マイクロソフト、Windows 7一般向け発売記念記者発表会
~ウルトラセブンとウルトラマンゼロも登場

Windows 7記者発表会にて

10月22日 開催



 マイクロソフト株式会社は22日、新OS「Windows 7」の一般向けパッケージを発売開始。これにあわせて記者発表会を都内で開催した。

 冒頭では、同社代表執行役の樋口泰行社長が挨拶。「いよいよ待ちに待ったWindows 7、本日未明のDSP版発売を皮切りに、9時には店頭やオンラインショップでリテールパッケージも販売開始した。世界同時発売ではあるが、時差の関係で日本が一番早く発売されることとなった」とした。

Windows 7のプロモーションビデオより。日本語では「あなたとPCに、シンプルな毎日を。」に訳されたタグライン代表執行役 樋口泰行社長

 過去のWindows 7の予約実績を振り返って同氏は、「Windows 7はこれまでにない予約販売という方法をとり、6月より実施してきたが、予約本数では既にWindows Vista発売後3カ月分に相当する数量を販売できた。予約の段階でこれだけ売れているということは市場からの期待を反映するものであり、この厳しい経済状況の中、起爆剤になるものと期待している」と語った。

 IDCの予測によれば、2010年末までに全世界で1億7,700万本以上、そして日本で1,000万本のライセンスの出荷を予測している。また日本におけるインストールベースでは、すでに3,400万台以上のPCがWindows 7にアップグレード可能であり、3,600万台以上のPC本体ごとの買い換え需要があるという。さらに、日本におけるWindows 7のエコシステムの形成で、2兆3,000億円以上の経済効果が見込めるといい、「我々のWindows 7で少しでも経済の活性化に繋げていければ良いと思っている」と述べた。

Windows 7は予約分のみでVistaの3カ月分に相当する出荷数を達成Windows 7の期待値と経済効果

●AmazonでのWindows 7の予約はハリー・ポッターを上回る

 続いて、米国本社から来日したWindows and Windows Live Division, President, Steven Sinofsky(スティーブン・シノフスキー)氏が、Windows 7の特徴を紹介した。

 同氏はまず、Windows 7の開発や販売に携わったパートナー各社に謝意を表すとともに、AmazonでのWindows 7の予約実績を挙げ、「Windows 7は、Amazonでのソフトの販売としては史上最高を記録し、ハリー・ポッターを上回った。これはパートナー各社の協力を得て達成したものであり、深く感謝したい」と語った。

 Windows 7の開発に関しては、とにかく多くのユーザーの声を取り入れたという。「我々は世界のユーザーに何万回ものインタビュー、何万時間にも及ぶ利用実態調査、800万人以上のベータ/RCテスターのフィードバック、そして日本においては650人以上のローカライズスタッフの協力を得てWindows 7を完成させた。Windows 7は何よりユーザーの声を反映したOSである」と強調した。

Windows and Windows Live Division, President, Steven Sinofsky氏冒頭で同氏はパートナー各社への謝意を表した

 続いて、「あなたとPCに、シンプルな毎日を。」と題された、ユーザーからのメッセージを編集したビデオを上映し、Windows 7がユーザーサイドに立って開発されたことをアピールした。

Windows 7のベータとRCでユーザーから得た声
Windows 7のタグラインWindows 7の3つの柱
パートナー各社のPCを紹介するスティーブン・シノフスキー氏

 パートナー各社との協力については、「メーカー各社に、Windows 7を搭載したプレミアムなPCを製作してもらった」とする。その一例として、いずれも1秒~3秒程度でサスペンドから復帰するCULV CPU搭載のノートPC、マルチタッチに対応した一体型PC、そして軽量薄型でありながらもWindows 7 Starterではないエディションを搭載したVAIO Xなどを手に取って紹介した。

 Windows 7が提供する新たな機能としては、Windows Touchによる直感的なタッチ操作、Media Centerの国内デジタルTVの標準サポートやTVとの連携操作、環境を超えたプリンタやファイル共有など挙げ、これらをWindows 7の特徴であると位置づける。

 さらに、Windows LiveもWindows 7の機能を補完するもであるとし、ブログサービスやフォト共有サービス、Hotmailなどが無償提供されることにより、Windows 7が完全にその機能を発揮できるとした。

 実際にWindows 7を利用したデモとしては、Windows Media Centerで3波デジタルTV放送が観られること、LoiLo Touchによる直感的な動画編集や将棋ソフトの操作、デバイスステージによるデバイス管理の一貫性、そしてWindows Media PlayerのTVへファイルを出力再生する機能や、Windows Mobile端末からWindows 7のMedia Playerを操作できることなどを紹介し、Windows 7の利便性を訴求した。

Windows 7のMedia Centerに対応するデジタルTVチューナ。右手がアイ・オー製、左がバッファロー製Windows 7のMedia Centerで地デジを視聴しているところデータ放送にも標準で対応する
地上デジタルだけではなく、CSやBSデジタル放送にも対応するLoiLo Touchによる直感的な動画編集
将棋ソフトもタッチ対応に2本指で盤面を回転できるキヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」を接続すると、デバイスセンターで関連する項目が表示され、一括管理できる
Windows Media Playerで、PCにあるファイルをソニーのTV「ブラビア」に転送して再生するデモ東芝製のWindows Mobile端末をリモコン代わりとしてMedia Playerにファイルを再生させたところ

 最後に、樋口社長が壇上に戻り、「シノフスキー氏もアピールしたが、Windows 7はユーザーの声を反映して開発した製品であり、Vistaと比較すると製品の出来映えが大きく変わった。深夜販売でパートナー各社に聞いてみると、Vistaとは明らかに異なる、継続的に販売できる手応えを感じている。週末(24日/25日)には秋葉原でイベントも開催するので、その時またユーザーの皆様に来ていただいて、Windows 7を体験してもらいたい」と語った。

 発表会後には、パートナー25社が一斉に登壇し、Windows 7の一般向け発売を記念した鏡割りを行ない、会場を盛り上げた。また、隣の会場で開催された懇親会では、“セブン”にかけたウルトラセブンとウルトラマンゼロが登場。マイクロソフトの幹部たちとのフォトセッションを開き、会場を盛り上げた。

【動画】パートナー25社が登壇し一斉に鏡割りをした
懇親会会場には各社のPCやデバイスが一斉展示
発表会後の懇親会に登場したウルトラセブン(左)と息子のウルトラマンゼロ(右)マイクロソフト幹部との集合写真も

(2009年 10月 22日)

[Reported by 劉 尭]