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IDC、急激な成長鈍化を見せるタブレットに対して躍進するスマホ
~タブレットは4期連続出荷台数減、スマホは前年同期比6.8%増の3億5,520万台
(2015/10/30 17:47)
市場調査会社の米International Data Corporation(IDC)は28日および29日(現地時間)、2015年第3四半期におけるワールドワイドのタブレット出荷台数とスマートフォン出荷台数の調査結果を報告した。
これによるとタブレット製品の成長は著しい鈍化傾向にあり、4期連続で出荷台数が落ちている。2015年第3四半期におけるタブレットの出荷台数は4,870万台で前年同期比12.6%減。なお、2014年度のタブレット総出荷台数は5億8,190万台で、2013年から36%増の成長を見せていたものの、ここに来て大きくとブレーキがかかった格好だ。
IDCはこれらの要因について、スマートフォンの大型化と高機能化でタブレット自体の役割が減ったためと分析しており、今後タブレットはキーボード着脱式がシェアを伸ばしていくだろうという見解を示す。現状の着脱式タブレットは全体でほんの数%しかシェアを持っていないようだが、IDCはこの18カ月間で劇的にシェアを伸ばすだろうと予測している。
タブレットを販売している上位5社の販売台数と市場シェアは下表の通り。Appleが前年同期と同じくシェア1位となっているが、出荷台数は240万台減でシェアは1.8%減と低調。SamsungやASUSといったメジャーなメーカーもシェアを落としている中で、Huaweiが110万台の出荷増で、前年同期から市場シェアを2.4%伸ばしている。そして前年比の成長率が147.9%と上位5社の中で唯一驚異的な成長を見せている。
販売会社 | 2015年第3四半期出荷台数(百万台) | 2015年第3四半期シェア | 2014年第3四半期出荷台数(百万台) | 2014年第3四半期シェア | 前年比成長率 |
---|---|---|---|---|---|
Apple | 9.9 | 20.3% | 12.3 | 22.1% | -19.7% |
Samsung | 8 | 16.5% | 9.7 | 17.4% | -17.1% |
Lenovo | 3.1 | 6.3% | 3.1 | 5.5% | 0.9% |
ASUS | 1.9 | 4% | 3.4 | 6.1% | -43.4% |
Huawei | 1.8 | 3.7% | 0.7 | 1.3% | 147.9% |
その他 | 23.9 | 49.1% | 26.4 | 47.5% | -9.6% |
合計 | 48.7 | 100% | 55.7 | 100% | -12.6% |
一方、スマートフォン市場については前述のIDCの分析の通り、タブレット市場を食う形で成長を続けており、2015年第3四半期における出荷台数は3億5,520万台と、前年同期の3億3,260万台から6.8%増。これまでの四半期の中で2番目の出荷台数となった。
1位はSamsungで、2015年第3四半期の出荷台数は8,450万台。前年同期から490万台増えているが、市場シェアだけ見ると前年同期比の23.9%から23.8%へと微減。2位のAppleは、iPhone 6s/6s Plusの投入により、出荷台数は4,800万台と前年同期の3,930万台から870万台の大幅増。市場シェアは13.5%で前年同期から1.7%の成長を見せる。なお、ここでもHuaweiが存在感を見せており、前年からの成長率は60.9%と躍進。出荷台数は2,650万台で前年同期から1,000万台増、市場シェアは7.5%で前年同期比2%増となっている。
販売会社 | 2015年第3四半期出荷台数(百万台) | 2015年第3四半期シェア | 2014年第3四半期出荷台数(百万台) | 2014年第3四半期シェア | 前年比成長率 |
---|---|---|---|---|---|
Samsung | 84.5 | 23.8% | 79.6 | 23.9% | 6.1% |
Apple | 48 | 13.5% | 39.3 | 11.8% | 22.2% |
Huawei | 26.5 | 7.5% | 16.5 | 5% | 60.9% |
Lenovo | 18.8 | 5.3% | 16.9 | 5.1% | 11.1% |
Xiaomi | 18.3 | 5.2% | 17.3 | 5.2% | 5.6% |
その他 | 159.1 | 44.8% | 163 | 49% | -2.4% |
合計 | 355.2 | 100% | 332.6 | 100% | 6.8% |