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変換速度が上がりタイプミスを修正してくれる「ATOK 2014」
~PC版と同じエンジン搭載のAndroid版も用意
(2013/12/3 18:01)
株式会社ジャストシステムは、日本語入力システム「ATOK 2014 for Windows」を2014年2月7日より発売する。価格はベーシック版が8,400円、プレミアム版が12,600円。対応OSは、Windows XP/Vista/7/8/8.1。
ATOK 2014 for Windowsにおけるコンセプトは、「ストレスを軽減し、体感できる入力効率向上」となっており、タイプミスや、PCのスペックによって生じる入力ストレスを解消させる強化内容を盛り込んだ。
主な特徴の1つ目は高速化で、CPUや搭載メモリ量、ストレージがHDDかSSDかなどから最適化を行ない、変換および変換候補表示などを高速化する「アクセルモード」を搭載。バージョン2013と比べ、最大で25%時間を短縮。特に古めのPCで効果が高いという。
2つ目は入力ミスに対する補助機能。前バージョンでも、入力ミスをした際に、過去の変換内容から正しい変化候補を推測して表示する機能があったが、本バージョンでは、リアルタイムで入力文字列から変換候補の確からしさを計算するため、初めてのタイプミスでも類推候補を提示するようになった。
3つ目は英語モードでの入力からの変換。誤って、英語モードで日本語を入力した際、Ctrl+BackSpaceを押すと、かな入力したのと同じ状態になるので、再入力せずに変換ができる。
4つ目は分かりにくいカタカナ語の校正支援機能。「コンプライアンス」など多くの人が十分に意味を理解していると言いがたいカタカナ語を変換する時、「法令遵守」と分かりやすい言葉を変換候補として表示する。
5つ目は数値入力ナビゲートで、例えば「700000000」など、桁の多い数字を入力すると、変換候補としてカンマ区切りしたもの(700,000,000)が表示され、その横には参考用に漢字交じりの数値(7億)が表示される。
なお、アクセルモードと校正支援は、2013でも7月のアップデートにより機能が追加されている。
クラウドを活用した機能も2つ新搭載された。1つ目は、クラウド推測変換で、変換時に同社がクラウド上で随時更新する辞書を使って変換できる。現時点で、約180万語の言葉が登録されており、話題の番組や映画、著名人の名前などについて、推測変換を利用して、少ない文字数の入力で、正確な変換ができる。非常に多くの候補が表示されるため、例えば野球選手の「阿部慎之助」にはスポーツ、俳優の「阿部進之助」には芸能を示すジャンルアイコンが変換候補の右側に表示され、区別できるように配慮されている。確定した候補は、ローカルの辞書が学習するので、ネットに繋いでなくても、次回変換候補として表示される。
もう1つは、クラウド文章校正で、企業向けなどに提供している校正エンジン「Just Right!」を利用した、誤字、脱字、表記揺れなどの校正支援をATOKからWeb上で利用できる。
このほか、プレミアム版には、ExcelファイルにあるリストをATOKに読み込める「ATOKダイレクトfor Excel」、「8カ国語クラウド翻訳変換for ATOK」、「新明解国語辞典for ATOK」、「ジーニアス英和/和英辞典for ATOK」が付属する。
上述のクラウド機能は、サブスクリプション制の「ATOK Passport」を利用したもので、今回、パッケージ版ATOKを購入したユーザーにも、Passportの1年間利用権(プレミアム版はPassportもプレミアム版)が同梱されることになった。そのため、Windows版を購入しても、Passportの権利を利用し、Android版とMac OS版を利用できることになる。なお、クラウド推測変換については、現行のPassportユーザーを対象に、12月3日より先行提供する。逆にクラウド文章校正は、発売の2月7日より後に提供開始となる見込み。
また、Passportプレミアムユーザーには、「ATOK for Android [Professional]」を新たに提供する。Professional版は、昨今の高性能化やストレージ容量の増大を反映し、AndroidでPC版と同等の変換エンジン、辞書、校正支援機能、敬語の誤り指摘、同音語用例表示機能、手書き入力機能を搭載。タブレット用に新たなUIのソフトキーボード(QWERTYと、両手フリック用)も搭載する。