デル株式会社は23日、Windows 8を搭載する個人向けPCの新製品を発表し、順次受注を開始する。
新製品は、液晶が左右の枠の中央を軸に180度回るハイブリッドタイプの12.5型Ultrabook「XPS 12」、エントリータイプの15.6型Ultrabook「Inspiron 15z」の2機種。
このほか、13.3型Ultrabook「XPS 13」が第3世代Coreにリフレッシュ、27型液晶一体型「XPS One 27」および23型液晶一体型「Inspiron One 2330」がタッチパネルに対応。Windows 8を搭載して販売される。価格はXPS 13が99,980円から、XPS One 27のタッチ対応モデルが137,980円から、Inspiron One 2330のタッチ対応モデルが89,980円から。
●XPS 12XPS 12は8月のIFAで公開されたUltrabook。最大の特徴が液晶の枠の左右中央に回転軸を持つ「フリップヒンジ機構」を採用したこと。液晶を180度回してから閉じると、タブレットの形状になる。反対に回して本体を台座にするスタンドスタイルでも利用可能。回転は180度回ったところで枠が止める機構を持ち、それ以上は回らない。変形時のアクションが少なく、軽い力でも回せるため、デルは他の方式よりも大きな利点だとする。
ディスプレイは1,920×1,080ドット(フルHD)表示、10点タッチ対応12.5型ワイド液晶で、IPS方式パネルとゴリラガラスを採用。筐体は削り出しのアルミとカーボンファイバーで強度を持たせた。パームレストはマグネシウム。キーボードは防滴でバックライトを備える。
Intelのスマートコネクトテクノロジーに対応し、スリープ時のメールやSNSなどの自動アップデートが行なえる。
XPS 12 タブレット状態 | ノートPCの状態 | タブレットにした状態 |
変形途中の状態 | 本体をスタンドにした状態 | その場合は天板が正面に見える。キーボードは英語、日本語が選択可能 |
今回国内販売が決定し、受注を開始。販売価格は99,980円から。
スタンダードモデルは、Core i5-3317U(1.70GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、SSD 128GB、Intel QS77 Expressチップセット、Windows 8を搭載。
プレミアムモデルは、上記からメモリを8GB、SSDを256GBに強化し、価格は119,980円から。プラチナモデルは、さらにCPUをCore i7-3517U(1.90GHz、同)に強化し、価格は129,980円から。
インターフェイスはUSB 3.0×2(1つは充電対応)、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Mini DisplayPort、130万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。
バッテリ駆動時間は約5.5時間。本体サイズは317.3×215.4×20mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.52kg(最小構成時)。
●Inspiron 15zInspiron 15zは、エントリー向けA4オールインワンをUltrabookにした製品で、価格は54,980円からとなっている。
Inspiron 15z |
ベーシックモデルは、Core i3-3217U(1.80GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、HDD 500GB+キャッシュSSD 32GB、Intel HM77 Expressチップセット、DVDスーパーマルチドライブ、1,366×768ドット表示対応15.6型ワイド液晶、Windows 8を搭載。
プレミアムモデルはCPUをCore i5-3317Uに強化し、価格は59,980円。タッチ対応液晶のプレミアムタッチパネルモデルは74,980円。
プラチナモデルは、CPUをCore i7-3517Uに強化、GPUにGeForce GT 630M(2GB)を追加し、価格は74,980円。
インターフェイスはUSB 3.0×4(1つは充電対応)、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力、130万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。
本体サイズは382×250×21mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.17kg。タッチ対応モデルは厚さが23mm、重量が約2.46kgとなる。
Latitude 10 |
このほか、大企業向け10.1型タブレットPC「Latitude 10」も発表された。Atom Z2760を搭載し、リモート管理機能や、TPMとBitLockerによる暗号化機能、セキュリティ機能などが提供される。価格は89,980円から。
XPS 12の液晶を回す原田氏 |
デルは23日に都内で発表会を開催し、マーケティング統括本部 統括本部長の原田洋次氏が挨拶。このとろ個人、企業向けの垣根が曖昧になってきており、デルはBYOD(Bring Your Own Device)を提唱しているが、原田氏は「個人、法人の垣根を越えるものとしてXPSシリーズで、個人向けだが、法人にも多く採用していただいている。今回の目玉はXPS 12で、革新的な製品」だとした。また、Latitude 10についても「法人向けのニーズを盛り込んだ」とし、LatitudeブランドのUltrabookやタッチ対応一体型も予定しているとした。
ゲストにはインテルからマーケティング本部の山本専氏、日本マイクロソフトから業務執行役員の金古毅氏が招かれ、山本氏は「Windows 8の登場でもっと魅力的なUltrabook製品が登場すると期待している。タブレット、ノートPCの中間のコンバーチブルUltrabookが良いとこ取りの製品。パートナーシップが非常に重要で、デルとの協力を継続していきたい」。金古氏は「Windows 8最大の特徴がタッチ。デルとはWindows 7からタッチで協力してきたが、Windows 8とともにXPS 12、Latitude 10を紹介できるのを嬉しく思う。市場の期待に応える製品をデルとともに提供、発掘していきたい」と賛辞を送った。
製品の詳細を紹介したデルのマーケティング統括本部 コンシューマー&SMB製品マーケティング本部部長の秋島健一氏は、XPS 12について「このところ続いている他社さんの新製品発表を見て、弊社の製品で勝負ができると思った。自信を持って提供できる製品」と評し、「XPS 12はUltrabookなので高い性能(Ivy Bridge搭載)でタブレットを使える。デルではディスプレイ回転式がコンバーチブルとしてベストだと考えている」とした。
Bring Your Own Deviceという流れ | 個人向け、法人向けでブランドを分けているが、XPSシリーズは法人需要も高く、その垣根を越えるという | XPSシリーズからコンバーチブルUltrabookとして「XPS 12」を投入 |
法人向けタブレット「Latitude 10」。Ultrabookと液晶一体型も予告 | 原田氏、山本氏、金古氏とXPS 12 |
デル 秋島氏 | XPS 12はUltrabookとタブレットの融合 | 第3世代CoreやフルHD IPS液晶などを採用 |
(2012年 10月 23日)
[Reported by 山田 幸治]