レノボ・ジャパン、パートナー向けイベントを開催
~ThinkPad Edge大画面モデルやE20投入などを公表

レノボ・ジャパン パートナーカウンシル 2010の会場

1月27日 開催



 レノボ・ジャパン株式会社は1月27日、プライベートイベント「レノボ・ジャパン パートナーカウンシル 2010 ~ThinkPadの新シリーズ始動とパートナー戦略の拡充~」を都内のホテルで開催した。

 同イベントは、今回の東京での開催に先駆けて、大阪、名古屋でも開催しており、ThinkPad新製品への取り組みや、新たなパートナー戦略について説明。最大規模となる東京でのイベントでは、約240人のパートナーが参加した。

レノボ・ジャパン ロードリック・ラピン代表取締役社長レノボ・ジャパンの2009年の成果2010年はパーフェクト10を目指すと宣言した

 冒頭、挨拶に立ったレノボ・ジャパン代表取締役社長であるロードリック・ラピン氏は、「昨年のパートナーカウンシルにおいて、私は、『来年は日本語でお話しをする』と約束した。今年は日本語で話す」として、すべて日本語で語った。

 2009年のレノボの取り組みについては、「新たにThinkPad Edgeシリーズを投入するなどプロダクトラインの拡充のほか、プライシング戦略の見直し、コラボレーションモデルの強化、レノボ・ジャパンへの投資を増やすといったことに取り組んできた。その結果、第3四半期、第4四半期においては、2期連続で2桁成長となった。またパートナー事業部門を設置し、エンタープライズユーザーに対するハイタッチ営業体制を強化することもできた。日経パソコンの調査では総合満足度ナンバーワンになるという実績もあげた。また、先頃米国で開催されたInternational CESでは、PCベンダーで最多となる8つの賞を獲得するなど、新たな製品においても大きな話題を呼んでいる」などとした。

 また、2010年4月には、六本木ヒルズ森タワー18階に本社を移転することを紹介。「本社を移転する理由は、パートナーの方々に、多くのお客様を連れてきていただき、商談の場として活用していただく狙いがある。ぜひ活用してほしい」などとした。

 さらに、「2010年は、業務のスピードアップ、オペレーションの効率化、納期の改善、一元化した在庫管理といった点を重点課題として取り組み、シンプルで迅速なサービスを提供する。今年はパーフェクト10(10点満点)の1年にしたい」と語った。

ベースカバーを持って説明するレノボ・ジャパン 大和事業所ノートブック開発研究所トランザクション・モデル プロジェクトマネジャーの大穂一彦氏第4世代に進化したThinkPadの特徴は中小企業、SOHOなどを対象にしている点
第4世代ThinkPadに採用した数々の工夫。材料に炭素素材を使わないでも堅牢性、軽量性、操作性を失わない取り組みだThinkPad X100eは現在、ブラック、ホワイトのほか、レノボ直販サイト限定カラーとしてレッドを用意。さらなる今後カラーバリエーションの追加があるか

 一方、レノボ・ジャパン 大和事業所ノートブック開発研究所トランザクション・モデル プロジェクトマネジャーの大穂一彦氏は、「ThinkPadの新シリーズにおける開発ストーリーと戦略」をテーマに講演。2010年からThinkPadが第4世代へと進化したことを示し、「ThinkPadは取っ付きにくいとか、大きな企業が利用するものという認識を取り払い、中小規模企業のお客様にも購入していただける、購入しやすく、シンプルな製品とした。それでいて、信頼性や堅牢性はThinkPadのスピリッツを持っている製品。これまでのThinkPadが高機能、多機能、多種構成であったのに対して、洗練されたシンプルさを実現したものになる」などと位置づけ、1月5日に発表したThinkPad Edge 13"や、ThinkPad X100eの機能、コストを低減しながらも堅牢性、操作性、信頼性などを実現するための工夫ポイントの数々を紹介した。

 「わずかなドーム形状とすることで、高価な金属や複合材料を使用することなく強度を保ったり、トラックポイント部は高さを低くすることで、プラスチック材料のなかでも厚さを最適化した。また、ベースカバーの開口部のすべてに縦壁を持たせた構造とすることで強度を確保している」などとした。

 また、大穂氏は、より多くの人に利用してもらえるように、第4世代ThinkPadにおけるカラーバリエーション追加を検討しはじめていることや、Edgeシリーズに14型や15型のラインアップを投入する可能性も示唆した。

 続いて、レノボ・ジャパン 製品事業部の佐塚千帆事業部長は、「レノボ製品ロードマップ」と題して講演。現在、レノボには、Thinkブランドで5つの製品群が構成され、ideaブランドでは2製品を投入していることを紹介しながら、パートナー向けの限定情報として、今後の製品ロードマップの考え方などについて説明した。

レノボ・ジャパン 製品事業部の佐塚千帆事業部長Thinkは5つのブランドで構成され、ideaブランドでは2製品を投入
Thinkブランドの製品が一堂に展示された初めて公開されたThink Station E20。2月上旬に出荷の予定

 その中で、ワークステーションのThinkStationを2月上旬にも出荷する計画を明らかにした。

 Intel Core i3-530(2.93GHz)を採用し、2GBメモリ、250GB SATA HDDを搭載し、さらにオートデスク認定のIntegrated Graphicsを採用。価格は10万円を大幅に切ることになるという。

 講演会場を出たホワイエにも、日本で初めてE20が展示され、参加者の関心を集めていた。

レノボ・ジャパン 常務執行役員エグゼクティブ・ディレクターパートナー事業担当の留目真伸氏パートナーとの協業戦略における3つの柱
2010年はパートナーごとの協業施策である「カスタマイズド・サポート」に力を注ぐパートナー向けのサイトも各種情報が得られやすいように改善を図った

 また、レノボ・ジャパンの常務執行役員エグゼクティブ・ディレクターパートナー事業担当の留目真伸氏は、「パートナー様と切り開く新しいPC事業の展開」をテーマに、パートナー戦略について説明した。

 留目常務執行役員は、「PCベンダーは第3世代へと突入し、コモディティ化したPCがより細分化され、単価下落が続く中で、イノベーションとオペレーションの効率化の両立が求められている。これまでのパートナーとの協業は販路としての関係が強かったが、今後は、一体となって新たな価値創造を行なうためのパートナーとなる。PCベンダーは、販売やマーケティングまでのすべてを行なうことはできなくなっている。戦略を共有し、マーケティングや広告、販促などで二重投資をしない構造が必要となる」と説明した。

 また、「レノボ・ジャパンでは、競争力のあるイノベーティブな製品を投入すること、プログラムによるパートナーサポートに加えて、パートナーごとの協業施策(カスタマイズド・サポート)を展開することに力を注ぎたい。とくに、今後、レノボの製品比率を高めることで成長を遂げたいと考えている企業、すでに他社を含めて多くのPCを扱っているが、レノボ製品を扱うことでビジネス機会の維持、新たなビジネスチャンスを獲得したいと考えている企業など、共同ビジネスプランや付加価値サービスの開発、目的別奨励金プログラムなどを個別に展開するカスタマイズド・サポートを、パートナー各社との話し合いのもとに展開していきたい」と述べた。

 そして、「レノボはPC専業で利益を出している数少ないベンダーの1社。大和での日本のものづくりの強みを持った会社であり、この強みを改めて、日本から世界へ発信し、認知度を高めたい」などと語った。

(2010年 1月 28日)

[Reported by 大河原 克行]