シリコンスタジオ株式会社は、iOSとAndroid向けの本格3Dベンチマークアプリ「MOBILE GPUMARK」の配布を開始した。価格は無料。対応OSはAndroid 2.3.3、およびiOS 5.1以降。なお、Windows版も開発中で対応する予定としている。
モバイル機器での3D性能を測定するベンチマークソフト。表示シーンは、シェーダー性能を主に評価する「RIGID GEMS」、多数のキャラクター表示性能を評価する「DEAD PARKING」、コンシューマゲーム機で使われる3Dモデルや高精細テクスチャを採用する「NATURAL BONE」の3つが用意され、また純粋にGPUの各性能を計測する「GPU BENCHMARK」も用意される。
RIGID GEMSは宝石を通る光の屈折や反射など、複雑なシェーダープログラムを使用する場合のGPU性能、グレアや被写界深度などのポストエフェクトを使用する場合のGPU性能、および複数の宝石やリングが衝突するCPUによる物理シミュレーション性能が測定される。宝石は1個につき約300~600ポリゴン、リング1個につき832ポリゴンが利用される。
DEAD PARKINGはややポリゴン数の多い3Dキャラクターを多数描画する場合のGPU性能、3Dキャラクターの影をリアルタイムに生成する場合のGPU性能、グレア、被写界深度を使用した場合のGPU性能、およびキャラクターのモーションを制御する場合のCPU性能が測定される。ゾンビ1体につき約2,000ポリゴン(24体)、主人公で約3,300ポリゴン、背景で約13,000ポリゴンが利用される。
NATURAL BONEは今世代のハイエンドコンシューマゲーム機で使われるレベルの3Dモデルや、高精細のテクスチャデータを描画する場合のGPU性能が測定される。キャラクターは約12,000ポリゴン、背景は約150,000ポリゴンが利用される。
各シーンのデモモードも用意され、デモではグレアフィルタやピンぼけ効果のON/OFF、物体の増減、各種エフェクトの有無などが選択できる。
GPU BENCHMARKでは、「Fill Test」、「High Polygon Model」、「Many Models」、「Per Vertex Lighting/同 & Specular」、「Per Pixel Lighting & Specular/同 &Normalmap」など、GPUの各基本性能がテストされる。
ベンチマーク後はスコアを表示し、用意されるサーバーに結果をアップロードし、そのほかのデバイスと比較できる。スコアは、GPU BENCHMARKのみオフスクリーンで複数回描画を行なって得られる描画時間、そのほかのシーンはFPSから算出。また、同じGPUでも解像度に性能が依存するためスコアが変化する。
テストの解像度は、機器の解像度と同じ描画を行なう「High」、縦横0.75倍の解像度の「Normal」、縦横0.5倍の解像度の「Low」の3種類が用意されるが、サーバーにアップロードできるのはHighのみとなる。
RIGID GEMSの画面 | RIGID GEMSではCPUによる物理シミュレーション性能も評価される | RIGID GEMSデモモードでの設定 |
DEAD PARKINGの画面 | キャラクターが多数登場する | DEAD PARKINGデモモードでの設定 |
NATURAL BONEの画面 | 多ポリゴン/高精細テクスチャデータが用意される | ハイエンドコンシューマゲーム機で使われるレベルの3D |
GPU BENCHMARKの画面 |
起動画面 | すべての再生するモード |
結果表示画面 | アップロードしてランキング比較できる |
なお、グレアやレンズエフェクト、フィルム/感光効果、リアル/擬似HDR表現、アンチエイリアスなどのポストエフェクトには「YEBIS 2」、プログラマブルシェーダーを記述せずに高度なシェーディングを活用できる「DAIKOKU」といったミドルウェアが使用されている。
(2012年 11月 13日)
[Reported by 劉 尭]