株式会社イーブックイニシアティブジャパンは5日、電子書籍サービス「Raboo」のユーザーに対する救済サービスを実施すると発表した。
Rabooは2011年に楽天が開始した電子書籍サービス。当時その専用端末として、パナソニック製の「UT-PB1」が発売された。しかし、それから1年足らずで楽天は新しい電子書籍サービス「kobo」を立ち上げ、Rabooについては、2013年3月一杯でサービスを休止することを発表していた。
イーブックは今回、「立ち上がりつつある電子書籍市場に多くの企業が参入し、電子書店が乱立状態となっています。そのような中で、読書好きのユーザーが迷いに迷った挙句にいずれかの電子書店を選んで使い始めたものの、企業側の都合でサービスが終了されてしまうと、そのユーザーは大迷惑を被ることとなります。このままだと、未だ電子書籍を利用するか迷っている多くの潜在ユーザーに冷や水を浴びせることとなってしまい、電子書籍業界にとっても大打撃となることを懸念していました」との声明を発表。
UT-PB1は、発売後のアップデートでイーブックの電子書籍リーダが搭載され、イーブックのサービスも利用可能となっているため、同社では、これまでUT-PB1ユーザーがRabooで購入した書籍代を肩代わりしてでも、業界の健全な発展の礎を築きたいと考え、「電子書籍お助けサービス」を開始することを決断したという。
具体的なサービス内容は、5,000円を上限として、Rabooで購入した電子書籍代金を、イーブックで利用できる「eBookポイント」として応募したユーザーに提供する。応募期間は11月5日から2013年1月31日まで。
イーブックは、世界最大級のマンガ保有数を誇る電子書籍サービス。今回のUT-PB1のほか、各種Androidタブレット、iOS端末、Windows PC、Mac、Windows Phoneなど幅広い端末で利用できる。
【お詫びと訂正】初出時に、UT-PB1の型番を誤っておりました。お詫びして訂正させて頂きます。
(2012年 11月 5日)
[Reported by 若杉 紀彦]