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NVIDIA、2,688SP搭載GK110コアの「GeForce GTX TITAN」
~71億トランジスタで、TDP 250W
(2013/2/19 23:00)
米NVIDIAは19日(現地時間)、GK110コアを採用する初のコンシューマ向けGPU「GeForce GTX TITAN」を発表した。価格は999ドル。
これまでGeForceシリーズで最上位に位置するGTX 680は、GK104と呼ばれるKeplerアーキテクチャのコアを採用していた。GeForce GTX TITANは、先にHPC向けに「Tesla K20X」として投入されていた同じKeplerアーキテクチャのGK110コアを採用するGeForce最上位製品で、世界最速のゲーミングPC用と位置付けられる。なお、製品名については、Tesla K20Xを採用し、TOP500で現在世界最速を誇る米オークリッジ国立研究所のスーパーコンピュータ「Titan」に由来している。
GK104とGK110の基本的な違いは、SP数などの規模だが、いくつかの新機能も追加されている。仕様は、SP数が2,688基、コアクロックが836MHz、Boostクロックが876MHz、テクスチャユニット数が224基、ROP数が48基、L2キャッシュサイズが1,536KB。メモリは6,008MHz駆動のGDDR5を6,144MB搭載。メモリインターフェイスは384bit。
GTX 680と比べると、コアクロックは1,006MHzから836MHzへ下がっているが、SP数は75%増え、テクスチャフィルレートは45%向上。メモリクロックは変わっていないが、インターフェイスが256bitから384bitになったことで、バンド幅は50%高い288.4GB/secとなっている。これらにより、ピーク演算性能は4.5TFLOPS(GTX 680は3.09TFLOPS)に達する。
なお、このSPは単精度で、192SPをひとまとめにした1SMXの中には、64基の倍精度ユニットも搭載されている。これは、GTX 680の8倍の数だが、GTX TITANの倍精度ユニットは、通常コアクロックの8分の1の速度で動作している。ただし、NVIDIA Control Panelの設定を変更することで、コアと同クロックで動作させられるようになっている。このときの倍精度ピーク演算性能は1.3TFLOPS。ただし、グラフィックス性能を計測する時はオフにすることを推奨している。
プロセスルールは28nmで、トランジスタ数は71億。標準的アプリ利用時の最大TDPは250W。推奨電源容量は600W。電源は8ピン+6ピン。スロット厚は2スロットで、ディスプレイインターフェイスは、デュアルリンクDVI×2、HDMI出力、DisplayPort 1.2。SLIは3Wayまで対応する。
機能面ではオーバークロックを行なうGPU Boostが2.0へと進化。1.0ではTDPの範囲内で、オーバークロックを行なう仕様だったが、2.0では指定した温度内で自動的にオーバークロックするようになった。GTX TITANの規定の動作温度は80℃であり、この温度に達するまでは、規定よりもクロックを上げる。また、ユーザーが80℃以上の閾値を設定することもできる。そのため、水冷などを使った場合は、より長時間オーバークロック状態で動作させられる。なお、過熱防止のため、95℃を超えると自動的にクロックは下がる。
また、2.0になり、電圧の調整も可能になった。これにより、さらなるオーバークロックも可能となるが、これは完全なユーザーの自己責任となるほか、機能を実装するかどうかはボードメーカーに委ねられる。
ちなみに、NVIDIAが独自に試した結果、1.1GHz超での動作も確認できたという。
さらに、ディスプレイオーバークロックという変わった機能も搭載。一般的液晶ディスプレイのリフレッシュレートは60Hzであるため、垂直同期をオンにするとGPUがいくら高速にしても描画速度は60fpsとなる。ディスプレイオーバークロック機能を使うと、ディスプレイのリフレッシュレートを80Hzなどに引き上げることができる。どこまで上がるかは各ディスプレイのマージン次第で、製品によっては上がらないものもある。
なお、既報の通り、HPC向けにGK110では「Hyper-Q」および「Dynamic Parallelism」という機能も追加されている。
オーバークロック耐性向上の一方で、冷却機構も改善。GTX 680のものより2倍高性能という信越製グリスや、銅製ベイパーチェンバー、アルミ製ヒートシンクとベースプレートなどの採用により、冷却性能を上げるとともに、静音ファンの騒音を抑えた。これにより、NVIDIAでは小型PCへの内蔵も可能としており、実際いくつかのPCメーカーでは超小型ケースにGTX TITANを実装したシステムを投入する予定。