ニュース

簡単にこだわりある見栄えの文書を作成できる「一太郎2014 徹」

2014年2月7日 発売

価格:21,000~34,650円

3日に行なわれた発表会で説明を行なったコンシューマ事業部企画部の大野統己氏

 株式会社ジャストシステムは、簡単な指定で見栄えのする文書作成ができる日本語ワープロソフト「一太郎2014 徹」(てつ)を2014年2月17日より発売する。価格は標準版が21,000円、プレミアム版が26,250円、スーパープレミアム版が34,650円。

 一太郎はバージョン2010から、バージョンの数字に加え、コンセプトを示す漢字一文字を製品名に加えるようになった。今回の「徹」には、徹底や頑固一徹という意味が含まれている。バージョン2010から2013が、一太郎を中心に、花子や三四郎などによる水平方向の拡張に重きを置いたのに対し、2014では文章推敲環境の実現、個人電子出版機能の拡充、品質の高い文字組環境など、一太郎にとって根幹となる文書作成に関する垂直方向への進化を目指した。

 主な強化点は4つ。1つ目は、文字/漢字表現の追求で、2013で約13,000文字だった対応文字種が、約58,000文字までに拡張。これは、異体字の国際標準規格IVSへの対応に基づくもので、戸籍謄本など官公庁で利用する人名/地名のほぼ全てを網羅する。異体字フォントにはIPAmj明朝を採用。2013でも一部異体字の表示はできたが、本バージョンは他のIVS対応アプリ間でコピー&ペーストを繰り返しても、字形を保てるようになった。なお、同時発表の「ATOK 2014 for Windows」でも異体字の入力に対応している。

4つの主な強化点
約58,000時の文字種を搭載
「辺」だけでもこれだけの異体字を表示できる

 2つ目は文書のスタイル。「きまるスタイル」機能を使って、用紙の用途/サイズ/向きを選択するだけで、プロのような紙面スタイルが実現できる。例えば、文庫本向けの作品を作りたい場合、簡単に柱(ヘッダ)や、左右見開きで配置が違うノンブル(ページ番号)を設定できる。スタイルは、A4レポート、A4冊子、B6詩集、A4チラシ、A3会報など約380点を用意した。また、表形式罫線が大きく強化され、自動的に表の中に連番や日付を入れることもでき、作業時間を大幅に短縮させた。

簡単な指定だけでプロのようなレイアウトが可能に
小説に適したスタイルも用意
スタイル数は全部で約380
罫線はフリーハンドで自由に引ける
書式も多種多様なものを用意
連番や日付を自動入力もできる

 3つ目は創作工程の効率化で、2013では、プログラムが強制終了した場合、直前の状態にしか戻せなかったが、最大で500回までのバックアップに対応するとともに、任意の時点のバックアップに戻れるようになった。トラブル対策および版管理に利用できる。

 4つ目は電子書籍への対応強化で、奥付をEPUB形式で出力、固定型EPUBでの目次設定、書籍販売ストアでの表示用に表紙を画像として複製、Kindle形式への保存時に中間EPUBファイルを複製といった機能が追加された。

バックアップ機能が充実
電子書籍作成機能も強化
新機能を活用して作られたサンプル

 これらに加えプレミアム版には、見た目で筆順も分かり、東京書籍の国語教科書に採用された本格教科書体など字游工房フォント10書体を収録。一太郎2014では、和文フォントとかなフォントを個別に指定することもできる。このほか、新明解国語辞典およびジーニアス和英/英和辞典、読み上げソフト「詠太4」、グラフィックソフト「花子2014」、メールソフト「Shuriken 2014」を搭載。

 詠太4は、語彙を拡充し、声の高低調整が可能になった。花子2014は、一太郎との連携が強化され、数学用の図形を描くと自動的に角度を計算する機能、家系図作成機能、理科教材作成機能などを搭載。Shuriken 2014は2年ぶりのバージョンアップで、メール一覧画面のUIが刷新され、文例呼び出しや一太郎との連携を利用した文面校正ができるようになった。

 スーパープレミアム版にはさらに、写真編集ソフト「Zoner Photo Studio 15 HOME J」、表計算ソフト「JUST Calc」、プレゼンソフト「JUST Slide」のほか、一太郎ロゴ入りマウス型スキャナが付属。マウス型スキャナはキングジム製で、マウスとしてもハンディスキャナとしても利用できる。

筆順も分かる游教科書体
花子は、数学図形の角度自動計算機能を搭載
スーパープレミアム版に付属するマウス型スキャナ

9四半期連続の過去最高益を達成した同社

代表取締役社長の福良伴昭氏

 3日に行なわれた発表会では同社代表取締役社長の福良伴昭氏が、同社の直近の業績などについて説明した。

 福良氏によると、2013年上半期は前年比で売り上げが19.9%増。また、営業利益、経常利益、四半期純利益は、9四半期連続での最高益更新となり、上場以来の最高益を記録した。

 ATOKについては、スマートフォン/タブレットの普及もあり、個人から法人までユーザー数を延ばしており、今後も日本語入力が必要なあらゆる場面で、誰にでも使いやすく、身近で、快適な入力環境を目指したいとした。

(若杉 紀彦)