イベントレポート
Microsoft、 Windows HolographicをPC向けのWindows 10で有効に
~RS2ないしはRS3で対応か
2016年8月17日 12:00
Microsoft Windows/デバイス事業部担当 上級副社長 テリー・マイヤーソン氏は、Intel Developer Forum(IDF)におけるIntel CEO ブライアン・クルザニッチ氏の講演にゲストとして登場し、同社が6月に発表した「Windows Holographic」を、メインストリームPC向けの機能としても提供していくことを明らかにした。
講演後に公開された同氏のブログによれば、2017年に提供される予定のアップデートで、Windows 10の新機能としてWindows HolographicをPCで利用することが可能になるという。
また、Microsoftは同基調講演において、Intelが発表したProject Alloyの開発でも、Intelと協力していくことを明らかにした。
Windows HolographicはPCとHMDで動作する、詳細なスペックは12月のWinHECで公開
Microsoftは6月に行なわれたCOMPUTEX TAIPEIにおいて、同社がMR(Mixed Reality)と呼んでいる、VRとAR向けのソフトウェアのプラットフォームとなるWindows Holographicを発表した(別記事参照)。Windows Holographicは、従来Microsoftのファーストパーティ(自社ブランド)製品となるHoloLensのみ利用が許されていたUWPベースのVR/ARのソフトウェア環境を、サードパーティ製品に公開する仕組みのことだ。このWindows Holographicに対応することで、OEMメーカーが、HoloLens用に開発されたUWPアプリなどを自社製品に利用できる。
発表当時、どのような製品が具体的に登場するのか明らかにされていなかったが、今回のIDFにおいて初めて、その具体的な計画が明らかになった。マイヤーソン氏は「Intelとの協力によりWindows Holographicの機能は、PCとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で利用できるようになる。また、スペックは12月に中国・深センで行なうWinHECで明らかにする予定だ」と述べ、Windows HolographicがPCと、今回Intelが発表したProject AlloyのようなHMDで動くことを明らかにした。
Windows Holographicはメインストリーム向けPCでも利用可能になる見通し
マイヤーソン氏によれば、そうしたWindows HolographicのPCへの提供予定は来年(2017年)だとし、ハイエンドのPCだけでなく、メインストリーム向けのPCでも動作すると説明した。具体例として、Intelのゲーミング向けNUCのSkull Canyonでも動作する。Skull Canyonは、第6世代Coreプロセッサを搭載した小型PCで、Iris Pro Graphics 580という、シリーズ中もっとも高性能な内蔵GPUを搭載しているのが特徴。このように、ディスクリートGPUがないシステムでもWindows Holographicが利用できるというのは、ユーザーにとっては嬉しいニュースだと言える。
なお、基調講演では明らかにされなかったが、マイヤーソン氏のブログでは来年提供されるWindows 10のアップデート(2017年にはRS2、RS3という2つのアップデートが予定されているが、どちらに該当するのかは不明)において、Windows Holographicの機能を提供すると説明した。それによれば、アップデートによりWindows Holographicのシェル、UWPアプリなどが利用可能になるという。なお前述のSkull Canyonを利用した場合、90fpsで表示できるとされており、ブログではそのビデオが公開されている。
このように、MicrosoftがIntelとの協業を明らかにしたことで、PCメーカーなどによるWindows Holographicの取り組みが今後加速していくことになりそうだ。