uで、メモリは最大32GB、GPUは内蔵のIntel UHD Graphics 620となっている。ストレージは、2.5型SATA HDD/M.2のSSDから選択可能で、HDDなら最大2TB、SSDなら最大256GBを選択可能。Intel Optane Memoryも搭載可能。

狭額縁と厚さが5.97mmという薄さが特徴のディスプレイ
裏面
台座部分の背面
展示機のCPUはCore i5-8250Uだった
デバイスマネージャ表示
付属のキーボードとマウス

 ユニークなのは台座部分に、Qi(最大15W)のワイヤレス充電パッドが統合されていることで、対応携帯電話を置くだけで充電できる。

台座部分にQiのワイヤレス充電パッドが統合

 Aspire S24は11月から欧州で、北米では2018年1月から提供予定で、北米での市場想定価格は999ドル(1ドル=110円換算で、109,890円)。日本での発売や価格に関しては未定。

360度を録画できるドライブレコーダVision 360も発表

 このほか同社は、2つの新しいデバイスを紹介した。

 1つはVision 360というドライブレコーダー。表から見るかぎりは、単なるドライブレコーダーにしか見えないのだが、裏側にもカメラ(600万画素)が用意されており、後方も撮影できるようになっている。

 両方のカメラを合わせて使うと360度全方位の映像を4Kで撮影できる。GPSも内蔵されており、事故などが発生したときに、場所も同時に記録されるようになっている。

Vision 360の特徴
Vision 360

 このため、LTEモデムも内蔵しており、追突されたときに自動でクラウドへアップロードするなどの使い方もできる。LTEモデムも含めて機能そのものはSnapdragon 625により実現されており、動画は16GBの内蔵ストレージに保存することができ、microSDカードスロットも備える。Micro USBポートも用意されている。

Xtro 360
360度撮影可能なカメラを備えている。今回はチラ見せのみで正式発表はなかった

 なお、価格や発売時期などは明らかにされておらず、追って発表されるとのことだった。