BCN、Windows 7登場後はデスクトップPCとCULVノートが活発

森英二氏

1月14日 発表



 株式会社BCNは14日、BCN AWARD 2010を発表。これに伴い記者会見を開き、2010年全体の動向を説明した。本稿では、この中で同社のアナリスト 森英二氏がPC分野に関してまとめた動向を紹介する。

 2010年全体では、ネットブックやCULVノートが市場全体を牽引し、PC販売台数は前年比でプラスに転じたものの、販売金額は前年割れが続いた。

 10月22日のWindows 7発売後は、デスクトップが好調で、前年同月比の台数は10月で2.2%増、11月は8.7%増、そして12月は10.9%増となった。さらに金額でも11月は5.6%増、12月は8.7%増と好調だった。

 構成比率の高いノートPCは、Windows 7の発売後、前年同月比の金額で9月の15%減から、10月~12月は約5~6%減に押し戻したが、台数は10月の24%増を境に、11月は9.5%増へ落ち込み、そして12月は0.4%減へ転じた。

 2006年12月の販売台数を基点とする指数では、2009年の12月で、デスクトップが1、ノートPCが1.12だった。森氏は、「2008年12月のデスクトップ販売台数指数が0.9だったことを踏まえると、Windows 7によってデスクトップPC市場が回復していると言える」と説明した。

PC市場全体の販売台数と販売金額の推移、および平均単価Windows 7発売後、デスクトップPCが販売台数/金額ともに前年を上回った2006年12月を1としたときの販売台数指数でも、デスクトップが回復基調

 搭載OSの比率は、2009年12月時点で、デスクトップではWindows 7が75.8%、Vistaが14.2%、Windows XPが10%。ノートPCでは7が73.2%、Vistaが12.2%、XPが14.7%だった。ノートPCに関しては、依然としてXP搭載のネットブックが存在するため、「Windows 7の伸びの障害になっている」と森氏は分析した。

 平均単価は、デスクトップが2009年9月時点で96,800円になったのを底に、10月で102,100円、12月で110,200円に上昇。ノートPCも9月で76,400円になったのを底に、12月で86,000円まで上昇している。森氏は「Windows 7登場によるデスクトップPC単価の上昇、ネットブック市場の縮小に加えて、CULVノートの活性化によって回復したのではないか」と分析した。

 タイプ別販売台数の構成を見ても、一部のCULVノートが含まれる、BCNが「スタンダードモバイル」として位置づけている分野が拡大。2009年9月時点で1.9%だった割合が、12月で8.9%まで増え、「CULV市場が拡大する兆しでではないか」と説明した。

OSの搭載比率平均単価の推移。Windows 7発売後やや回復しているネットブック市場の縮小とスタンダードモバイル市場の拡大
メーカー別シェア

 メーカー別シェアでは、デスクトップではNEC、ノートでは東芝、ネットブックではASUSTeKが首位となった。詳しく分析すると、これらのメーカーは、液晶サイズや構成の違いで、幅広いラインナップを取り揃えているのが特徴で、消費者のニーズに幅広く応えた結果、首位になったのではないかとした。

 また、POSデータの年間集計による客観的選考基準によって、各製品別の最優秀ベンダーを選出する「BCN AWARD 2010」も発表した。

 今回POSデータを提出した企業は24社。今回新たに、ネットブック、SSD、ヘッドフォン・イヤフォン、交換レンズ、BDメディア、デジタルチューナ、DTPソフトの7部門を新設。このうち、ネットブックではASUSTeK、SSDではバッファロー、DTPソフトではクレオが受賞した。

株式会社BCN 取締役社長 奥田喜久男氏2009年全体でネットブック市場が著しく成長したため、ネットブック部門を新設
SSDの容量拡大とモバイルの進化で、SSD部門を新設プリンタの高機能化に伴うDTPソフトの拡大で、DTPソフト部門を新設新設部門で受賞した企業

 また、日本エイサーが液晶ディスプレイ、CFD販売が拡張インターフェイス、ラトックシステムがKVM切替器、エレコムがPCカメラ、イメーションがCDメディア、東芝がDVDレコーダー、シャープがBDレコーダーの各部門で、それぞれ初受賞した。


(2010年 1月 14日)

[Reported by 劉 尭]