KDDI株式会社および沖縄セルラー電話株式会社は17日、タブレット1機種を含むスマートフォン2012冬モデルを発表した。
●“本気”のLTE今回発表の新製品は、全て下り最大75Mbpsの「4G LTE」に対応する。同社代表取締役社長の田中孝司氏は同日行なわれた発表会で、「エリアの広がり」、「電波のつながり」、「auのこだわり」という3つの“本気”をもってLTEに取り組むとした。
エリアについては、10月末の時点で実人口カバー率が84%で、これを2013年3月までに96%へ広げる予定で、No.1の広がりだとしている。そして速度については、詳細は非公開だが2013年以降に112.5Mbpsへ高速化するという。
つながりやすさについては、LTEについても全国で800MHz帯を利用することで、田中氏は「プラチナとはいいたくないが」と前置きした上で、「一番、つながる電波」を目指すと宣言した。
加えて、“こだわり”の技術を投入することで、通信品質の向上を目指す。具体的には、基地局間の境目や、大きなビルの影などに、ピコセル基地局を導入することで、電波が弱まる場所を減らす。また、「Optimized Handover」という技術を導入する。これは、基地局がユーザーの位置を把握し、LTE圏内から3G圏内へと移動すると推測したとき、ネットワーク側が事前に3Gの接続要求を行なうことで、通常は5秒程度かかる切り替え時間をなくす。このほか、ネットワーク側から、LTEと3Gのどちらの電波をチェックすべきか端末に伝達することで、電池消費を抑制する技術や、全機種テザリング対応といった点を訴求している。
【お詫びと訂正】初出時にOptimized Handoverの導入が日本初としておりましたが、そうではないことが判明したとKDDIが訂正しました。
田中孝司氏 | auの3つの“本気” | |
2013年3月までのLTEの実人口カバー率96%を予定 | 周波数帯はつながりやすい800MHz帯 | 2013年以降には112.5Mbpsへ高速化 |
ピコセル基地局で弱電スポットをカバー | ユーザーの位置情報を把握することで | |
LTEから3Gへの切り替えを瞬時に行なう | 電池消費抑制技術も用いられている | 全機種テザリング対応 |
●5型フルHD液晶の「HTC J butterfly」など10機種
今回発表されたのは10機種で、このうち8機種が11月2日に一斉発売される。
「HTC J butterfly」は、国内で初めて1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応液晶を搭載するスマートフォン。液晶サイズは5型。液晶以外もハイスペックで、CPUがQualcomm APQ8064(1.5GHzクアッドコア)、メモリ2GB、ストレージ16GB、Android 4.1を搭載する。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDカードスロット、Micro USB、210万画素前面カメラ、800万画素背面カメラなどを搭載。カメラはF2.0、88度の広角レンズを採用する。本体サイズは、約71×143×9.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約140g(暫定値)。本体色は赤、白、黒。バッテリ容量は2,020mAh。IPX5相当の防水に対応する。
「HTC J butterfly」 | 4.6型1,280×720ドットのXperia GX(左)との画面表示の比較 |
「Xperia VL」は、Qualcomm MSM8660(1.5GHzデュアルコア)、メモリ1GB、ストレージ16GB、1,280×720ドット表示対応4.3型液晶、Android 4.0を搭載。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDカードスロット、Micro USB、31万画素前面カメラ、1,300万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約65×129×8.7~10.9mm(同)、重量は約120g。本体色はピンク、ホワイト、ブラック、ブルー。バッテリ容量は1,700mAh。IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「Xperia VL」 |
「GALAXY S III Progre(プログレ)」は、Qualcomm MSM8960(1.5GHzデュアルコア)、メモリ2GB、ストレージ32GB、1,280×720ドット表示対応4.8型有機EL、Android 4.0を搭載。カメラでユーザーの視線を検知し、ユーザーが画面を見ている間は画面を消さない機能を搭載する。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、190万画素前面カメラ、810万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約71×139×9.4~10.1mm(同)、重量は約141g。本体色はオメガブルー、マーブルホワイト。バッテリ容量は2,100mAh。
「GALAXY S III Progre」 |
「AQUOS PHONE SERIE(セリエ)」は、Qualcomm MSM8660、メモリ1GB、ストレージ16GB、1,280×720ドット表示対応4.7型液晶、Android 4.0を搭載。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、124万画素前面カメラ、1,312万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約68×130×11.2mm(同)、重量は約148g。本体色はクリアブルー、ブリリアントピンク、マットブラック。バッテリ容量は2,040mAh。IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「AQUOS PHONE SERIE」 |
「ARROWS ef」 |
「ARROWS ef(エフ)」は、Qualcomm MSM8960、メモリ1GB、ストレージ8GB、1,280×720ドット表示対応4.3型液晶、Android 4.0を搭載。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、120万画素前面カメラ、810万画素背面カメラ、指紋センサーなどを搭載。指紋センサーは、押すことで電源ボタンの代わりにもなる。本体サイズは、約62×127×10.7mm(同)、重量は約139g。本体色はソリッドブラック、ソフトブルー、ピンクゴールド。バッテリ容量は1,800mAh。IPX5/IPX8相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「Optimus G」は、Qualcomm APQ8064、メモリ2GB、ストレージ16GB、1,280×720ドット表示対応4.7型液晶、Android 4.0を搭載。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、130万画素前面カメラ、1,300万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約69×137×9.6~10.3mm(同)、重量は約143g。本体色はアストロブルー、プリズムホワイト。バッテリ容量は2,210mAh。IPX5/IPX7相当の防水に対応する。
「Optimus G」 |
「DIGNO S」は、Qualcomm MSM8960、メモリ1GB、ストレージ16GB、1,280×720ドット表示対応4.7型液晶、Android 4.0を搭載。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、120万画素前面カメラ、808万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約66×134×10.8~11.6mm(同)、重量は約157g。本体色はブラック、ホワイト、ピンク。バッテリ容量は2,520mAhで、30分で約50%充電可能な急速充電器が付属。IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「DIGNO S」 |
「VEGA」は、Qualcomm MSM8960、メモリ1GB、ストレージ16GB、1,280×720ドット表示対応4.7型液晶、Android 4.0を搭載。Webサイト閲覧時に、画面上で手を上下左右にかざすことで、画面に触れずにナビゲーションする「VEGA Motion」機能を搭載する。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、200万画素前面カメラ、800万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約65×129×10.8~11mm(同)、重量は約134g。本体色はプレシャスホワイト、リュクスブラック。バッテリ容量は1,810mAh。IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「VEGA」 |
「G'zOne(ジーズワン) TYPE-L」は、Qualcomm MSM8960、メモリ1GB、ストレージ8GB、800×480ドット表示対応4型液晶、Android 4.0を搭載。MIL規格準拠の耐衝撃性能を持ち、温度センサー、気圧センサーも搭載するアウトドア向け製品。
インターフェイスは、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDカードスロット、Micro USB、136万画素前面カメラ、808万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約69×134×14.7~15.9mm(同)、重量は約181g。本体色はレッド、ブラック。バッテリ容量は1,800mAh。IPX5/IPX8相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「G'zOne TYPE-L」 |
タブレットの「AQUOS PAD」は、Qualcomm MSM8960、メモリ1GB、ストレージ16GB、1,280×800ドット表示対応7型IGZO、Android 4.0を搭載。IGZOの採用により、パネルの消費電力を抑えながら、先の細いスタイラスや、薄手の手袋での操作も可能になった。
インターフェイスは、ワンセグ、NFC、Bluetooth 4.0、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、microSDXCカードスロット、Micro USB、31万画素前面カメラ、808万画素背面カメラなどを搭載。本体サイズは、約106×190×8.9mm(同、暫定値)、重量は約280g(暫定値)。本体色はフィールブラック。バッテリ容量は3,460mAh。スタイラスが付属。IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵に対応する。
「AQUOS PAD」 |
●iPhone 5やMNPは絶好調
発表会で田中社長は、9月に発売したiPhone 5が絶好調で、ライバルの“騒がしい人”に比べ、足下の数字で緒戦は勝ったと、同じiPhone 5を扱うソフトバンクモバイルに対して勝利宣言した。また、契約者純増数ではソフトバンクモバイルが1位だが、MNPについては12カ月連続でKDDIが1位で、これが競争の結果だとした。また、質疑応答でもソフトバンクモバイルの最近の動きについて問われ、田中社長は「企業にとって拡大は重要だが、一番大事なのは自分たちがどうするかではなく、お客様が何を求めているかであり、それを追求したい」と答えた。
また、発表会にはCMキャラクターの、伊勢谷友介さん、剛力彩芽さん、井川遥さんも登場。すでに新製品のLTEを試したといい、子供の動画を家族に送ったり、空き時間に映画を観たりするのに重宝するといった感想を述べた。また、KDDIのLTEに対するキャッチコピーを求められた剛力さんは、「速い、広い、超速い!」と表現した。
剛力彩芽さん | 井川遥さん |
伊勢谷友介さん。手に持つのは自身がデザインしたカバー | 4人での記念撮影 |
(2012年 10月 17日)
[Reported by 若杉 紀彦]