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東芝、最大12Wに対応するQi準拠の受給電IC

受電用IC「TC7765WBG」

 株式会社東芝は6日、無接点給電規格の「Qi」規格のLP v1.1(低電力規格)に準拠し、12Wの受給電が可能な受電用IC「TC7765WBG」、送電用IC「TB6865AFG Enhanced Version」を発表した。1月下旬よりサンプル出荷を開始し、6月より量産を行なう。サンプル価格はそれぞれ320円、500円。

 WPC(Wireless Power Consortium)で策定されている電磁誘導方式の無接点受給電規格「Qi」に準拠したICで、従来ICが5V/1A(5W)の対応であったのに対し、7V~12V/1Aへと拡張。最大で12Wの受給電が可能となる。

 受電用ICのTC7765WBGはWCSP28パッケージで提供。プロトコル認証処理のロジック回路が埋め込まれており、ユーザーによるソフトウェア開発は不要となっている。

 送電用ICのTB6865AFG Enhanced VersionはLQFP100パッケージで、プロセッサはCortex-M3をベースとする。従来モデルから周辺回路構成、ソフトウェアを刷新して10W級システムへ対応させた。給電動作に必要なソフトウェアをサポートすることで、機器への組み込みも容易という。

 なお、5Wを超える無接点受給電は、現状では上記2製品の組み合わせでのみ自動対応。送電ICを従来品、受電ICをTC7765WBGとした場合は、送電側能力に合わせた受電側の電力量管理によって対応できる。送電ICをTB6865AFG Enhanced Version、受電ICを従来品とした組み合わせの場合は最大5Wまでの対応となる。

(多和田 新也)