エムエスアイ、Sandy Bridge対応マザー4機種を公開

P67A-GD65

1月9日 発売
価格:オープンプライス



 エムエスアイコンピュータージャパン株式会社は14日、都内で記者会見を開き、Intelの次期CPU「Sandy Bridge」(コードネーム)に対応したマザーボード4モデルを公開した。いずれも発売は1月9日で、価格はオープンプライス。

 今回公開されたマザーボードには、Sandy Bridgeに対応するチップセットとしてIntel P67 ExpressとIntel H67 Expressの2種類を搭載。いずれもソケットはLGA1155で、対応メモリはDDR3だが、前者はCPU内蔵ビデオ機能には非対応で、後者は対応という違いがある。そのほか、SATAポート6基のうち2基が6Gbps転送に対応するなど、LGA1156対応のP55とH57から機能強化されている。

 全モデル共通の特長として、CPUやメモリの負荷に応じてVRMのスイッチング回路数を変更し、電源変換の高効率化を図る「APS(アクティブフェーズスイッチング)」、Core i7の新しい倍率ロックフリーCPUであるKシリーズに対応した簡単オーバークロック機能「OC Genie II」、UEFI BIOSを採用することでマウスとGUIによる設定が可能な「Click BIOS」、電流1.5Aの出力が可能なUSB 2.0ポート(ピンヘッダのみ)「Super Charger」などを搭載する。また、NECのコントローラによるUSB 3.0をサポートする。

 ソフトウェア面では、オーバークロックやハードウェアモニタリングを行なう「Control Center」を2にバージョンアップ。UIを改善し一元に情報を管理できるようになり、使い勝手を高めた。また、再起動せずにCPU倍率や電圧/メモリ設定などを変更可能な機能や、OC Genie IIの動作をソフトウェア的に制御できる機能を搭載した。

製品説明を担当した同社 マーケティング部 部長 石岡宣慶氏今回発売される4モデルOSに依存しないAPS
自動オーバークロック機能OC Genie IIは基本的にCore i7の新Kシリーズでのみ動作するマウスで操作可能なGUIを装備したUEFI BIOS「Click BIOS」THX認証のオーディオ機能も搭載
1.5Aの出力でiPadなどの充電に対応したUSB 2.0ポート「Super Charger」Control Centerは2にバージョンアップし、使い勝手を改善
USB 3.0とSATA 6Gbpsの全面対応特徴まとめ

 なお、同社のマザーボード製品名には規則があり、チップセット型番の直後に「M」があればmicroATX対応、「A」があればUSB 3.0対応となる。ハイフンに続いて、「G」がPCI Express x16スロットを複数備えたマルチGPU対応の“ゲーミング(Gaming)”向け、「C」がPCIスロットが2本または3本以上で過去の資産を活かせる“クラシック(Classic)”、「E」がビデオ出力を備えた“エンターティメント(Entertainment)”モデル。その後ろに「D」があれば「DrMOS(ドクターモス)」搭載モデル。最後の数字はグレードを示す。

●ゲーミング向け2モデル

 P67は3モデルを投入するが、このうち2モデルはPCI Express x16スロットを2基備えることでマルチGPU技術に対応するゲーミング向けとなる。いずれも電源VRM部に、MOSFETとドライバICを統合したルネサスの「DrMOS」を採用し、低発熱と大出力を実現した。

 また、新たに高効率フェライトチョーク「SFC(Super Ferrite Choke)」を採用し、効率を10%、対応最大電流を30%向上させた。同社は、このSFCと、タンタルコンデンサ「Hi-C Cap」、日本製固体コンデンサ「Solid Cap」の3つの組み合わせを「Military Class II」と定め、長寿命と高いOC耐性を実現できるとしている。マザーボード上に電源ボタンとリセットボタン、OC Genie IIボタンを備える。

P67A-GD65を手に持つ石岡氏と同社代表取締役の鄭志明(てい しめい)氏P67A-GD65のCPUソケット周り。DrMOSの採用でかなりコンパクトな電源回路実装となっているマザーボード上に用意された電源/リセットボタンと、OC Genie IIボタン
バックパネルインターフェイスP67A-GD65の主な概要P67A-GD65の特徴的な機能
SFCの採用によりさらに進化したMilitary Class II目玉のSFC。さらなる効率向上と性能向上を図ったHi-C Capの搭載で長寿命を謳う

 ハイエンドの「P67A-GD65」の店頭予想価格は18,800円前後の見込み。テスターを使って電圧を測定できる機能や、片方のBIOSが破損しても修復できるデュアルBIOSを搭載する。拡張スロットは2基のPCI Express x16のほか、同x1を3基、PCIを2基備える。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps×4、SATA 3Gbps×4。バックパネルインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×8、IEEE 1394、eSATA×2、Gigabit Ethernet、PS/2、音声入出力などを備える。

 ミドルレンジの「P67A-GD55」の店頭予想価格は15,800円前後の見込み。GD65からテスターの電圧チェック機能、VRM部のヒートパイプを省いたほか、SATA 6Gbpsを2基に減らし、eSATAも省いた。そのほかの仕様はGD65とほぼ同じ。

P67A-GD55P67A-GD55の主な概要

●過去の財産を活かせる「P67A-C43」

 「P67A-C43」は、PCIスロットを3基搭載し、ユーザーが持つ過去のPCI拡張カードをフルに活用できる。店頭予想価格は13,800円前後の見込み。

 そのほかの拡張スロットは、PCI Express x16×1、同x1×3。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps×2、SATA 3Gbps×4。バックパネルインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×8、Gigabit Ethernet、PS/2、音声入出力などを備える。

P67A-C43P67A-C43の主な概要

●microATX対応の「H67MA-E45」

 「H67MA-E45」はH67を搭載し、CPU内蔵ビデオ機能の出力が可能なmicroATXモデル。店頭予想価格は11,800円前後の見込み。

 拡張スロットは、PCI Express x16×1、同x1×3で、PCIはない。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps×2、SATA 3Gbps×4。バックパネルインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×4、IEEE 1394、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、Gigabit Ethernet、PS/2、音声入出力などを備える。

H67MA-E45H67MA-E45の主な概要

●マザーボードはシェア3位、ビデオカードはシェア2位を狙う

 発表会では、同社 営業部 デスクトップソリューション営業課 課長代理の三好正行氏が、同社の日本リテール市場への取り組みについて紹介した。

 2009年と比較して、2010年はマザーボードとビデオカードともに成長し、比較的好調であったが、マザーボードはBCNシェアで4位に転落してしまったこと、そしてビデオカードではローエンドが比較的手薄だったことを反省点とした。

 マザーボードでは、新製品の迅速な投入、ゲーミング向けラインナップの強化、CPU搭載マザーボードの投入などにより、チャネルと組み込み市場向け合計で25万枚の出荷を目指す。また、地方チャネルへの強化を図ることで売上を伸ばし、シェア3位の奪還を目指すとした。

 一方ビデオカードでは、オリジナルクーラー搭載ビデオカード製品群の質感向上と、ローエンドモデルの拡充により、チャネルと組み込み市場合計で15万枚の出荷を目指す。BCNシェア2位を目標にしたいと述べた。

三好正行氏マザーボードの出荷台数推移ビデオカードの出荷台数推移
2011年の目標や強化点マザーボード市場の強化ビデオカード市場の強化

(2010年 12月 15日)

[Reported by 劉 尭]