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サイバーリンク、アクションカメラの動画編集に最適化した「PowerDirector 14」など

~120/240fpsのハイフレームレートもサポート

動画編集ソフトの「PowerDirector 14」ほか、3製品を発売した

 サイバーリンクは15日、動画編集ソフト「PowerDirector 14」、色補正ソフト「ColorDirector 4」、音響編集ソフト「AudioDirector 6」、そして写真編集ソフト「PhotoDirector 7」の4製品を発表した。

 同日に記者発表会が催され、製品紹介とデモンストレーションが行なわれた。ここでは主に新しく搭載された新機能などを紹介する。

ビデオ編集、カラーグレーディング、音響変種、写真編集の4つソフトを発表
それぞれ連携することができ、ワークフローの効率的化を図れるとする
PowerDirectorの製品構成。上位エディションでは、クラウドストレージ「CyberLink Cloud」を1年間利用できる
PhotoDirectorの製品構成

PowerDirector 14

 PowerDirector 14での目玉と言える機能は、GoProといったアクションカメラで撮影した映像を編集するためのモード「アクションカメラセンター」が実装されたこと。

 一般的にアクションカメラには広角レンズが採用されるため、広角撮影によるゆがみ補正を行なう機能を搭載。カメラごとにプロファイルが用意されており、使用したカメラを選ぶことで適切に補正を行なえる。また、新たに120/240fpsで撮影した動画をサポート。ストップモーションやズームを適用でき、動きのある動画にさらに効果的に見せることができる。操作方法もタイムライン上で効果を付けたい場所を指定するだけと、非常に簡単に適用できるようになっている。

PowerDirector 14 ダウンロード版
エディション通常版価格/アップグレード版価格発売日
Ultimate Suite20,980円/12,980円9月15日
Ultimate Suite
(サイバーリンクWeb限定版)
15,980円/11,980円9月15日
Ultra12,980円/9,480円9月15日
Standard
(サイバーリンクWeb限定版)
8,480円/-9月15日
PowerDirector 14 パッケージ版
エディション通常版価格/乗り換え・アップグレード版価格発売日
Ultimate Suite21,060円/15,120円
アカデミック版12,960円
10月9日
Ultra15,660円/9,720円
アカデミック版8,640円
公認テクニカルガイドブック版17,820円
10月9日
Standar4,850円/-10月9日
PowerDirector 14の新機能と改善点
ユーザーインターフェイスに関しては、前バージョンから大きく変わっていない
PowerDirector 14の目玉機能と言える「アクションカメラセンター」の実装。GoProなどのアクションカメラで撮影した映像を簡単に編集して効果を付けることもできる
「アクションカメラセンター」はメニューなどから実行できる
スケートボードの動画にスローモーションを加えるといったデモを披露。いきなりスローになるのではなくゆっくりと入り、終わり間際では徐々に早さが戻っていく「イーズイン&アウト」機能や、同じシーンを繰り返し表示する「リピート再生」にも対応している。

 さらに、こういった編集済みの動画にテーマを適用する「クイックプロジェクト」機能が追加された。旅行や結婚式といった内容に応じたプロジェクトがいくつも用意されており、プロジェクトを読み込むと適当にタイムラインが生成される。後は良いところを切り取った映像をタイムライン上にドラッグ&ドロップするだけで、PowerDirectorが自動的にテーマの長さを調整しつつ、凝ったデザインの動画として出力してくれる。

スケートボードの動画に「クイックプロジェクト」によるテーマを適用することでスタイリッシュな演出が組み込まれた
テーマを選んだ時点でタイムラインが生成されており、後は動画で切り取った良いところをドラッグ&ドロップしていくだけ

 今回の新機能および既存機能の拡張点を以下にまとめた。

新機能のアクションカメラセンターにおけるレンズ補正機能の紹介。広角レンズの歪みを補正できる。アクションカメラごとのプロファイルが用意され、新しいものについては同社のDirectorZoneからダウンロードできる
水中や雪といった環境に応じたカラープリセットが用意されている
撮影動画の手ぶれ補正が可能。水平/垂直/軸回転/光軸回転によるぶれを補正できる
前述のカメラセンターにおけるエフェクト
120/240fpsのハイフレームレート動画に対応したことで、滑らかなスローモーション効果などを適用できるようになった
クイックプロジェクト機能を使えば、自作の動画に手間を掛けずに効果的な演出を適用できる
動体の追尾が簡単に行なえるモーショントラッキング機能。ピクチャーインピクチャの追従表示や複数の動体をトラッキングすることも可能
「スクリーンレコーダー」ではPC上の画面をキャプチャして、PCソフトの説明動画などを作成できる。ただ撮るだけでなく、マウスクリックした箇所がハイライトされるといった機能を備える
500以上のエフェクトを収録
Intelの第6世代Core「Skylake」およびNVIDIAのH.265ハードウェアエンコード機能をサポートした
ハードウェアアクセラレーションに対応
スマートビデオレンダリング(SVRT)機能では、新たにH.265と120/240fpsのMP4動画に対応した
対応フォーマットは前述のH.265と120/240fpsのMP4動画のほか、音声コーデックとしてFLACもサポート
ストーリーボード編集では、トランジションの挿入、エフェクトの適用、オーディオクリップの追加が行なわれた
プレミアムプラグインには、proDAD VitaScene LEとAdrage 1が加わっている

ColorDirector 4

 ColorDirector 4は動画の色調整などを行なうための編集ソフトで、今回のバージョンにはぼかし効果といった新しいフィルタ機能が追加されている。また、PowerDirector 14同様に、120/240fpsのハイフレームレートの動画(MP4)に対応。H.265によるハードウェアエンコード処理もサポートする。

 ダウンロード版の価格は11,980円、アップグレード版は8,980円となり、パッケージ版は用意されない。なお、ColorDirector 4はDirector Suite 4およびPowerDirector 14 Ultimate Suiteに同梱される。

ColorDirector 4の新機能と改善点
円形グラデーション機能を使って、円の外側をぼかしを入れている
新機能の「グラデーションマスク」
全体および部分的にぼかす機能が追加された
色かぶりツールにより、任意のオブジェクトの色を変えられる
MP4フォーマットの120/240fps動画をサポート

AudioDirector 6

 AudioDirector 6では動画の音声を編集する。新機能として、スピーチ動画のアフレコ音声を動画と同調させて違和感なく見せる「スピーチを自動で同調」機能が追加された。

 ダウンロード版の価格は11,980円、アップグレード版は8,980円で、パッケージ版は販売されない。ColorDirector 4と同じく、Director Suite 4およびPowerDirector 14 Ultimate Suiteに同梱される。

ColorDirector 4の新機能と改善点
「スピーチを自動で同調」機能が追加された
デモではかなりノイズを拾ってしまっている屋外スピーチ動画のスピーチ部分をアフレコし、同調させることでリップシンクが取れ、ノイズのない動画に変える様子を披露した
タイムラインの上が元の音声、下が後で録音した音声。スピーチ動画のアフレコ音声は、当然動画音声の長さと合わない
長さを同調した。実際に再生音声を聞いても全く違和感なく聞き取れた
そのほかの新機能として、タイムコードからBPM表示への切り替え、音声のテンポを合わせるためのメトロノーム機能を実装
ループ録音機能も搭載された。音楽演奏のリテイクやスピーチの繰り返し録音に最適とする

PhotoDirector 7

 PhotoDirector 7は、ユーザーインターフェイスの見やすさを重視したという簡単さを特徴とする。今回、レイヤー編集機能がサポートされ、これまでよりも編集の幅が広がった。また、ボケ効果適用するためのフィルタが加わっており、さまざまな表現を試せるようになっている。

PhotoDirector 7の新機能と改善点
レイヤー編集機能が追加され、14種類のブレンドモードから合成できるようになった
フェイスリタッチ機能では、小顔、クマ/しわ消し、デカ目、テカり消しといった補正を行なえる
スピード感の演出などにも有効なぼかしツールが追加
PhotoDirector 7 ダウンロード版
エディション通常版価格/アップグレード版価格発売日
Suite15,980円/9,980円9月15日
Ultra9,800円/6,800円9月15日
Standard4,800円/-9月15日
PhotoDirector 7 パッケージ版
エディション通常版価格/乗り換え・アップグレード版価格発売日
Ultra9,936円/7,020円
アカデミック版5,940円
10月9日
Standar4,850円/-10月9日

(中村 真司)