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富士通、ユビキタス製品の総力を結集した新製品発表会

~新タブレットやRealSense搭載機をデモ

 富士通株式会社は9日、世界初のRealSense搭載PCやタブレット製品など同社のユビキタス製品について新製品発表会を開催した。

 冒頭で登壇した、同社執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ グループ長の齋藤邦彰氏は、「本日は全製品を展示した総力戦。ひと味もふた味も違う、あいかわらず元気だと感じていただければ」と挨拶。現状のPCビジネスについて、個人向けは縮小傾向にあるものの、法人市場はタブレットを中心に堅調。またモバイルフォンビジネスについては、Androidの苦戦はある一方で、MVNOの普及という新しいチャンスが生まれている。さらに、ウェアラブルや自動車などのIoT分野も成長が見込まれ、「厳しい局面も多いが、チャンスも多い」と現状の考えを述べた。

 富士通全体の事業としても、ユビキタス製品の売上高は22.4%に上る。また、ビジネス構造上も、コンシューマを含むあらゆる業務セグメントを支えるものとなっており、新たなデバイスの提供や新規領域を開拓することで、ワークスタイルやライフスタイルの変革を生むことに繋げていきたいとした。

 成長戦略としては、設計から開発、製造までをセットで持っている数少ないメーカーとしての強みを活かしてユーザーニーズに応えていく既存領域への取り組み、スマートデバイスなどを用いてワークスタイルを変革するイノベーションへの取り組み、さらに野菜づくりやこれまでにICTが使われていない分野の社会的課題解決に挑戦するソーシャルイノベーション分野の3つに分け、「新たな潮流を捉えて顧客とともに進化する」とした。

富士通 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ グループ長の齋藤邦彰氏
富士通 執行役員パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏

 新製品の説明を行なった同社執行役員パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏は、まず国内の法人市場について言及。2013年度はWindows XPのサポート終了や消費増税などで大きく伸長。2014年度においても底堅い需要があるとし、今後も800万台規模の需要が継続すると予測。また、ワークスタイルを変えることに対する意識の高まりがあり、Windowsタブレットも高い成長率で推移している。一方で、各社が法人市場へシフトする動きを見せていることから、競争は激化すると分析した。そうした激化が予測される法人市場における富士通の強みとしては、幅広い顧客基盤や、自社ソリューション、R&Dの総合力を活かしたカスタマイズ対応力を挙げた。

 一方、コンシューマ市場においては、買い換えサイクルが年々長くなっており出荷台数は縮小傾向にあるものの、調査会社による調査では稼働台数自体は減っておらず、これからも家庭でもPCが利用され続けると見ている。そのために、顧客のライフスタイルに合った製品/サービスや、クラウドを利用したスマートフォンや自動車との連携、最新技術の早期導入による新しい体験を提案していく。

 法人向けPCの新ラインナップについては、10.1型2-in-1の「ARROWS Tab Q555/K」と、7月に発表された8型タブレット「ARROWS Tab Q335/K」を紹介。前者は同日発表された「ARROWS Tab QH55/S」の法人向け版という位置付けで、内蔵フラッシュメモリ(ストレージ)を交換機へそのまま移行できるなどの事業継続性や、指紋センサー、スマートカードなどに対応するセキュリティの高さ、両手で使えるハンドストラップやショルダーストラップなどのアクセサリを売りにする。

法人向け10.1型2-in-1の「ARROWS Tab Q555/K」
法人向け8型タブレット「ARROWS Tab Q335/K」
法人向けワークステーション「CELSIUS M740」
法人向けワークステーション「CELSIUS J530」
法人向けデスクトップPC「ESPRIMO D753/K」
法人向け液晶一体型PC「ESPRIMO K555/K」
コンパクトPCの「ESPRIMO Q520/K」は、液晶アーム、液晶ディスプレイも全て富士通製品で提供するフリースタイルPCとして展示
法人向けノートPC

 個人向けPCの新ラインナップからは、世界初のIntel RealSenseカメラ内蔵液晶一体型PC「ESPRIMO WH77/S」を紹介。壇上では、RealSenseカメラを用いて、自身の表情を解析してアバターに反映させたり、背景の入れ替えたりするデモを披露した。さらに、4.8kgの液晶部を子どもでも軽快に動かせる新ヒンジの採用で実現した、ペンを用いた新しい利用スタイルも紹介。液晶を立てたスタイル、タッチしやすいように傾けたスタイル、さらに水平に近づけたペン入力しやすいスタイルの“3wayスタイル”として訴求する。

 竹田氏は最後に、「要望はますます多様化するが、要望をいち早く実現することが使命だと思っている。もっと新しい製品を作る。それは従来のPCやタブレットの形をしていないかも知れない」と、今後もユーザーに新たな提案をし続けていくことに意欲を示した。

個人向け23型液晶一体型の「ESPRIMO WH77/S」
こちらはホワイトモデルも用意される「ESPRIMO WH53/S」
付属のスタイラスペン
新しいESPRIMO WHシリーズのヒンジ。ペン入力時の安定性を大きく向上させた
上位モデルのWH77/Sに搭載されるRealSenseカメラ。Intelからは複数のRealSenseカメラが提供されるが本製品は「F200」を搭載する
深度センサーなども搭載するので、3Dスキャンの可能性も紹介。発表会場では3Dプリンタと組み合わせた展示を行なった
10.1型2-in-1「ARROWS Tab QH55/S」
8型タブレット「ARROWS Tab QH33/S」

 このほか、発表会では、同社執行役員モバイルフォン事業本部 本部長の髙田克美氏も登壇し、Androidタブレットやスマートフォン、フィーチャーフォンなどのモバイルデバイスの製品を紹介。ICTの利活用は、以前は企業の用途で進化を遂げてきたが、スマートフォン時代に入って、個人のスマートフォン、タブレットの利用がICTの進化を牽引するようになったと分析。

 そのコンシューマ市場では、スペック以上に、画面の見やすさや操作感、軽快感、バッテリ駆動時間などが重視されるようになっているとし、今後もユーザーも声に耳を傾け、求められる製品やサービス、ソリューションを提供していきたいとした。

富士通 執行役員モバイルフォン事業本部 本部長の髙田克美氏
10.1型Androidタブレット「ARROWS Tab M555/KA4」
4.5型有機EL搭載のAndroidスマートフォン「ARROWS M305/KA4」

(多和田 新也)