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富士通、文字入力ができる指輪型デバイス

〜一筆書きで高精度に文字認識するシステムも開発

開発した指輪型ウェアラブルデバイス

 株式会社富士通研究所は13日、手書き入力機能とNFCタグリーダを備えた指輪型のウェアラブルデバイスを開発したと発表した。

 工場やビルのメンテナンスなどの作業現場で、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、タブレットなどを取り出すことなく情報を閲覧できるため、情報をハンズフリーで入手できることで近年注目が集まっている。しかし、表示された情報をタッチして操作できず、数値入力や作業状況のメモなどには、別の装置や用紙が必要で、作業が中断されるという課題があった。

 そこで、富士通研究所は今回、空中に手書きすることで、情報の選択や手書きメモの入力が簡単にできる指輪型ウェアラブルデバイスを開発した。

 まず、このデバイスに搭載したモーションセンサーの情報から、空中で手書きをする指先の運動成分を抽出し、その軌跡を使って手書き文字を入力・認識する技術を開発。現場作業でよく行なわれる数字入力に関しては、特別な訓練をすることなく約95%の認識率を達成した。

 一方、空中で文字を書く場合、文字を構成する線と、書き出しまでの移動とを区別する必要がある。これをボタンで操作すると煩雑になるため、同社は一筆書きで文字入力する方式を採用した。一般に、一筆書きではペンやタッチの手書き入力よりも認識率が下がり、軌跡を認識せずにメモとして残すと、文字の各部位が繋がってしまい、読みにくくなる問題がある。

 そこで、一筆書きの軌跡から文字として不要な連結部分を自動的に認識して、軌跡データを補正する技術も開発。これにより、文字の視認性やテキスト変換の認識率を向上できた。

 このほか、同デバイスは、Bluetooth LE、NFCタグリーダ、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、ボタン型バッテリなどを搭載し、重量は10g以下。手書き文字入力の開始を指示するため、親指で押せるボタンも備える。

 同社では今後、実際の現場での操作性検証などを行ない、2015年度中の実用化を目指す。

空中手書き入力と文字補正技術の概要

(若杉 紀彦)