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平均単価が向上するも市場が縮小するPC市場、二極化へ
(2014/1/16 16:57)
BCN株式会社は16日、都内で記者会見を開催し、PCおよびデジタル家電に関する2013年および2014年初頭の動向について説明した。本記事ではPCとスマートフォンを中心に取り上げる。
冒頭で全体的な動向について説明したアナリストの道越一郎氏は、2013年を振り返り「全体の単価が反転上昇し、販売金額で改善したカテゴリが多いのが目立つが、販売台数で伸び悩む傾向が続いた」とする。しかしこれにより、2014年は2年間続いたボトム期を脱出し、付加価値がある製品が注目されるようになり、消費者は安さだけではなく製品の価値を理解した上で購入するようになるだろうとした。
2014年の上半期は、ソチ冬季オリンピック、消費税増税、Windows XPのサポート終了、ブラジルのワールドカップ開催などのイベントが多く、消費を促すだろうとするも、下半期は促進剤が少なく、上半期の反動などが懸念されるとした。
また、販売台数、販売金額、単価の動向を取りまとめてみたところ、ノートPCとデスクトップPCなどの市場は台数/金額ともに縮小しつつ単価が上昇する傾向にあり、今後の動向としては若干不安である。一方タブレット端末は、単価を下げつつ販売台数/金額ともに拡大し、「市場成長の原理に沿った形」とした。
PCとスマートフォンの動向についてはアナリストの森英二氏が説明した。ノート+デスクトップ+タブレット端末を合わせたPC全体で市場を見ると、タブレット端末が2013年12月で初めて台数構成比で4割を超えたのがトピックだとした。また、2013年6月あたりから販売金額で持ち直して来ているのも特徴的だと言える。
一因としては、Windows 8発売以降のノートPCとデスクトップPCの平均単価の上昇があるとしており、Windows 8発売時点で約65,000円だった平均単価が、2013年12月で9万円まで上がっているとした。
具体的には、ニーズの二極化があったとする。2010年12月時点で40%のシェアがあったCore i5搭載ノートPCは、2013年12月時点で22%まで落ちている。その一方Core i7搭載モデルとデュアルコアCeleron搭載モデルは25%前後まで上がっている。このCore i7搭載機の平均単価が高く、全体的な販売金額を押し上げた。
メーカー別シェアでは、幅広くラインナップを取り揃えたNECがノートPC/デスクトップともに好調。ノートPCはNEC/東芝/富士通の3強で、やや離れたところにソニー、レノボ・ジャパン、アップル、日本エイサーなどがある。
一方、先述の通りタブレット端末は非常に好調で、2013年の年末商戦では、2010年5月の販売台数を元にした指数では過去最大の9.12を記録。製品別に見ると、やはりアップルのiPadシリーズ、ASUSの「Nexus 7」、「MeMO Pad」が市場を牽引しているとした。
メーカー別シェアではやはりアップルとASUSの2強だが、搭載OS別に見るとWindowsが11月と12月で2桁までシェアを載せているのはトピックだと言える。これにはレノボの「Miix 2 8」を台頭とする8型のWindows 8タブレットが貢献している。ただしBCNの集計には日本マイクロソフトの「Surface」が含まれていないため、これを含めればもう少しシェアが伸びるとした。
スマートフォン市場に関してはほぼ横ばいで推移しており、需要が一巡したと見られる。メーカー別ではアップルが圧倒、OS別ではAndroidとiOSが市場を二分している。2013年からNTTドコモもiPhoneへ参入したが、2013年全体としてはツートップ戦略によってソニーとSamsungが強かった。一方auとソフトバンクはiPhoneが依然として大きな販売構成比を占める。