オンキヨー、マルチタッチ/デジタイザーペン対応スレートPC
~4コアCPUの14型ノート、DLNA対応スピーカーも

オンキヨーの新スレートPC

11月25日より順次発売

価格:オープンプライス



 オンキヨー株式会社は、PC、タブレット、スピーカーなどの新製品を11月25日より順次発売する。価格はオープンプライス。

 PCはスレートの新モデル、14型ノート、タブレットは企業向けのAndroid端末の新モデル、スピーカーはDLNAとWi-Fiに対応するシステム。

●スレートPC「TW」シリーズ

 Windows 7を搭載するスレートPC「TW」シリーズは、プラットフォームの刷新とデジタイザーペンによる操作に対応したのが主な強化点。個人向けは店頭モデル「TW2A-A25Z7CK」、直販モデル「TW2A-A25Z7D」を用意。

 店頭モデルはスタンドにもなる専用ケース、Bluetoothキーボード、デジタイザーペンが付属し、店頭予想価格は6万円前後の見込み。発売日は12月2日。

 直販モデルは専用ケースとデジタイザーペンが付属。Office 2010の有無を選択できる。最小構成の価格は59,800円(3,000円引きクーポンあり)。出荷は12月2日。

TW2A-A25Z7CKTW2A-A25Z7D

 ハードウェアの仕様はほぼ共通で、Atom Z670(1.50GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ2GB、SSD 32GB、Intel SM35 Expressチップセット、1,024×600ドット表示対応10.1型ワイド液晶(マルチタッチ対応静電容量式/電磁誘導式)、Windows 7 Home Premium(SP1)を搭載。

 インターフェイスはUSB 2.0×2、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、130万画素Webカメラ、microSDスロット、ヘッドフォン端子などを装備。また、加速度センサーを内蔵する。

 バッテリ駆動時間は約5.7時間。本体サイズは267×173×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約892g。

各種I/Fを備えるドッキングステーションBluetoothキーボード(店頭モデルは付属)スタンドになるペンホルダー付きの専用カバー(個人向けは付属)

 オプションとして、ドッキングステーション(直販7,800円)、Bluetoothキーボード(同5,980円)、専用ケース(同3,980円)の単体購入もできる。

 直販モデルとほぼ同じ構成の企業向けモデル「TW2A-A24Z7H」、OSがWindows 7 Professionalの「TW2A-A25Z7PH」なども法人チャネルで販売する。

●クアッドコア対応14型ノート「R6」

 14型ノートPCは「R6」シリーズは、店頭モデルがクアッドコアCPUを標準搭載するなどスペック面を強化した。天板やパームレストはアルミ素材で平らなデザインを採用。オンキヨー独自の音楽再生ソフト「PureSpace」や、サラウンド機能のDTS UltraPCを搭載する。

14型ノート「R6」シリーズ天板とパームレストはアルミ素材平らなデザインを採用

 店頭モデル「R6A-BS25C7D」は、Core i7-2670QM(2.20GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、HDD 500GB、Intel HM65 Expressチップセット、DVDスーパーマルチドライブ、1,366×768ドット表示対応14型ワイド液晶、Windows 7 Home Premium(SP1、64bit)を搭載し、店頭予想価格は10万円前後の見込み。発売は11月25日。

 直販モデル「DR6A-BS25」の最小構成価格は74,800円。CPU、メモリ容量、HDD/SSD、OS、Officeなどを選択できる。出荷は11月下旬。

 インターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0×1、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN(Intel WiDi対応)、Bluetooth 3.0+HS、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、SDカードスロット、130万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。

 バッテリ駆動時間は約6.7時間。本体サイズは339×239×23.5~30mm(同)、重量は約1.9kg。

●DLNA対応スピーカー
GX-W70HV(B)

 新製品として、DLNA 1.5準拠の無線LAN内蔵スピーカー「GX-W70HV(B)」を12月3日に発売。店頭予想価格は29,800円前後の見込み。

 ロングセラーの「GX70」シリーズをベースにした製品。ネットワーク機能としてIEEE 802.11b/g/n無線LANを内蔵し、ルーターに接続するとDLNA機器として見えるようになる。無線LAN簡易接続のWPSボタンを備える。

 DLNA対応アンプと通信機能を内蔵したスピーカーと考えると分かりやすい。動作はDLNAレンダラーで、PC、iOS、AndroidなどのDLNA対応プレーヤーから出力先として選択する。Windows 7はWindows Media Player 12がDLNAに対応しており、ライブラリから右クリック、リモート再生でGX-W70HV(B)に出力可能。再生できるコーデックはWAV、MP3、AAC/M4A。

 RCAステレオ入力を備え、通常のアクティブスピーカーとしても利用可能。また、サブウーファー用のRCA出力、ヘッドフォン出力を装備する。内部はノイズの影響を排除したというオンキヨー独自の「VLデジタルアンプ」技術を採用した。

 出力は15W+15W。本体サイズは123×184~203×225mm(同)。重量は回路内蔵の右チャンネルが2.2kg、左チャンネルが1.7kg。電源はACアダプタ。

右チャンネルの背面インターフェイス独自のVLデジタル基板オーディオアンプ基板

●企業向けAndroid 3.2タブレット
TA2C-A35T3H

 企業向けのAndroidタブレット「TA」シリーズは、Android 3.2にバージョンアップし、カメラを前面/背面に装備。日本語入力システムには、MetaMojiの手書き入力「7notes with mazec for ONKYO」を採用し、ノートアプリのほか、mazecをIMEとして他のアプリケーションからも利用できる。Androidマーケットにも対応。

 「TA2C-A35T3H」の1モデルを12月上旬より企業向けに販売する。想定価格は6万円程度。主な仕様は、Tegra 250(1GHz)、メモリ1GB、フラッシュメモリ16GB、1,280×800ドット表示対応10.1型ワイド液晶(10点マルチタッチ対応)、Android 3.2を搭載。

 インターフェイスは前面200万画素カメラ、背面500万画素カメラ(AF対応)、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、MicroUSB、micro HDMI出力、microSDカードスロット、ヘッドフォン端子などを装備。センサーは加速度、照度、ジャイロ、GPS、電子コンパスなどを内蔵する。

 バッテリ駆動時間は約10時間。本体サイズは264×177×13.8mm(同)、重量は約800g。

会場に参考出品された拡張用オプションこちらも参考出品のWindows 7搭載「タフスレート」


オンキヨーデジタルソリューションズ 菅正雄 代表取締役社長

 同社は製品発表の11月16日、都内で発表会を開催。オンキヨーデジタルソリューションズ株式会社 菅正雄 代表取締役社長が、スレート事業と新製品を紹介した。

 菅社長は「約30年前にノートPCが誕生した時、デスクトップよりも性能が悪く売れるのかという懸念があったが、2011年にはノートが7割を占める市場になった」とノートPCを例にとり、スレート事業においても同様の市場の拡がりがあるとした。また、「オンキヨーはスレートPCを国内メーカーとして初めて発表し、色々な市場からフィードバックをいただいた」と、いち早く参入した利点を挙げた。菅社長はスレート市場を「単なるノートPCの置き換えではなく新しい市場」と表現し、「オンキヨーとしては、ビジネスの重点をスレートに置いていく。この分野を徹底的に伸ばしていきたい」と、スレート事業に注力することを明言した。

 オンキヨーがスレートPCを発売してからおよそ1年が経過したが、導入事例として通信、メーカー、流通、食品の各業種からの採用を紹介。通信は光ファイバーの接続点検、メーカーはクライアントPCと営業時のプレゼンツール、流通ではPOS端末、食品業界では店舗用のセルフオーダー端末などに使われているという。

オンキヨーのスレートの1年の歩み通信業、メーカーの導入事例流通業、食品業界の導入事例

 菅社長は「こういった用途は、今までは専用端末で高価だったり、標準品ではないため開発に時間がかかっていた」と、Windowsスレートはコスト面で大きな利点があるとした。そして、「サードパーティやSIと組んでこの市場を切り開くリーダーになっていきたい」と今後への意気込みを語った。

 今回発表された製品は、スマートフォンとの連携を考えながらスレートを中心に据えたもので、DLNA対応スピーカーはその第1弾だという。このほか、カーナビやデジタルサイネージ、フォトフレームなども積極的に展開し、シンクライアントも投入するとした。

さまざまな企業ユーザーの要望に応えるスレートを中心に据えたオンキヨーのPC事業

(2011年 11月 16日)

[Reported by 山田 幸治]