パナソニック、新TOUGHBOOK発表会レポート
~頑丈性能をさらに向上させながら、ハイパフォーマンスを実現

「CF-31」(左)と「CF-19」(右)

9月2日 発表



 パナソニックは2日、「TOUGHBOOK」の新製品として、13.1型XGA液晶を搭載した「CF-31」および、10.4型XGA液晶のコンバーチブルPC「CF-19」を発表した。

パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツビジネスユニット市場開発グループの島田伊三男グループマネージャー

 パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツビジネスユニット市場開発グループの島田伊三男グループマネージャーは、「TOUGHBOOKは、1996年に第1号機としてCF-25を発売。過酷な現場でも使用が可能な頑丈設計のモバイルPCとして、長年に渡り高い実績と評価を得ており、2002年からは、堅牢性PCの分野で8年連続でトップシェアを獲得している。世界150カ国で導入されており、VolvoやAMGなどの自動車メーカーでは過酷なテスト環境で利用されている」と前置きし、「屋外視認性、セキュリティ、放熱、ワイヤレス、軽量、長時間電池駆動、堅牢性という7つの分野からモバイルPCを徹底追求したパナソニックの独自設計により、頑丈性能をさらに向上させながら、ハイパフォーマンスを実現した製品」と位置づける。

 防塵、防滴性能では、IEC60529/JIS C0920のIP65に準拠。CF-31では120cm落下の衝撃に、CF-19では90cmの落下衝撃にも耐えうる仕様としている。

13.1型XGAを搭載したTOUGHBOOK「CF-31」

パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツビジネスユニットテクノロジーセンター・亀岡信夫プロジェクトリーダー

 また、CF-31では標準電圧版のCore i5を搭載。「これまでは放熱ファンを設置すると頑丈性が低下するため、ファンレス設計としていた。そのため、CPUはそこそこのものを搭載していたが、今回の製品では高性能と頑丈設計の両立を達成した」(パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツビジネスユニットテクノロジーセンター・亀岡信夫プロジェクトリーダー)という。

 CF-31に搭載した新開発の防滴ファンは、アルミダイキャストボディを採用したケースモーターで、さらに回転部を迷路状の構造を採用することで空気留めとすることでファンの心臓部に水やホコリが到達しないようにした。

 また、ヒートパイプによりCPUの熱をファンに移動させる効率的な放熱構造としたほか、防滴、防塵シールド構造とすることで、電気回路や部品部分は外部と遮断。「頑丈さを損なわずに、むしろ従来のファンレスモデルであるCF-30よりも優れた頑丈性を実現した」(亀岡プロジェクトリーダー)という。

 HDDは特殊緩衝材とマグネシウムキャビネットで保護。一方でLet'snoteで培ったキャビネットの薄肉化や穴あけ技術、内部金属キャビネツトを廃止するといった軽量化のための構造などを用いて、CF-30に比べて4mm厚くなったものの、200gの軽量化を達成した。これは、重量加速度を緩和し、落下衝撃を少なくするという効果もあるという。

 CPUには標準電圧版の「Core i5-520M(2.4GHz)を搭載。vProテクノロジーや、アンチセフト・テクノロジーにも対応している。

 新開発のLEDバックライトシステムでは、2cd/平方mから1,100cd/平方mの輝度設定が可能で、「晴天時の太陽光下の屋外作業でも視認性が高く、暗い暗室や車内での作業にも対応している。米警察ではパトカーでの見張りの際に、2cd/平方mでの液晶表示が相手に気づかれないとして好評だ」(亀岡プロジェクトリーダー)という。

 また、パナソニックが独自に開発した高感度内蔵アンテナを活用することで、ワイヤレスWAN、ワイヤレスLAN、Bluetoothの3つの高速モバイル通信を可能とした。

TOUGHBOOKは8年連続で堅牢PC分野でトップシェアを維持TOUGHBOOKは世界150カ国の大手企業で導入されている新製品では7つの機能に加えて新たに「高性能」を追求した
防塵、防滴設計はIP65に準拠したもの防塵のデモストレーションの様子CF-31の内部構造。堅牢性と軽量化を実現している
穴あけ技術などにより軽量化しているHDDを特殊緩衝材とマグネシウムキャビネットで保護し、薄肉化や穴あけ技術などにより軽量化HDDの特殊緩衝材
HDDの金属ケースCF-31に搭載した新開発のファンの概要防滴ファンのふた

10.4型XGAコンバーチブルPCのTOUGHBOOK「CF-19」

 ファンレス設計としたCF-19は、「タフ設計、高性能、コンバーチブル、屋外視認性、ワイヤレスといった機能を強化した製品」とし、CF-31同様にIP65の頑丈設計を実現している。

 CPUには超低電圧版のCore i5-540UM(1.20GHz)を搭載。こちらもvProテクノロジー、アンチセフト・テクノロジーに対応。

 島田グループマネージャーは、「CF-31およびCF-19は、すでに米国では先行発売をしており、引き合いも順調。日本でも堅牢PCの領域におけるトップメーカーとしての提案を行なっていく」とした。

【動画】CF-31を水につける。保証外だが短時間なら壊れない
【動画】CF-31を1m程度の高さから木の板の上に落下
【動画】CF-31の浸水テストその2
【動画】ファンの動作の様子

(2010年 9月 2日)

[Reported by 大河原 克行]