ニュース

Cooler Master、フルモジュラー設計のPCケース

「MasterCase Pro 5」

 Cooler Masterはカスタマイズ可能なATX対応PCケース「MasterCase 5」および「MasterCase Pro 5」を9月18日より発売する。価格は共にオープンプライスで、税別店頭想定価格はそれぞれ20,000円、24,000円前後の見込み。

関智之氏

 都内で開かれた製品発表会には、同社日本チャンネルマネージャー関智之氏が登壇し、本製品および今後のCooler Master製品のコンセプトなどについて語った。

 関氏は、Cooler Masterは創業当時から、「(PCパーツ業界の)各社で類似品を発売しあう」風潮を嫌った同社創業者Roger Lin氏の理念に従い、革新性のある製品を発売してきたが、徐々に市場(ユーザー)ではなくライバル企業を見て製品を開発するようになってしまっていたと述べた。

Cooler Master創業者Roger Lin氏の言葉

 そこで同社は創業時の原点に立ち返り「もっと自由に、人々が楽しいと感じる製品を作りたい」という想いから「Make It Yours」という新スローガンの元、著名なPCケースModderや、ゲームデザイナー、工業デザイナーらを招聘。幾多の協議やケースの試作を重ね、“自分を表現するための道具”となるような製品を作る「MasterConcept」を定めたという。

「もっと自由に、人々が楽しいと感じる製品を作りたい」
MasterConcept
“Make It Yours”は、「作り手(Maker)が自分を表現できる選択肢を提供していく」というCooler Masterの目指すビジョンを指す
関氏は、この1年ほど大きな新製品を発表してこなかったのは、全社を挙げて今後の方向性を定めるために動いていたためだと明かしていた

 今回発表された「MasterCase」シリーズは、そのMasterConceptに基づき、「用途に合わせて外観や機能を自由にカスタマイズできるケース」を目指し、「FreeFormモジュラーシステム」と名付けられたモジュラー設計を採用したPCケースとなる。

 大きな特徴は前述の「FreeFormモジュラーシステム」で、例えばケース前部の5インチベイ、3.5インチベイ部は完全に取り外しが可能で、モジュラー設計のため、ベイモジュールを追加購入すれば、3.5インチドライブを最大10台搭載可能といった仕様に変更できる。ドライブベイだけでなく、天板に装着できる水冷用ラジエータ用のマウンタや、静音仕様の前面パネルなど、各モジュール別に交換用モジュールが用意される。

 またモジュール内容については、実際のユーザーの要望をフィードバックしていくという。MasterCase 5とPro 5の違いは、水冷用ラジエータマウンタ、天板カバーの有無、ドライブベイ数などだが、基本的なフレーム部の違いは無いため、モジュールを追加購入すれば上位モデルと同仕様にアップグレードすることができる。今回は発売日や価格などの発表は行なわれなかったが、COMPUTEX 2015にも展示されていた、ガラス製サイドパネルなどを装備したMasterCase Pro 5の上位モデル「MasterCase Maker」も発売される予定。

ドライブベイエリアに装着出来る本格水冷用のリザーバホルダーモジュール
前面ファンは上下位置を自由に移動可能
2.5インチドライブベイはマザーボード裏面の設置にも対応

 標準搭載ファンは背面および前面の140mm角ファン2基(Pro 5は計3基)のみだが、前面に120/140mm角ファン最大3基、上面に最大120/140mm角ファン最大2基を設置可能。

 そのほかの主な仕様は、対応マザーボード規格はATX/microATX/Mini-ITX、裏配線スペースは25mm。対応カード長は3.5インチベイ装着時で296mm、取り外し時で412mm。CPUクーラーは高さ190mmまで搭載可能。前面インターフェイスは、USB 3.0×2、音声入出力。

 本体サイズは共に235×548×512mm(幅×奥行き×高さ)で、重量はMasterCase 5が10.6kg、MasterCase Pro 5が10.7kg。

MasterCase Pro 5正面
側面パネルにはアクリル製の大きな窓を備える
内部
取り外し可能な3.5インチベイ
背面部。PCIスロット数は7本
天面。総重量30kgでもハンドルを握って運搬可能な剛性とのこと。240mmラジエータ対応マウンタが装着済み
ワークステーション構成の例として3.5インチHDD 10台を搭載

 発表会には参考品として、ゲーミングヘッドセットの「MasterPulse」、Bluetooth接続対応のデジタルATX電源「MasterWatt Maker」、ベイパーチャンバー搭載CPUクーラーの「MasterAir Maker」、同社初の本格CPU水冷キットとなる「MasterLiquid Maker」などが展示されていた。

「MasterPulse」
ケーブル、イヤパッド、ドライバの交換に対応
「MasterMouse Maker」。大きさやカバーの材質変更に対応
「MasterWatt Maker」。PCがスリープ状態でもBluetooth接続したスマートフォンから電圧などを確認可能。当然フルモジュラーケーブル仕様で、発表会では上のワークステーション構成例マシンに搭載されていた
「MasterAir Maker」
ベイパーチャンバー搭載CPUクーラー。ファンの位置を上下に調整可能でメモリとの干渉をクリア
「MasterLiquid Maker」
本格水冷キットで、リザーバタンクの上下方向やチューブ向きを変更可能。発売後には別口径のチューブに対応したヘッドなども用意する予定とのこと

(佐藤 岳大)